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そうだ美形ピアニストの作品でも聴こう、のための曲 #10

今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介

フランツ・リスト(1811–1886) /   献呈

90年前のきょう、ハレー彗星が地球に追突する(または酸素がなくなって人類が滅亡する)なんてデマが飛び交い世界はパニックにおそわれていた。不安にかられて自殺した人もいるらしい。いつの時代も人間というのはほんとうに騙されやすく正直ないきものなんだなあ、と。この彗星に一定の周期を発見して地球に接近してきたタイミングの観察をつづけた天文学者エドモンド・ハレーは、これを実証するための3回目の観察の前に亡くなってしまったらしい。なんたってハレー彗星がやってくるのは76年ごとですもの。というのを以前TOEFLのreading問題で読んだことがある、そのときはもう英語なんかはそっちのけで詳しく知りたくてハレー彗星について調べはじめた。天文学はさっぱりわからないけれど次回は2061年らしい、気まぐれに軌道を変えてしまったりしなければ、計算すると、うん、わたしは危うくきっと生きて観れるはずだ。
なんてことをいうとまあホルストの惑星でも紹介するのかな、となるけれど、わたしもいいかげんで気まぐれなのでまったく関係ない曲のはなしをする。


美形のパフォーマーピアニスト、リストのアレンジはいかに?

リストといえば言わずと知れた美形のピアニスト。小学校の音楽室でも綺麗な横顔が目立っていたのを覚えている。彼は持ち前のルックスと指が6本あるんじゃないか?と噂されたほどのピアノの腕前で観客たちを魅了した。
そんな彼のピアノ作品はどれも自分しか弾けないような難解なものや、いかにもコンサート映えしそうなダイナミックなものが多い。
「献呈」は彼のオリジナルではなく、ロベルト・シューマン(1810–1856)が大恋愛の末やっと結婚することが叶った妻クララに捧げた歌集の中のひとつ。
もとはとてもシンプルに愛を語っている曲だが、リストはこれをなんともドラマチックに仕上げた。いかにも聴衆の感情を揺さぶるような盛り上がり方が、わざとらしいけれどわたしは好きだ。弾き方にもよるけれど間違いなく好きなピアノ作品に含まれている。じっさいにすごくいい曲で今ではコンサートなどでも広く親しまれている。
ところが、クララにはアレンジのしすぎでウケが悪かったそう。彼女自身のピアノ編曲バージョンもあるけれど(クララはとても有能なピアニスト)そっちはあまり知られていない。
多くの人に親しまれるなら、やっぱりリストくらいにいやらしいようなアレンジや、いちど耳にしたら忘れないようなキャッチーなものがいいんだろうなあと思う。

演奏する側としても、やっぱりコンサートでやるなら聴き映えのいいものをまずは選ぶはずだと思うし。



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