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IVRyなら上流からUX/UIデザイン業務が実践できます!

このnoteは、IVRy 紅白Advent Calendar 2023 の白組16日目の記事です。
白組15日目は igarashiさんの「なぜ私はリリース頻度を上げたいのか」でした。白組17日目は小瀬さんの「2023年・新しいメンバーに指摘されたIVRyエンジニアチームのこと5選」についての記事が出ます。乞うご期待!

こんにちは、IVRyのプロダクトマネージャーをしている佐瀬です。先月の11月にIVRyに入社し、前回のエントリーでは音声対話UXの向上とプロダクトマネージャーの育成に注力していく考えをお話ししました。今回は、もう一つ力を入れていきたいと考えているUX/UIデザインの組織に関してお話ししたいと思います。


はじめに

私は大学・大学院時代にデザインを専攻しており、友人や先輩・後輩にはたくさんのデザイナーがいます。WEB・アプリなどのサービスに携わるUX/UIデザイナーも多く、さまざまな悩みを抱えていることをよく知っています。その悩みを解決し、IVRyではUX/UIデザイナーが本来の業務に集中できるような組織を築いていきたいと考えています。
今回は、最近始めた取り組みによって、UX/UIデザイナーが働く意義を感じられる組織を推進している一端を感じていただけたらと思っています。この記事を通じて、IVRyのデザイン組織づくりに興味を持っていただけたら嬉しいです。

UX/UIデザイナーの業務とは?

UX/UIデザイナーの業務について、多くの人がWEBサービスやアプリの画面をデザインする専門家として捉えがちですが、実際のところ、以下のようにUX/UIデザイナーの業務範囲は非常に広いものです。

1. ユーザーに共感してユーザーのニーズと問題点を理解する
2. 共感マップ、ペルソナ、ユーザー ストーリー、ユーザー ジャーニー マップを作成してユーザーのニーズを理解する
3. 問題ステートメントを作成してユーザーのニーズを定義する
4. ユーザーの問題に対する考えられる解決策のアイデアを生み出す
5. ワイヤーフレームとプロトタイプを構築する
6. UXリサーチを実施する
7. デザインとプロトタイプの作成

Google UX Design Certificate より引用

具体的なデザイン業務(5や7)を行う際には、ユーザーを理解し共感するために必要なリサーチや、情報をまとめるフレームワークを使いこなして関係者と結果を共有する必要があります。また、問題解決のためのアイデア創出も求められ、これらは多岐にわたる業務であることをご理解いただけるかと思います。

UX/UIデザイナーの業務における課題

UX/UIデザイナーの業務は先に述べた通りですが、現在、サービスを運営している事業会社に所属しているデザイナーの多くは(これは私が経験から得た意見ですが)、具体的なデザイン業務(5や7のようなもの)しかこなしておらず、1から4や6のようなユーザー理解のための業務を担当できていないと感じています。これは、経営層や事業責任者がUX/UIデザイナーの業務を理解しておらず、UX/UIデザイナーによるユーザー理解の効果を知らないことや、デザイナー不足によりデザイン業務を効率化せざるを得ないことが要因であると考えます。結果、1から4や6のような業務を実施しないため、

  • UX/UIデザイナーによるユーザー理解が不十分で、ユーザーの課題を把握していない状況でデザインを進めることは難しく、それにより納得感を持って業務に携わることができない

となり、アウトプットの質に影響が出ていると感じています。
一方で、UX/UIデザイナーと直接関わりのあるプロダクトマネージャーやマーケティング担当などの企画担当は、比較的ユーザー理解のための取り組みを行っているケースが多いため、

  • UX/UIデザイナーと企画担当の間でユーザー情報に大きなギャップが生まれてしまい、それが原因でUX/UIデザイナーがアウトプットの合意形成に多大なコミュニケーションコストをかけざるを得ない

といった状況も発生しています。更に、企画担当がUX/UIデザインに素人であるため、細かなデザインの調整にも時間がかかり、業務上のコミュニケーションコストが一層増加しています。

要因と課題のまとめ

IVRyにおけるUX/UIデザイナーの業務

IVRyでは、現在、UX/UIデザイナーが上流の業務から実施しており、今後も本来の業務に自然と携われるようにしていきたいと考えています。
画面デザインだけでなく、ユーザーの理解、課題の特定、アイデアの創出にも関与し、UX/UIデザイナーは最もユーザーを理解する存在として、ユーザーにとって最適な体験を設計することが、IVRyでは当然であることを目指していきたいと思います。

IVRyはユーザー理解の価値を理解している会社

ここで気になるのは先に述べた、「経営層や事業責任者がUX/UIデザインに対する理解が不足しており、その結果、ユーザー理解に関する業務に効果がないと考えている」が起こる可能性ですが、IVRyにおいてはその心配はありません。代表の奥西がもともとUX/UIデザインを実践していたことや、企画担当が積極的にユーザーとの接点を築いていることもあり、ユーザー理解の価値が会社全体に浸透していると感じています。企画担当やUX/UIデザイナーに限らず、全ての社員においてユーザーを理解するための業務は歓迎されており、むしろそれがなければものづくりが成り立たないという雰囲気さえあります。
また、個人でユーザーとの接点を持つことが難しい場合でも、ビジネスサイドが非常に協力的であるため、積極的にユーザーとの対話の機会を提供してくれます。

