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子どものいる生活

2週間ほど前から子どもが風邪をひいて眠れない夜を過ごしていた。熱がないのが幸い。とはいえ、初めての風邪にびっくりして不安だった。1日1日、症状はよくなるかと固唾をのむ。

心配しすぎじゃね? と思う人もいるかもしれないが、赤子は思ったよりも母親を不安にさせるものだ。いや、赤ちゃんが、ではなく赤ちゃんにまつわる情報が、かもしれない。窒息の危険があるからうつぶせ寝は注意、冷えピタシートはやめた方がいい、SIDSも気にかけてーー。

風邪が良くなったと思ったら、今度は予防接種の小児肺炎球菌で熱が出た。副反応だ。朝の4時に「あれ、熱くない?」と思ったんだ。注射した後はニコニコ楽しそうにしていたのに。

知り合いの子どもが予防接種の次の日に発熱したと聞いていたので、風邪の時よりも冷静だった。何よりもその情報をもとに「発熱したらどうすればいいか」という質問を注射時に医師にしていたし。

大丈夫、大丈夫。
とはいえ、やはり熱に気が付いた後は夢うつつ、あまりすっきりとは眠れなかった。

いつ熱が下がるかと体温ばかり気にしていると、「母親らしいことしてるね」と俯瞰している別の私がいることに気が付く。どこか「おままごとみたい」という侮蔑を含ませている。

子どもがいる自分がまだ信じられないから。生活に実感がわかない。

結局、熱はその日に下がった。ほっとしたら、今度は私が疲れて、どっと重力を感じた。


こういう時は風呂に限る。命の洗濯というから。

ちゃぽんと浸かった湯は、ぬるかった。

子どもを入れるため、いつもよりも温度を少し低くしていたのを忘れていた。現実味はわかなくとも、すでに赤子は私の生活に定着し始めているんだな、と思った。

水温をあげて、追い焚きを始めたら、赤子の泣き声が聞こえてきた。夫があやしても泣き止まず、風呂場まで連れてくる。子は私の顔を見ると、ピタリと泣くのをやめる。夫が抱っこして部屋に戻ると、また泣く。

それを何度か繰り返しているうちに、「さあ、子どものそばに早く行かなくちゃ」と思った。こうやって少しずつ、私が変わっていく。

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