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【正義】の反対は【悪】ではなく【他人の正義】である

この言葉も、自分の中で印象深く残っている言葉です。
昔の研修か何かだったか、本や記事で読んだのか、は忘れてしまいましたが、記憶には刻まれていました。

「正義の反対は、必ずしも悪ではない。他人の正義である。」

確かに。これを聞いた時はまさにその通りだと、めちゃくちゃ納得してしまいました。

アニメや映画や戦隊ヒーローのように、正義の主人公がいて、分かりやすい悪役のキャラがいて、戦って最終的には「正義は勝つ!」みたいなストーリーの方が、リアルの世界では少ないんじゃないかな?

「善の反対語は悪」というのも昔習ったと思うけど、それも正しいのかどうかさえ疑問に感じる。
どっち側から見るか、見方が違えば逆転することもあるから、表裏一体なのでしょうね。


①『ミステリと言う勿れ』~真実はひとつじゃない。真実は人の数だけある。

菅田将暉さんが主演しているドラマ・映画は
まだ観たことないんですけど、原作の漫画は
けっこう前から読んで、知っていました。

主人公の整(ととのう)くんの言葉です。
「起こった事実はひとつ。でも、真実はひとつじゃない。真実は人の数だけあるんです。」

これも、読んだ時は、あの正義の反対の話とリンクしました。
人それぞれ、信じていることが嘘偽りのない真実であって、人は主観でしか見られないものだと。ふむふむ。深い。

対比されるのが、名探偵コナンの「真実は、いつもひとつ!」となりがちですが、この両者の意見に【悪】は存在していない。そこにあるのは【違い】だけ。どちらも信念を持って正しいと思い発している言葉。両者とも正しいし、どちらも間違っていません。

分かりやすい【悪】つまり詐欺や犯罪など法に触れることが相手ならば、どちらが善か悪かは分かりやすい。
でも、「自分の常識と他人の常識は違う」し、「信念や主義・守りたいものも、人それぞれ違う」から、【正義の反対は、他人の正義】という言い方のほうがしっくりきてしまう。私の個人的主観では。
でもこの私の意見に、共感する人もいれば、まったく相容れない・理解できない人だっているはず。それも当然だと思います。

②「正義中毒」という言葉もある。他人を許せない人たちのこと。

極端すぎるフレーズだけど、頭が固い・心が狭い・
短気な人は、なりやすいんだって。
他人事だと思わず、自分も気をつけなきゃ。

【正義中毒】とは、自分が絶対に正しいと思うがゆえに、それに反する他人の言動に対し許せない感情が起こり、過剰に反応したり攻撃したりすること、だそうです。

ありましたね。コロナ禍でのマスク警察とか。
あいつは許せない!とネットに書き込んだり、街中で優先座席に座る若者やポイ捨てする人に注意したり、煽られたから煽り返す運転をする人、とか。
「許すまじ!」と正義を掲げて他人を攻撃するのは、ゆき過ぎた行為だと思います。

正義って何?人によって違いますよね。
いくら正義を掲げても、暴力は許されないはず。
戦争だって、正義のぶつかり合いから始まる。

人それぞれの正義の【違い】を認めて許すこと。
多様性が受け入れられるべき世の中であること。

それができる社会であってほしいなぁと思います。

③私が数日前に経験した例では

私は約10年保育士として働いています。

つい先日、5歳の男の子がトイレに失敗してパンツとズボンを濡らしてしまいました。
5歳ともなると、排尿に失敗することはかなり減ってくる年齢ですが、遊びに夢中になったりギリギリまで我慢してしまい漏れちゃうことぐらい、まああることです。
その子も珍しくやっちゃった感じ。

↑ 私のお気に入りの絵本。ヨシタケシンスケさんの絵本は、ストーリーも絵も字もぜんぶ好き。

私は【失敗】に対しては、【怒らない・責めないこと】をポリシーにしています。だって、失敗から学ぶことはたくさんある。なので、
「もう!いつも早めにトイレに行くように言ってるでしょ!」
「5歳にもなってお漏らしなんて恥ずかしい!」
なんてことは、絶対に言いたくない。
こんな言葉は保育士でも親でも、あんまり言ってほしくないと思っています。

なので、私はその男の子が濡らしてしまったことに気付いた時、笑顔で
「まあそんなこともあるよね〜」
と言ってパンツとズボンを洗ってあげたのですが、その子はムスッとした顔で
「先生、笑わんとって」
と、言ったのです。

私は、ハッとしました。
馬鹿にする意図など全くなく笑顔で接したのに、その子は【笑われた】と感じたようです。

この場合、ここで起こった事実
「排尿の失敗を笑顔で対処した保育士A」「それを笑われたと思って不快に感じた男児B」です。

でも、両者間にはそれぞれの思いがあって、そのために受け取り方や感じ方が【違った】
もしかしたらその子は失敗したことをすでに恥ずかしいと思っていて、どうやったら友だちにバレないように着替えられるか、とか考えていたかもしれない。
私にはその心の内まで見えていなかっただけで。その子も当然、私が正義だと信じているポリシーなんぞ、知ったこっちゃない。

こどもの心は、ほんとに繊細。
トイレトレーニングは、親も保育士も
試行錯誤の連続です。

私は、自分の配慮が足りてなかったなぁと反省しました。
10年保育士やってても、こういう気づきや反省・勉強は毎日のようにたくさんあります。

まだまだだな。もっと精進しないと。
と、思う今日この頃です。

【失敗】は、学べるチャンスだからいっぱいしていい。そもそも、挑戦しなきゃ、失敗もできないからね~。

【おまけ】
この作家さんは、子どもの描き方がとてもかわいい。

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