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【保育の場から】デジタルとのお付き合い

先日テレビで、Switchの新作「スプラトゥーン3」の人気について紹介していました。

とあるご家族のお姉ちゃん(7歳)が遊んでいて、その妹さん(2歳)が一緒になって「やったー!」など言っている様子が流れ。
インタビューに答えた保護者の方が
「妹も3歳にもなればもう立派なゲーマーになっていると思う」
といった趣旨のことを、にこやかに発言されていました。

保育を仕事としている者としては、おぉぅ……と感じる発言でした。
3歳にして立派なゲーマーになることになんの疑問も抱いていないことに驚いたんです。

まぁね…それぞれのご家庭の方針があるわけなのだけど、なんだかモヤモヤする。
それはゲームに限らず、デジタル的なもの…たとえば動画の類いにも感じる。

小児科病棟で働いていたときに、DVDやタブレットで動画を見ることでずいぶん救われる場面もあるんだなってことは感じられたんです。

起き上がる元気はないけど気分を紛らわしたいとか
治療の都合で両手がふさがっていて遊ぶことが難しいとか。
さらには、入院したてで保護者の方と離れた悲しさと身体のしんどさでやりきれない怒りを抱えた乳児さんたちが、Eテレのワンワンやうーたんやコッシーたちに慰められて気持ちを切り替えられるようになった場面に何度も遭遇してきました。

ただね、1歳くらいの文字も読めない子が無表情にスマホの画面をすいすいっと指で操って、楽しいんだかよくわからないYouTubeを延々と見ちゃっている姿は、なんかつらいものがあったのです。
全然楽しそうに見えないのに、止めようとするととても嫌がるのです。

やっぱり、相手ができて一緒に遊んでいるときのほうが楽しそうな表情になってると感じる。

入院中のゲームに関してもまた然り。
ある程度年齢の行ったお子さんが普段やり慣れた遊びによって気持ちが保たれるならある程度はいいのだけど。
ゲーム中に性格が荒くなる子もいるし、 保護者の方が設定された終わりの時間を嫌がって暴れる子もいる。
なんだか中毒的です。

何回か入退院を繰り返していた子が、最初のうちはお絵かきや工作やブロックを一緒に楽しんでいたのが、ゲームを買ってもらってから一切それらをしなくなったのはちょっと寂しかったな。

わりと、ゲーム中にそばにいてくれって言う子が多かったんですけど、そばにいるだけだと暇で眠くなるんです、こちらは。(余談)
そばにいてほしいってことは、やっぱりゲームの世界に入っていてもひとりだと寂しいのですね。

時代は移り変わっているし、デジタルコンテンツとの触れあいは当然避けられないことで、むしろ触れあい方を学んだほうがいいとは思います。
何歳からとかどのくらいならいいのかとか、受ける影響みたいなことは専門家のお話に譲りますが……難しいですね。
昭和生まれのゲーム買ってもらえなかったファミコン世代には、どう考えたらいいか難しいよ。

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