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子どもは神性を、大人は仏性を

まだまだ研修続きのペーペースタッフですが、七五三の撮影で気を付けていることがあります。
それは、こどもに対しては神性を、大人に対しては仏性を引き出す、ということ。
変な宗教のように感じるかもしれませんが、私はあくまで一般的な日本人。節目には神社に行き、先祖はお寺のお墓に眠っています。勧誘とかではありませんので、その点は安心して読んで頂けたらと思います。

そもそも、七五三とは

そもそも七五三とは、住んでいる地域の神様に、子供の成長を報告・今後の健康を祈願する習慣でした。
子育てしていると超~~~実感すると思うんですが、3歳・5歳・7歳って、病気にかかりやすくなる年齢なんですよね。
もちろん流行病の可能性はあるけれども、7歳を過ぎれは一応は身体も丈夫になって一安心、という事なんです。
そのため、飢饉が多かった東北では、3歳は男の子はやらない地域が多いです。
男の子の方が身体が弱いため、3歳まで生き残らないケースが多かったんですね。

で、時代が下って、写真がリーズナブルになったら、そうした礼装のタイミングを記録に残そう、となります。
これが、実家の片付けで出てくる古い台紙に入った堅苦しい写真なわけです。実際は結婚式の写真が出てくることが多いかな。

もともと、日本の歴史とかを勉強していた私。
七五三で洋装の写真も撮るなんて、キャピキャピしすぎでは?――と思ったりもしていた時期もありましたよ、実は。
しかも、上の子は発達障がいがあり、一応同じ値段で撮れるしと思って洋装もしたけど、ホント、和装だけで良くない?って思ってました。
親も疲れ、子供はストレスまみれ、それでいて「笑って~」なんて言われる。
やらなくて良くない?ってぶっちゃけ思ってました。

でも、さらに時代が変化し、今では
「泣き顔も記録として残しておきたい」
「着崩れていたって、笑顔ならばいい」
といった価値観が強くなってきていて、子供への負担は減っている気がします(私のいる会社だけかもしれないけれど…)

現代の七五三の考え方(私論)

で、現在私は撮る側の人間(スタッフとしてです。カメラマンはしていません💦)となりました。
そこで、いくつかの気付きをしました。
ママに甘えん坊な子でも、親と離れて支度室に案内し、着替えをしたりメイクすると、腕を上げてほしいタイミングで腕を上げてくれたり、お話しすると敬語で話してくれたり、お化粧でアイシャドウパレットを見せて、
「どの色が良い?」
と訊くと、
「この色が良い」
ってキチンと自分の意思を表示するんです。
それを親御さんに伝えると、
「え?ほんとに?うちの子が??」
となるんです。
ちゃんと成長してるんです、親の知らないところで。
なにより、お支度完了後の姿を親御さんにお見せした時の、
「わあ~!」
が、何よりもたまらん✨
普段のガミガミは忘れちゃう(笑)

七五三って、それぞれ段階的に自我が芽生えるタイミングでもある気がします。
身体が丈夫になるのと、何か関係があるのかもしれませんね。
で、きょうだいでの撮影ってなると、まあ~~~~~~素直じゃない(笑)
上の子が下の子をあえて泣かせたりするんですよ。
でも、本当に嫌いなわけでは無く、寂しさの裏返しなんですよね。
で、親がスタッフと話している時なんかに、上の子が下の子をそっと撫でたり笑わしたりする。
私はそれを勝手に「その子の中の神さまが顔を出した瞬間」と捉えています。
口で説明できる「嫌い」「イヤ!」とは違う、もう一段階も二段階も深いところにある感情。
それが、“神さま”。
それに気付いてカメラスタッフに声をかけると、サッと撫でていた手を引っ込めちゃうわけですが。
そして、下の子はそれを知っているから、なんだかんだで上の子が好き。
親御さんは、「急に殴ったりされるのに、この子(下の子)、上の子が好きなんですよ~」と話される。
二人だけの、神聖な、誰からも(親でさえも)見せられない、恥ずかしくて素直な世界があるんですよね。
それを引き出せたらなって思ってます。
だから、撮影の合間や親御さんのいない所で「普段、頑張ってるんだね」「さすがお兄ちゃん!orお姉ちゃん!」って沢山話しかけます。
引き出す手段として使うのは、仕事だから。でも、嘘じゃなくて本当のことでもあります。安くない金額ももらってやってることでもあるし、そこは躊躇なくいきます。

で、そうなると、親御さんも、
「あれ?普段わがまま放題だけど、ちゃんとしっかりしてるところ、あるじゃない」
と、思うんですよね。
そう、親だって、周囲への迷惑とか怪我の危険とか、そういうのも多方向に気にかけてるから、口うるさくなるし眉は吊り上がるし恐くなるんです。
でも、望んで恐くなってる親なんていません。
子供同様、引き出されたものは神性かもしれないけれど、大人は絶対に倫理観や自身の哲学が付くので、私は“仏性”と呼んでいいかなと思っています。

――というのを、かっこ良かったり可愛かったりする姿で、素敵なセットを背景に、ひとつの作品と言っても良いくらいのものを作り上げたいなあと思いながら、日々仕事をしています。
今日の、疫病への畏れが無くなった今日における、子供の成長の喜び方としてアリじゃない?って思うのです。
と、いうことで、研修頑張りまーす!

子どもへの声かけについて、「こんなのいいよ!」っていうのがありましたら、是非コメント頂きたいです!たまにネタが尽きちゃうので……(;^_^A

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