#199 7,600tの衝撃を受けて走る人
おはようございます、山猿です。
次の疑問に答えます。
「フルマラソンで脚にかかる衝撃はどのくらい?」
この記事でわかること
・体重60kgの男性の脚にかかる負担
・筋肉と腱の効果
はじめに
僕は陸上未経験。子育て中の市民ランナーとしてフルマラソンサブ3(3時間切り)を達成しました。今は2時間40分切りに挑戦中です。
ランニング歴は15年。15年間、膝が痛くなったり腰が痛くなったりしたこともありますが、元気に走り続けることができています。そもそも脚にかかる負担ってどのくらいなんだろ?こんな疑問が浮かびました。
脚にかかる負担を数値化することで、トレーニング内容も変わってきます。走り込みが必要なのか、筋トレが必要なのか。少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
フルマラソンの衝撃を数値化する
ランニングは脚を交互に地面につくことを繰り返す単純作業。走っているときに、片脚が地面についた際、足の裏にかかる衝撃はどのくらいなの?
体重の約3倍。
なんと!!僕の体重は65kg…ってことは65kg×3=195kg!!
わかりやすく体重60kgの男性が5kmランニングした場合を考えてみます。歩幅(ストライド)を1mとすると、5kmを走るのに約5,000歩かかる計算です。
一歩あたり体重の3倍、180kgを受け止めると考えるとランニング中に両脚に受ける衝撃は合計で180kg×5,000=900,000Kg、つまり900tとなります。簡単に180kg×5km=900t。
フルマラソン42.195kmを走った場合を考えると180kgx42.195=7,595.1tとなります。約7,600tもの衝撃に耐えている!
驚くのはこれから。走るスピードを上げると、この値はさらに3.5~4倍近く上昇すると言われています。マラソンペースでフルマラソンを走ると10,000tを超える衝撃となるのです。
「筋肉」と「腱」の効果
フルマラソンを走ったときに受ける衝撃は約7,600t。これはイージス艦に匹敵します。それなのになぜ人間はフルマラソンを完走できるの?
理由は
僕たちの足首やヒザがこれに耐えられるようにつくられているから。
フルマラソンのような大きな衝撃から体を守ってくれるものが筋肉と腱。足が地面に接地する際にかかる衝撃を分散する。そんな数万回にも及ぶ繰り返し作業を円滑にこなしてくれるんです。
従来、腱は筋肉を骨へとつなぐ帯として考えられていました。しかも伸縮しないものとして。しかし、その後の研究によって、腱は自ら縮むことはできないが、引き伸ばされることで数%伸張し、元の長さに戻るときに筋肉の収縮と協力して力を発揮することがわかってきました。
つまり、走っているときに足が地面に接地する際にかかる衝撃に、最も対応してくれるのが腱なのです。
そして、長時間の反復運動で疲労し、活動力が落ちてきた筋肉の代替活動をするのも腱ということになります。
腱が主体となり、筋肉と絶妙なバランスを保ってくれることによりランニング中の衝撃から体を守ってくれているんです。
まとめ
・体重60kgの男性がフルマラソンを走ると7600t以上の衝撃が脚にかかる
・そんな衝撃に耐えてフルマラソンを走ることができるのは「腱」と「筋肉」の働きがあるから
どうでしたか?あなたの体重からフルマラソンにかかる衝撃を計算してみてください。ただ走るだけのトレーニングではフルマラソンを完走できないのが分かりますよね。
ランニングと筋トレをうまく組み合わせてフルマラソン完走を目指しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考文献はこちら↓↓↓
桜井智野風(2016)『身体のしくみを知ればもっとラクに走れる!走りのサイエンス』株式会社枻(えい)出版社
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