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漫画の話その1。

おとといからアニメの話をしているので、その流れで今度は漫画の話。

もはや自分のスキなコンテンツの話をただするだけになっている…
楽しいからいいのだけれども。

今回紹介するのは、「魔法使いの嫁」です。
イギリスが舞台なので、イギリスの写真をお借りしました。
サクッと書いたあらすじは、こちら。

生まれ持った能力で人に疎まれていた少女は、
人ならざる魔法使いに買われたことで新しい世界へ踏み込んでいく。
魔法使いと少女が互いを理解し、成長していく物語。

例えば、ワンピースの「海賊王になる!」のような、明確な目的に向かって主人公が冒険するような物語ではない。魔法使いと少女が、様々なアクシデントに見舞われ、少しずつ成長していく物語だ。
アニメ化の映像がきれいなので、載せておきます。


戦うシーンがたくさんあるのも私は好きだが、こうやって少しずつ物語が展開していく話もよいなと思えた作品。

好きなポイントは、「世界観の精密さ」と「登場人物の心の動き」です。

①「世界観の精密さ」

魔法の世界、というと、とらえどころがなくて想像しづらいのでは、と思う。しかし、この漫画では、魔法の描写がきれい。これぞ、魔法の世界!という感じがする。なぜか?といわれると、難しいのだが、細かいところまで書き込まれていることが要因なのでは?と思っている。
特徴的な呪文とか、格好はないのだが、魔法が漂っている感じが表現されていて、(ざらっとした背景のことなのですが)不思議な世界につい吸い込まれる。
特に、「隣人」たちの絵がとても好きだ。生物?の絵をここまできれいに書けるなんて、と感動してしまった。サラマンダーもドラゴンも妖精も、みんな生きているようでかわいらしい。
魔法とは関係ないが、ここに出てくる食べ物も、とてもおいしそう。やはり画力のある漫画家さんが書くご飯は、写真よりもおいしそうに見える。

②「登場人物の心の動き」

主人公の少女チセは、つらい過去を持っていることもあって人に頼れない。だが、周りの人を助けるために体を張ることも多く、周りの人に心配される。それを注意されるが、何がいけないのかわからない。自分はどうしたらいいのだろう・・・という悩みを抱えている。
主人公に限らず、魔法使いと普通の人間の関係だとか、師匠弟子の関係とか人間模様も複雑で、そこを細かく表現しているのが、興味深い。

個人的には、友達の定義の部分が面白いなと思った。

サイモンの言葉
「一つの事実をたくさんの言葉で表現することもできるし、
 たくさんの言葉を一つの言葉で纏めてしまうこともできるんだ」
                   ・ー 魔法使いの嫁⑫p24 ー・

自分の友達に対して、少し友達と定義していいかどうか言いよどんだアリスに対して、サイモンが言った言葉だ。
確かに、自分が友達だと思っている相手に対して、相手を目の前にして「~は私の友達で~」というのは、大人になるにつれ、言いにくくなる。
想像できてしまうだけに、相手がそんな風に思ってくれているかわからないし、つい言いよどんでしまう。
そんなアリスに、主人公チセにわざわざ会いに来たアリスとそのアリスを迎えに来たチセは友達に見えた、とサイモンは言ったのだ。言外に、素直に友達と認めなさいということなのだろう。

友達に限らず、例えば一人の人間が考えることに対して、いろんな見方ができる。友達が多いほうが良いと思う人もいれば、少ないほうがかっこいいと思う人もいる。価値観はそれぞれで、だからこそ尊重する必要があるのだろうな、と感じられた。


漫画とずいぶん離れたところに来てしまったが、
「魔法使いの嫁」、個性的で豊かな世界観でとても好み。
イギリスの街並み・雰囲気が好きな方、魔法の世界・魔法動物が好きな方、主人公をめぐる人間模様に興味がある方には、おすすめ。

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