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【保育の場から】起きたことの捉え方の違いを見た

少し前に印象的だった出来事です。
ある日、ともに2歳後半のAちゃんとBちゃんがやってきました。

Aちゃんは、している遊びに手を出されるのが好きじゃない。
自分でやろうと思っているところに手を出されると
「あー!使ってるよ、やめて!」と言う。
まぁ当然の、よくあるパターンですね。

一方のBちゃんがあるおもちゃで遊んでいたときのこと。
Aちゃんがそこへ入ってきてBちゃんのしていることに手を加えました。
(されるのは嫌だけど自分はやるというあるある)
2歳後半さん同士なので、どうするのかなと少し見守ってみることに。

するとBちゃんは
「手伝ってくれるの?ありがとう!」とニッコリ。
おぉ……と思いながらさらに見ていると、やめてと言われなかったAちゃんがエスカレート。
Bちゃんが積み上げて作ったものをバキーッと破壊しました。
さすがにBちゃんも「あぁっ!」と声をあげたので介入。
「やめて。Bちゃんが作ったものだよ。壊されたらBちゃん悲しいよ」

叱られることに不慣れなのかしくしく泣き出すAちゃん。
するとBちゃんは、Aちゃんを見て「泣いちゃったの?」と頭をなでなで。
作ったものを壊されたことに対してなんの怒りも表さず、平気で遊び始めました。

Bちゃんだってもちろん、今使いたかったものが奪われたりすれば怒ったり泣いたりもします。
だけどなんというか……許容範囲の広さ、起きた出来事の捉え方の幅広さ、とでも言うのでしょうか。

私自身も長く思い悩んだネガティブ思考。
起きた出来事はただの起きたことでしかなくて、意味を与えるのは自分だという話をさまざまな本で見かけました。が。

それを地で行く考え方の2歳児を見て、本気で感心しました。
師匠…師匠って心のなかで呼んでいいですか?

さらには、大人サイドの言葉がけについても考えさせられました。
大人サイドが起きた出来事をどう捉えているかって、子どもにも影響しているのではないか。
同じ出来事でも、こんな考え方もあるんだなっていうのを大人が提示する。

なにかを失敗したときに
「あーあ、失敗しちゃったね」となるのか
「よし、もう一回やってみよう!」となるか。

起きた出来事をいかに前向きに捉えて立ち直っていくか。
もちろん子どもの生来の性質にもよるし一概には言えないけれど。
でもこれが小さいときから身についているのって、なかなかに生きやすくなる気がして素敵だなと思ったのでした。

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