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北浦和駅の東口、少し生活感のある道を進むと、奥まったところに横道がある。
小さな看板と、緑のある道。
細いその路を進んでいくと、まるで北浦和ではないかのような素敵な空間が広がっていた。

2階建てのカフェはそこそこ広くて、席の間もたっぷりしていて落ち着きがある。
渡してもらったメニューの表は、おとぎ話に出てくる本のように開く。

お好きな席へどうぞと言われて、2階の奥の席を選んだ。
吹き抜けになっている店内は、明るく広々としている。

のぞき込むと階下の席が見えて、どこか遠くにきたような、都会とはまた違ったゆるやかな時間が流れる。

なんとなくチーズケーキが食べたくて、今回はチーズケーキとカフェオレをオーダーした。
いまだに何度聞いたことがあっても、カフェラテとカフェオレの違いを忘れてしまう。
でもこの日飲んだカフェオレは、ミルク感が強くて甘くないけど優しい、ふんわりとした味がした。

落ち着いて過ごせる店内は静かで、それでいて話している誰かの声が目立つこともなくて、雑貨屋さんのような音楽がひっそりと鳴り響いていて、あっという間に時間が過ぎて行ってしまった。
持ち込んだ課題も集中して取り組めたし、誰かの話の内容に頭が持ち去られてしまうこともなかった。
自分の時間をしっかり持てる空間だった。

色々やっていたら、すっかりと暗くなってしまう。
店内は平日だからかもしれないけれど混雑することもなく、時間を気にせずゆったりと過ごすことができた。
家の近くにあったら通い詰めてしまいそうで、それでも少し距離があってもまた来たいと思う場所ができた。

頭の荷物を投げ捨てて目の前に集中できる場所を、選択肢としていくつか増やしていけたらいいなと思う。

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