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猫と愛

愛って何だろう。

野良猫を保護してから、愛ってなんなのか、考えている。

猫からすれば、私がしたことは誘拐…拉致…監禁。「不幸な猫が増えないように」という名目での去勢。病気の治療と称しての薬を与える。嫌がる身体を押さえつけてまでして薬を与える。今までは好きなときに好きなように食事をしていただろうに、今は1日3食、人間が勝手に決めた"適量"のみを食べされられる。全部私の…人間のエゴだ。

空も風も感じられない部屋の中、猫は何を考えているんだろう。…外に出たいだろうな。自由になりたいだろうな。

私がやっていることって何なんだろう。自由も本能も奪っておいて、「君を大事にしたい」なんて…。なんて恐ろしいんだろう。狂ってる。

きっと、猫を飼うということは、そんなに善い行いではないのだと思う。私がやっていることは、猫からすれば虐待かもしれない。愛なんて、エゴをオブラートに包んで包んで包んで包んで…、綺麗に取り繕ったように見せているだけなんじゃないか?

歪んでいる。狂ってるなぁ。…と思う。

私が彼に与えているのは「愛」じゃない、きれいな言葉に惑わされるな、お前がしていることは正義じゃない、そう思っていないと、何か大事な間違いを犯してしまいそうで…とても怖い。

きっと、猫を…動物を飼うということは、そんなに善い行いではない。

私は猫に、愛を与えてはいない。愛は押し付けるものじゃない。でも、人はこれを、「愛」っていうらしいよ。

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