見出し画像

第74回 「NFTの面白さ」は、「購入履歴が世界中に共有される」こと!

『1000冊分の絵本支援のNFT』が即完!

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演が閉幕しました。

今回の公演では、本当にたくさんのボランティアスタッフさんが支えてくださいました。

さして陽の当たらない場所で汗を流してくださったボランティアスタッフの皆様がいなければ、走り切ることができなかったことは明らかで、この場を借りて御礼申しあげます。

本当にありがとうございました。

まぁ、そんなこんなで、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演閉幕から息つく暇もなく、次から次へと色んなプロジェクトが進んでおります。

そんな中、昨日、大変なことが起きました。

世間的には何がそんなに凄いのか、おそらくイマイチ、ピンとこないと思うのですが…

大きな意味のある一歩だと思うので、ご説明させていただきます。

結論から先に言うと、先日、22時に販売を開始した『1000冊分の絵本支援のNFT』が即完したんです。

…と言われても、「絵本支援のNFTって何?」という人が大半だと思うので、もう少し詳しく説明させていただくと…

2021年の夏頃からNFTをチョコチョコと触らせていただくようになり、取引量世界一を獲得したり、

アレやコレやと経験させていただく中で、これはあくまで僕個人の結論なんですけども、値上がりが期待されてしまうNFT(投機商品としてのNFT)は未来がない…というか、

バブル崩壊が約束されている「ババ抜き感」があるなぁと思って、スタッフには「くれぐれも購買を煽るようなことはするな」と伝えてきたんです。

「売れること」よりも、「損する人を作らないこと」の方が遥かに重要だという考えです。

寄付や支援の履歴が共有されるのっていいよね

となってくると「NFTの面白さって何なの?」という疑問が生まれると思うのですが、

この答えとしてはやっぱり「購入履歴が世界中に共有される」という部分だと思っています。

「この人、これにお金を出したんだ」という。

そこに目をつけた世界のNISHINOが、ある日、「寄付とか支援の履歴が共有されるのっていいよね」とか何とか言い出したんです。

僕、こう見えて、支援とか寄付とかが趣味で、毎月ペースで、何かを支援したり、どこかに寄付をしたりしているんです。

被災地支援とか、子供支援とか、ラオスに小学校を寄付したこともあります。

でも、そういうのって、自分の口で言わないと、誰にも知られないんですね。

でも、自分の口で言いたくないじゃないですか?

支援活動している人の下心として、「支援したことが自然に見つかるといいな」が2%ぐらいあると思うんです(笑)。

僕、昔、吉本興業にクリスマスツリーをプレゼントしたことがあったんです。

せっかく「小学校」を本社にしているのに、クリスマスシーズンになっても会社の中庭が殺風景で「THE働く場所!」みたいになっていたので、「巨大なクリスマスツリーと、その周りの飾り」をプレゼントしたんです。

その時のマネージャーに、「恩着せがましいのは嫌いなので、僕がプレゼントしたことはイチイチ言わなくていいからね」と伝えたのですが、

そのマネージャーがその教えを忠実に守りやがって、本当に誰にも言わなかったので、吉本社員や芸人の中でクリスマスツリーがめちゃくちゃ話題になって、めちゃくちゃ喜ばれているのに、なんか「吉本興業が社員と芸人の為に用意した」みたいになってたので、

マネージャーを呼び出して、「たしかに『誰にも言わなくていい』とは言ったけど、チョットは(西野が寄付したということを)言っていいんだよ」と耳打ちしました(笑)。

めちゃダサいですけど、これが人間の本性だと思うんです。

でも、そのダサい下心で救われる人がいるのなら、それでいいじゃないですか。

大切なのは弱い立場にある人が救われて、「皆で支え合う社会」に持っていくこと

ということで、「子供施設に絵本を支援したことを証明するNFT」というのを出したんです。

メダルの形状をしたNFTなんですけども、緑、青、赤、黒、金…といった感じで、支援した絵本の冊数に応じてメダルの色が変わります。

仕事柄、子供と触れ合う機会が多いのですが、2022年になっても、メダルニーズがあって、観光地とかにいくと今でも「記念メダルの自販機」と、その横に「メダルに日付を刻印できるアナログな機械」が置いてあるんです。

そして、そこに子供達が列を作っている。

メダルは「流行り」じゃなくて、人間の胸の奥にある何かしらを握っているんですね。

というわけで、支援をしたことをメダルNFTに残そうと思ったんです。

そして、「メダル」ということで規格を合わせることによって、今後、障がい者支援や、高齢者の支援などなどの支援が、障がい者や高齢者を支援したい人だけじゃなくて、「メダルを集めたい人」も候補になってくる。

当然、「いいことをしたコトを見つかりたい人」も支援者候補になってくる。

理由は「下心」でも「コレクター欲」でも何でもいいんです。

大切なのは、弱い立場にある人が救われることなので。

そういった形で「皆で支え合う社会」に持っていけるなぁと思いました。

今回は、この「支援×NFT」に加えて、絵本の意味を「買って読むもの」から「贈り物」に変換(意味変)してみたんです。

「絵本を1000人に売るのは大変なんですけども、『絵本を1000人に贈りたい』という人に1000冊買ってもらうのは数秒だった」というのが今回の結果です。

そして、恐ろしいことに、この絵本支援のNFT『CHIMNEY TOWN GIFT』はナンジャカンジャで毎週やっているんです。

このインパクトを理解できる人は今はまだ少ないかもしれませんが、頭に入れておいた方がいい情報だと思います。

西野亮廣

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?