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地域のエリアマーケティングと都市のターゲティング

地域と都市のマーケティングの違い

マーケティングの手法が地域と都市では異なるとよく感じます。
アンテナショップなどで地域の商品の品評会に参加させていただくと、ターゲットの欄に20代〜60代と書かれています。

正直、デジタルマーケティングをやっていた人からすると、ほぼ成人全員じゃない?と思ってしまいますが、実際のところ、地域は人口密度が低いので、ターゲティングではなく、エリアマーケティングになるのだろうという結論になりました。

さらに、エリアマーケティングであっても、ターゲットは定めるものだという意見もあると思いますが、実際には地域のデザイナーさんに依頼をして、産直やネット通販などに置く商品としてデザインを作ってもらい、掲示しているので、そもそもにターゲットを考えるという感覚はあまりないのかもしれないと思っています。

地域の商品を都市で売る

地域の商品を都市で売る場合には、「地域っぽさ」が良いという場合もあります。有名小売店のバイヤーさん達は常に目新しい商品や、今欠けている棚の商品を補うものなどを探しています。そのままの商品を、陳列や訴求方法などで良いものとして見せるというのはバイヤーさんの腕の見せ所なのかもしれません。

ある程度ブランディングを揃えたい小売店もあります。その場合はパッケージをオリジナルのものに変える場合があると思います。さらには多少味などを変えてPBブランドとして売る場合もあると思います。

ただ、探究心の高いバイヤーさんばかりではないので、具体的にターゲットはどのような人とわかりやすく、さらにそのターゲット向けの商品、パッケージになっていた方が扱いやすいという場合もあります。
例えばあまり人の工数をかけたくないような催事では、商品は陳列されますが、販売員が潤沢にいるわけではなく、POPも最低限であることもあります。その場合は商品自身で訴求をするしかないのです。

置いていて売れる商品

すでに知名度が高い商品では、置いていただけでも売れます。そのため銘菓と呼ばれる商品はとても売りやすいです。

ただ、新しい商品は、ターゲットが気になるようなパッケージであったり、欲しいと思ってもらえるような味付けであったり、買いたいと思ってもらえるような容量である必要があります。
いきなり初めてのものを大量に買うには躊躇します。さらに、味付けが気になる味だと興味を持ちますが、興味がない味では気にならないです。パッケージが良いな、面白いなと何か気に留めるようなものであれば手に取ることもありますが、そうではないと手に取ってもらえません。(逆に拡散という意味合いでは、巨大な商品というのもありなのかもしれませんが、、)

さらに、商品がすごく良くても、売っている場所によっては商品が高く感じたり、逆に安く感じたりします。

昔でいう、マーケティング4Pは基本中の基本ですが、やはり一番重要なのです。

Product
商品戦略
ターゲットに対して、どんな商品・サービスを売るのか。

Price
価格戦略
ターゲットにいくらで届けるのか。

Place
流通戦略
ターゲットにどのような経路や手段で届けるか。店舗、卸、通販、ネットなど。

Promotion
販促戦略
ターゲットにどのように商品の存在や特徴、魅力を知らせるか。広告、広報、ホームページ、SNS、キャンペーンなど。

6次産業化の目指すところ

6次産業化の推進により、1次産業の方が加工品を作り、販売するようになった方もいます。
ただ、ものを作って売るということはそれを本業でやっている人がいるように、簡単なことではないです。

1次産業では鮮度が大事で日持ちがしない商品も多いので、加工することで通年で出荷ができたり、閑散期に仕事ができるメリットがあります。

ただ、商品を作れば売れるわけでもないですし、ネット通販に載せたら売れるということでもないです。
食品の場合では、食品表示もする必要がありますし、加工する時点で許可証の取得などで初期投資が必要になる場合もあります。
自治体によっては、そのような初期投資に対して補助金などが出るところもありますが、元手がゼロでは開始は難しいと思います。

近年、1次産業でも買い手の視点は必要になってきているなと感じます。全量買取で出荷しているだけではなく、自らが決めた価格で商品を売るケースもあると思います。
そうなった時には、2次産業、3次産業の視点が必要になってきます。

6次産業化が目指すところは、商品化だけではなく、異なるマーケットに対して商品を出して売るという商流を理解することであり、それがわかると1次産業の商品も同じように価値を説明して売れるようになるのだと思います。

アンテナショップ運営代行、アンテナショップマーケティング支援、6次産業化プランナー、地域商品創出支援などをお受けしています。
株式会社KIBO
https://kibo.co.jp/

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