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「心の病と夜の仕事」 1000人面接して思う事 錦三丁目オナベバーVenus経営鈴木優希

心の病が一番怖いことを僕は知っている。

自分が自分でなくなる。自分をコントロールできない恐怖はなった人とその姿を近くで見た人にしかわからないだろう。

他人から見たら「そんな事で悩んでるの?」と思われることでも、その人にとっては「大変な事」なのだ。

僕は名古屋市中区錦3丁目でオナベバーVenusを経営している。

僕自身も「性同一性障害」トランスジェンダーの当事者である。

面接、問い合わせをくれる子の中には性同一性障害、性別違和の他に

「心の病」を抱えている子が多い。

性別違和を抱えてるから病んでしまうのかその関連性はわからないけど、この14年で1000人ほどVenusの面接をしてきて、かなりの確率で出会う。

その子たちの気持ちは「理解」はできるけど、こちらも「仕事」なのでやはり、雇う側からすると「心の病」=マイナス要因になってしまうのが現実。

オナベバーVenusが、「心の病」を抱えている子を積極的に雇用しない理由は他にもある。

営業時間帯、アルコール、接客...

この仕事を取り巻く様々な要因を考えると、心の病との相性は最悪だと思うからだ。過去に雇っていた時の経験も含めて「良い事はなかった」

そして僕自身、この夜の仕事に、22年関わっていて思う。

この仕事はただでさえ病みやすい。

そして心の病も簡単に克服できるモノでもない。甘く見てはいけない。 

仕事をすることも生きていく為には大事だけど、「命」があってのもの。優先順位で「心と体の健康」に勝るものなんてない。心が弱くなっているなら、余計に無理して合わない環境で仕事をする必要はない。

もっともっと自分が「無理をしない」場所を探してあげる必要性がある。

Venusは「自分らしく生きる場所」を掲げて発信しているのに、それを求めて勇気を出してVenusに辿り着いて来てくれた子たちを「受け入れてあげられない」ことに矛盾を感じている。

逃げる場所、自分らしくいられる場所がこの特殊すぎる夜の環境だけではいけない。もっと、「選択肢」を作っていかなければいけない。


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