#102 Radio City Music Hallバックステージ見学ツアー・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月8日(木)8日目・・・6

Rockefeller CenterのStarbucksでお茶休憩をしながら、ただただNew Yorkにいること、いられる幸せに浸っていて、ふと時計を見ると16:05。

次に予定していた、Radio City Music Hallの、バックステージツアーの詳細を把握していなかったので急いで検索すると、9:30から最終17:00出発まで、30分おきとあった。
今ならまだ16:30の出発に間に合うかもしれない。よしっ!すぐ隣だとわかっていたので、Starbucksを出て、Radio City Music Hallに向かった。

ビルが立ち並んでおり空が狭く、実際の時間よりかなり夕暮れが深まったように感じて、少々焦る。
急いでHall入口へ行くと、いくつかのイベントがあり、どうやら目的によって入口が違っていたようだ。
自分が行きたいバックステージツアーの入り口がどこだかわからなかったので、近くで関係者用らしきパーカーを着ていた、優しそうな若いおねえさんスタッフに聞いてみた。
「ドアツアー、フォー、サーティ」
聞くというより、〝ドアツアー、4、30〟と言っただけ。
本当は〝16:30のドアツアーに参加したいのですが、入口はどこですか?〟と聞きたかったのだが、聞けないので単語の羅列のみ。しかも合っているかどうかもわからないまま。そしてiPhone内にあるシティパスを見せながら
「OK?」
と聞いた。さすがおねえさん、
「OK」
と言いながら、
「#$%&‘(&?<>(#!%$&’()%$#。(まっすぐ行って右に曲がる)」
と、教えてくれた。おそらく。なぜなら、腕をまっすぐ伸ばして右を差したから。
「まっすぐ行って右に曲がればいいんですね?」
とコッテコテの日本語で聞き返した。
するとおねえさんは、自分の持ち場を離れ、わざわざ曲がり角まで連れて行ってくれた。16:30に間に合いたかったので、急いでいたのが伝わったのだろう。〝ここを真っ直ぐに言って〟と言っているように、右手と人差し指をまっすく伸ばして教えてくれた。

最初に行った入り口からぐるっと右に回り込んだところに、別の入り口があった。バックステージツアーだからなのか、狭くて小さい勝手口か裏口のような、古い出入り口だった。

すでに人が並んでいた。おそらく16:30出発の人たちだろう。男性スタッフに、先ほどと同じように、ドアツアーと言いながらシティパスを見せると、何だかペラペラと説明してくれたが、まったくわからない。けれど、17:00は聞き取れたので、17:00出発ツアーの先頭に並んだ。
ところが、16:30発ツアーのお客さんらしき人たちが、まだ続々と入場していた。ここで30分以上待つのは時間がもったいない。そこで、男性スタッフにポシェットに付けていたアナログ時計を見せ、指差しながら、
「フォー、サーティ、OK? OK?」
と聞くと、歓迎な様子ではなかったが、渋々OKしてくれた。いいのだ。歓迎でなくても渋々でも、入りさえすればこっちのもんだ。
「Thank you  Thank you」
と何度もお礼を言い中に入った。その後わずか数分でパンフレットが渡され、ツアーが出発。
ところが、先日のゴスペルツアーと同じく、ガイドさんが一生懸命説明してくれるのだが、英語のためまったく理解できなかった。

大好きな音楽の、エンターテインメントの世界。
内容が理解できたら、もっともっと楽しいツアーになるだろうなぁとは思ったが、それは仕方のないこと。
1つくらいわかる単語はないかと、わからないながらも必死に解説を聞いた。けれど、英語が分らなくても、壁には大好きなBon Jovi、Aerosmith、Whitney Houston他のパネル写真が、ズラーっと並べられており、移動するだけでテンションが上がった。

エントランスには大きなシャンデリアのツリーが飾ってあり、照明、絨毯、階段など、1つ1つが歴史を感じられる趣のあるものばかりだった。

毎年6月にトニー賞の授賞式が行われるホールを上から見た。6000近くある座席数のホール全体に、赤いライトが当てられていた。毎年テレビで見るトニー賞が、実際にここで行われているのだと思うと、感慨深いものがあったし、何より場内の赤い世界が素敵だった。

ある部屋に入ると、衣装を着た本物のダンサーが現れ、一緒に写真を撮ってくれるという。
ツアー客の中で、1番端にいた私が1番に指名され、ホールのステージ写真の前に、ダンサーと並び撮影された。
身長156㎝の私とは、顔1つ分ほどしか身長が違わないダンサーさんのウエストが、私の脇の下にあった。同じ人間同じ女性なのに、どうしてここまで違うのかと思うほど、スタイルがまったく違っていた。
そういえば、以前、ライターの仕事でモデルの冨永愛さんにお会いした時にも、同じことがあった。やはり、冨永愛さんのウエストは、私の脇の下にあった。
本物のダンサーさんと写した写真は、すぐにメールで送ってくれるという。その場で自分のメールアドレスを入力すると、すぐに転送されてiPhoneに届いた。

ダンサーさんと一緒に写真を撮ることも、写した写真をメールで送ることも、メールアドレスを入力することも、英語は必要なかった。ジェスチャーやその場の雰囲気、空気感で理解できた。成績は悪かったが、中学高校で英語の授業があったことが、ここでほんの少し役に立った。

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