性別違和は思い込み?思い込みから生まれる心の変化
僕は物心ついたころから自分が「女」である事に違和感を感じていた。身体は「女」だけど、気持ちはずっと「男」だった。後に「性同一性障害」だと診断された。
好きになるのも僕の中では当然女の子だったけど、それは「同性愛」とは違っていた。そんなあべこべな自分が何者なのかわからず、ずっと一人で悩んでいた。親にも先生にも、友達にも言えなかった。
漠然とした不安。それしかなかった。
性別違和が嘘ならいい。思い込みならいいのに。と、努力して「女」っぽくしたり、無理に「男の子」と付き合ってみたりもした。
でも、そうすればするほどに、
「やっぱり違う!」と感じるだけだった。そんな負の連鎖に対応できなくなった思春期の僕は、出口の見えない闇の中にいた。
僕の場合は、胸を取ったり、子宮卵巣摘出手術により生理が来なくなったり、名前を「英理子」から「優希」に改名したら、性別違和の苦しみはかなり和らぎ、戸籍も「男」に変えた今は性別違和を感じることはほとんどなくなった。
思い込みなのか?
思う込みであればいいのに...と感じていたがそうではなかった例が僕だが、たくさんの性別違和の子と出会ってみて、思い込みであることも少なくないと感じている。
今の時代は、昔に比べると、LGBT・性別違和に対して、情報も溢れているし、周りの認識も理解もある為、
「性同一性障害だ!」と自己判断しやすい状況だといえるだろう。
「同性と仲良くできない」「着たい服が○○っぽくない」「女子高に行ったことで同性に憧れをもった」
「自分らしさが異性っぽいと言われた」など、様々なキッカケで、もしかしたら…と悩む子も多いようだ。
現に、僕が名古屋錦で経営する性別違和の子を集めて運営しているBARに集まってくれたスタッフの中にも、FTM・性同一性障害だと言って入った子が、実際に同じような子たちと働いてみて、思い込みだったと気付いて、今は性別違和は消えて普通の女性になっている子も1.2人ではない。
思い込みでもそうでなくても。
どちらでもいい。
ただし、自己診断で治療を始める事だけはやめよう。
身体をいじってしまったら、「思い込み」でした。では済まなくなってしまう。あまりに、抱えるリスクが高い。
だから、「性別違和」を感じているならば、まず自分を知る事。
これは、僕が実際に大阪医科大学付属病院のGID外来での初めての診察時に行ったことだが、
「自分史」を辿っていくこと。そこから始めて欲しい。
生まれてから今までを時系列に。それは、いつから違和感を感じたか、どんな時に感じるか、恋愛のこと、仕事の事、…などの詳しく質問事項がある紙を書いた記憶がある。
まずは、自分を整理することが大切。
そして誰かに聞いてもらう事。
自分のありのままの本当の想いを誰かに聞いてもらう事で安心感を得られた。
一人じゃない。
そう思えたことが、不安だらけの毎日から抜け出せた大きな第一歩になった。
思い込みだろうとそうじゃなかったとしても、大切なのは「自分らしく生きる」こと。
着る服も自由。髪型も自由。性別だって自由なのだ。
自分の思いのままに生きてみよう!
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。
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