UX/UIデザイナーの本来業務を支援する取り組みの紹介

最近始めた2つの取り組みは、UX/UIデザイナーおよび企画担当者向けに設けられ、UX/UIデザイナーの課題を解消し本来の業務をサポートするものです。まだ始まったばかりではありますが、今後もUX/UIデザイナーが本来の業務に効果的に関わり続けられるよう、様々な取り組みを進めていきたいと考えています。

  • ユーザー理解の促進:「業務フローを眺める会」

  • コミュニケーションコスト削減:「UXデザインルール勉強会」

ユーザー理解の促進:「業務フローを眺める会」

IVRyのようなBtoBのSaaSサービスを運営する際には、ユーザーの業務を理解することが重要です。企業では一定の割合の業務が特定のフローに基づいて進められており、その中に私たちが提供する電話に関連する業務が存在します。当然、電話に関連する業務の前後には他の業務も存在し、これらのつながりを考慮してサービスを構築する必要があります。これを怠ると、サービスを利用するユーザーの業務が円滑に進行しなくなる可能性があります。
IVRyは電話というホリゾンタルな領域でサービスを提供しているため、ユーザー層が広範であり、ユーザーとの簡単な対話だけでは業務フローを理解することは難しいです。さらに、これが個人に閉じてしまう場合、最終的に情報のギャップが発生し、コミュニケーションコスト増につながる可能性があるため、関係者と協力して理解を深める必要があります。そのために、「業務フローを眺める会」を始めました。

取り組み内容

参加者ごとに担当業種を決定し、その業種における業務を洗い出し、その流れを資料としてまとめていきます。業務フローには、その業種における関係者とその業務内容、そこでやり取りされる情報の内容と手段を明確に記載していきます。

例:健診クリニックでの業務フロー

この取り組みから分かること

IVRyが主に関わる電話業務周りにおいては、電話の問い合わせ内容が多岐にわたるため、その情報がやり取りされる先が複数に分岐し、別の関係者やシステムに伝達されていく流れが明確になります。デザインの観点から見ると、電話でやり取りされた情報がIVRy内にとどまることなく、適切な関係者やシステムと連携する必要がある(情報の終着点ではない)ことが分かります。また、連携する際の連携先の関係者と手段が明確になります。これらの情報は連携における体験設計に役立てることができます。

複数のWEBページから電話がかかり予約や質問に分岐していることがわかる

IVRyだからできること

業務フローを作成するには、その業種の業務について理解する必要があります。前述の通り、IVRyには既に幅広いユーザーがいるので、知らない業種の業務フローであっても、ビジネスメンバーと協力してヒアリングを行い、話を聞くことで解像度を向上させることができます。ヒアリングに不慣れでも、経験豊富なプロダクトマネージャーが質問方法や必要な情報の引き出し方についてアドバイスしてくれます。

コミュニケーションコストの削減:UXデザインルール勉強会

IVRyでは、企画担当者が施策を策定する際にユーザーに提供したいUX案も検討しています。その後、UX/UIデザイナーは施策と共にUX案を受け取り、それを基にUX/UIデザイナー側でUX案をブラッシュアップしていく流れになっています。ただし、企画担当者がUXデザインの基本的な知識を持っていないため意図がUX/UIデザイナーに伝わりにくく、その理解のためにコミュニケーションコストがかかっています。受け取った案に対しUX/UIデザイナーから提案する際も同様です。この課題を解決するために、「UXデザインルール勉強会」という取り組みを始め、プロダクトマネージャー・マーケティング担当者・UX/UIデザイナーの間でUXデザインの基本を共通認識とすることを目指しています。

取り組み内容

インターフェースデザインのお約束」という本を使用し、ここで紹介されている101のルールを勉強会参加者で分担し、その内容をまとめていきます。
また、ルールを各自の意識に落とし込むために、現在のIVRyサービス(LP・プロダクトなど)から、担当したルールに違反している箇所を見つけ、改善案を考えて提案してもらうようにしています。勉強会内では、各自が担当したルールのまとめと改善すべき箇所、および改善案を発表します。

取り組みの中で実際にまとめを実施した例

この取り組みから分かること

基本的なUXデザインのルールが共通認識となることで、企画担当が表現したいことの一部はUX/UIデザイナー側で自然と理解できるようになり、コミュニケーションコストは相対的に軽減すると考えています。また、軽減できた分、深く考えるべき箇所にUX/UIデザイナーの時間をかけられるようになります。企画担当側の観点では、UXデザインスキルが低くても一定の品質のUX設計が考えられるようになるという利点があります。

IVRyだからできること

通常は、効率の観点から分業が一般的なUXデザインですが、企画担当とUX/UIデザイナーの双方が協力して検討し、議論しながらプロセスを進めるのが特徴です。これにより、各個人がUXデザインに主体的に関与し、意見を交換することで、ユーザーにより良い体験を提供できると考えています。

これからのこと

IVRyが目指すUX/UIデザイナーが担うべき役割を実現するための取り組みは、まだ始まったばかりで、具体的な効果はこれから見えてくるフェーズにあります。上記2つの取り組みの結果については、今後どこかでご報告できればと考えています。また、先にお伝えした通り、これらの取り組み以外にも、UX/UIデザイナーの役割に焦点を当てた活動を計画していく予定です。

最後に

IVRyではUX/UIデザイナーを募集しています!成長できる環境で活躍したい方、UX/UIデザインの組織を一緒に作っていきたいという方はぜひお声がけください!(以下のリンク先ページの下部からカジュアル面談をお申し込みいただけます、私もしくはプロダクトマネージャーにお声がけください!)

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