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さわやかな5月のそよ風だね、メンデルスゾーン。 のための曲  #12

今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介

フェリックス・メンデルスゾーン(1809−1847) /     無言歌集『5月のそよ風』

あたふたしているうちにもう5月が終わってしまうらしい。はやいはやい。5月の夏のように晴れた日はほんとうに愛おしい。気持ちのいいくらいの風がふいていて鳥たちの声が聞こえる。自然は(人間以外のものたち)わたしたちなんかより遥かにじょうずに生きている。言葉を話すわたしたちはとても難しく生きている。まあなんて敏感でよわいんだろう。だけれどそれでも、わたしたちは音楽を知っている。それはほんとうにほんとうに、たぶん唯一の幸運なこと。


さわやかな5月のそよ風とともに、メンデルスゾーン

メンデルスゾーンはドイツに生まれ、生涯のほとんどをドイツで過ごしたドイツ音楽界の重要な人物である。裕福な家庭に生まれ、幼い頃から才能に溢れていた彼はモーツァルト以来の神童と言われたこともあるが、なんとなく同時期の音楽家に比べると影が薄い。世代でいうと、ベルリオーズやリスト、ワーグナーあたり。
そのひとつに彼はユダヤ人であったことが大きく関わっているらしい。生きている間も様々な迫害に苦しみ、さらに約750もの作品が1960年ごろまで出版されていなかった。いわゆるナチス時代には彼の名前は音楽の教科書から消され、銅像も壊され、演奏会で彼の作品を演奏することは許されなかった。(唯一ヴァイオリン協奏曲ホ短調はとても人気だったため演奏され続けたが、プログラムに彼の名前が載ることはなかった)
軽率で幸せなサロン音楽をつくった作曲家としてシニカルに扱われていた。しかしこれは彼の音楽の長所である。そんな彼がよく自身の演奏会でも弾いていたレパートリーにこの『無言歌集』がある。全8巻48曲からなる歌曲のようなさわやかな旋律によって作られた短い曲たち。それぞれ標題があり今日はその中の、第5巻から。

まさに感情や自然の風景を音楽として描写している。この時期のドイツでは裕福なブルジョアジーの家庭で子どもにピアノを習わすことが流行っていたため、子どもたちでも弾きやすく馴染みやすい旋律が特徴的である。

ちなみにメンデルスゾーン本人が標題を付けたものはわずか5曲のみで、彼はタイトルがつくことでその作品に決まった固定概念が生まれてしまうことを嫌った。(ちょっと短くしたいと思うのに、踏み込んだことを書こうとした途端にもう長くなってしまいそうで怖いので、一言だけ。わたしたち言葉を持つ人間は何かに名前をつけることに執着をしすぎているし、決まったネーミングやルールがないとそれを正しく判断することが出来ない。もしくはそう思い込んでいる。と思うんです、むずかしいいきもの)


そういえば、のだめで初めて千秋センパイがSオケの指揮をした曲はベト7をだったけれど、シュトレーゼマンがわざわざどうして標題のない曲を選んだか(ベートーヴェンの交響曲には有名な標題が付いている作品が他にある)それはみんなに演奏をする上でタイトルにとらわれずに自分たちで考えて取り組むことを学ばせたかったからだった。ということを不意に思い出した。のだめ、何回観たんだろう。我らが青春。完












































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































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わーい!
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過去と現在、あるいは架空の物語。文章にはいつも音楽が流れています。クラシック/読書/映画/自然の中の鳥たち(今日のための曲たちは、さらっといいかげんな独断と単なるわたしの好みです)笛を吹きます。鳥たちと森に住んでいます。

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