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"みのすけ"という猫

朝、ゴミ捨てに行くと猫がいた。ゴミ捨て場の前に立っていた。

「あ、ねこだ~」と思って近づくが、様子がおかしい。足を踏ん張って立っているが、頭をコンクリートにうずめるようにしている。何より、その姿勢のまま動かない。人が近くを通っても避ける動作をしないし、私が身体に触れても頭をコンクリに押し付けている。

「なんかやばいぞ~~~~~???」と思って、その猫を抱えて急いで帰宅した。

我が家には「つみれ」という猫がいる。猫同士が接触しないように、拾った猫は隔離し、様子を見る。タオルを敷いた段ボールに入れるが、鳴きもしない。「つみれ」に使っていたケージを掃除して、ケージに移動させて、水を用意して…。そこではじめて猫が動いた。うまく足が曲がらないのか、ふらふらと歩いて壁に頭をぶつけた。倒れたのに足の動きは止めない。そういえば、こいつ目を全く開けない…。

神経系のどこかをやられている。素人ながら、そう思った。

通っている動物病院が開いた朝9時。速攻電話し11時に診察の予約を取った(コロナの影響で完全予約制になっていた)。

11時。病院の受付時に看護師さんに見ていただくと、「ひどい状態だ」とのことで予約順を繰り上げて診察してもらもうことができた(他の飼い主さん、文句も言わずに譲ってくれてありがとう)。先生曰く、「思ったよりひどい」とのこと。精密検査のため、午後までの預かりとなった。

結果、血液検査・レントゲン異常なし。歯の様子から、だいぶ年寄りの猫。胃の中はからっぽ。また、空を掻くように足を動かす様子を見ると、脳のほうに何かある可能性が高い…。そして、体温が低すぎる。脳の検査をすることは可能だが、それよりも体温が上がらなければ…。
今後の治療の相談などはしたが、正直、もう1日持つかわからないなと思った。拾ったときにはもう思っていた。

それでも命って、わからないから。うっかり助かっちゃったりするから。

この後のために病院食みたいなものをもらって、明日の点滴の予約をして、猫と一緒に帰った。帰宅後すぐに、私はペット用の介護用品などを買いに出かけた。その間、休みを取ってくれた夫が猫を見ていてくれた。

お店についたところで、「だめかもしれない…」と、夫からLINEが届いた。結局、買い物はせずに慌てて帰宅すると、猫は動かなくなっていた。突然暴れて、そのまま動かかなくなった…とのことだった。私が拾ってきたのに、夫に看取らせてしまった。

猫は一度も鳴くことなくお別れとなってしまった。明日の病院の予約はキャンセルした。

なんとなく平坦な感情のまま、猫の火葬をお願いした。タオルと保冷剤とお花を買って、段ボール箱に猫と一緒に入れた。いい箱が用意できなくてごめんね。冷房をガンガンにつけて、箱の中の保冷材もカチコチで、もともと冷たかった猫の身体がカチコチになった。

死んでしまった後だけれど、猫に名前を付けた。名前は「みのすけ」。

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