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たまには歌曲でも、シューベルトでも、聴こうかなあ。のための曲 #14

今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介

フランツ・シューベルト(1797−1828) /    『愛しき御方の傍で』

少し前によく聞いているラジオ番組の中で、シューベルトのゲーテ歌曲集が流れてきた。自分から好んで選ばない限りわたしはあまり歌曲を聴かない。歌は嫌いではないけれど、なんだか遠い存在に感じてしまうのだ。だから、なんだか新鮮な気持ちになった。そういえばいつか、シューベルトの未完成交響楽という映画をみた。古い映画で、たしか全部がノンフィクションではなかったけれど。若い頃のシューベルトのロマンスや、彼がゲーテの詩と出会うシーンなんかが描かれていた、そして彼が信じられないほどにモテる。


歌曲王シューベルトを聴く日のための曲

彼は同年代の多くの詩人の作品に歌詞を曲にしていた。中でもゲーテの作品は多く使っていて、約70曲(!)
Nähe des Geliebten ドイツ語のタイトル。愛する人を想いながら歌う曲である。
(わたしはイタリア語やフランス語よりも、ドイツ語がいちばん愛を語るのにぴったりな言語だといつも思う、まったく勝手な話だけれど)

この詩はブルン、チェルターというふたりの女性詩人の作品に刺激を受けたゲーテが作ったもので、いろいろなメロディーで歌われている。歌曲というのは、詩がもつ本来の韻をうまく旋律にのせるために作曲家によって様々な形式に生まれ変わる。だから同じ詩が元でもまったく別の曲になる(たとえばゲーテの別の作品で、野ばらなんかも数多くの作曲家によって歌曲になっている)

ゲーテの詩はまるでメロディーが流れるようなものが多く、彼によって音楽と詩の融合はポピュラーなものになった。またその同時代に才能あふれるシューベルトが生きていたことが、いまのドイツ歌曲の歴史に繋がっている。

わたしは管楽器奏者なので、歌曲についてすばらしいことを言うことはできない。副科で履修したイタリア歌曲と、2単位分のドイツ文化の歴史、程度の脳みそである。これこそがフィクション。ファンタジーの世界で今日も歌曲に耳を澄ませる。






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