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#5【経営雑感】アナログ企業をデジタル化して働き方改革に挑戦してみたけど…社内ITオンチvs若手高ITリテラシー

こんばんは。
働き方改革っていう言葉もだいぶ浸透してきたと思いますが、皆様の職場ではいかがでしょうか。たぶん90%くらいの割合で、「うちはうまくいってない」「やることが前より増えた」「結局残業しないと終わんねえ」的な反応が返ってくるように思います。

実のところ、私が代表を務めている会社でも恥ずかしながら同様の状況です。

なんでこんな事が起こるのか、ということをずっと考えていますが、結局のところ、働き方改革に対して、 『変われない層』と『変わりたい層・変えていきたい層』が歩み寄れないレベルで意識格差があるのです。

中学生のころ、数学で「線分の位置関係」って勉強したじゃないですか。2つの直線について、平行、垂直、平行でも垂直でもない関係、ねじれの関係っていう4つ。あれでいうと、ねじれの関係って、絶対に交わらないんですよね。

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変われない層と変わりたい層は、お互い意識の平面が違うので、ずっとこんな感じなんです。そして、過去「24時間働けますか、ビジネスマーン!」世代で戦ってきた人たちにとって、現在の方法論は、過去の自分を否定することになり、なかなか受け入れてくれません。もっとひどいことに、変われない層は、変わりたくない層なんです。現状維持がラクだし、別に自分は困ってないから、大きな変化をしたいと思わないのです。

ということで今回は、私が1年働き方改革に挑戦して、今どんなことになっているのか、について書きたいと思います。

1.ビフォー 僕が来る前の会社の状況

「継手が育っていないので、会社経営をやってくれ」と頼まれて社長となった会社は、僕が来るまでこんな感じでした。
・FAXで届く情報を回覧版でまわす。わざわざ回覧チェックシートをつけて。
・情報の保管は紙。しかも保管責任をだれも追わないから、各々が持っている資料がバラバラ。
・会社の基幹システムを誰も使いこなせていない。もっと良い方向に使えるのにと思っている層が、改修の提案をしても通らない。
・なんかよくわかんないけど、一部の事務しか持っていない情報がある。
・日報は一部の人が紙で書いているけど、ほとんど誰も書いてない。
・あいさつが暗い。朝礼が暗い。
・休日変更申請は、紙。変更の変更もOKみたいな状況で、未消化休日がたくさんたまっているスタッフがいた。
・営業は「仕事が終わらない、仕事が多い・休めない」という声多数。
まぁその他もろもろ、会社に対する不満とかを挙げたらきりがないのですが、ひとまず体制的なところでいうとこんな感じ。

この辺て、中小企業あるあるなんじゃないでしょうか。規模で言うと20~30人くらいで家業経営している会社は、よっぽど家業経営がうまくない限り、組織は文鎮型で横一線。会社の機能(労務、総務、人事、経理)は奥さんとその側近が握ってるみたいな。

と、そんな状況をどうやって打開しようかな・・・という考えから始まったのが僕の社長生活です。

2.僕がやったこと。取り組んだこと。

さて、やるべきことは他にもあったと思いますし、今書いてみれば順番間違えたな、と反省をするのですが、僕はこの状況を打開するために、情報共有のデジタル化をトップダウンでやりました。
会社の体質上、本来であればスタッフの信頼を得て、その上で改革、というのが定石ですが、僕は期間限定社長なので、そんな時間はありません。(と当時は思ってました)

まずは社内の情報共有と交通整理のためにslackを導入しました。社内で共有すべき情報のルームを作成し、若い数名のスタッフとテストして「どうかな、使いやすい?」なんて会話をしつつ、「これ便利ですね!」「だよねー!」とかやり取りをしたんです。そして、いざ全社共有すると、これがまたベテランスタッフ(40歳以上)はまったくついてこない笑。
テストしたメンバーとは全く違う反応が返ってくるんですw

「なんでメールじゃいけないんですか?」
「こんなの情報が埋もれていくだけじゃないですか」
「紙で書いてくれないと困ります」

これが現実なのです。そもそも、変われない層っていうのは、新しいツールやモノに対して、必ず否定から入ります。「やってみようよ!楽しそうだしさ!」というワクワク感がまったくないのです。新しいモノに対して、受け入れられない何か壁があるみたいなんですよ。

もう1つ、情報共有のために導入したのが日報アプリのgamba!というもの。

これは、当社の体質上ベテランのノウハウが新人にバラバラに伝わっていくという状況を、なんとか打開しようと思って導入したツールです。特に日報文化がなく、ノウハウが共有されないばかりか、社員が何しているのか良く分からない状況だったので、日報文化を推進したくて導入しました。

結果、何が起こったかというと、ベテランからのノウハウ継承はなく、若手&新人スタッフが互いにノウハウを共有し始めたのです。ちなみに、私も週1~2回、社員向けにメッセージを書きます。それも読んでくれる、イイネ押してくれるのは若手&新人。
具体的に、どんな内容なのかを事例で見るとこんな感じです。

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そうなんです。ベテランより若手の方が情報が濃いし、タメになるんです。この現象、ホント顕著に現れました。
(最近はやりのエンゲージメントの差もあると思いますが)

このように、変われない層は、いつまでたっても頑固に変わらないし、こっちから投げかけて徐々に心の氷を溶かして、お互い分かりあって・・・的な昭和コミュニケーションをやっている間に、変わりたい層は自ら動いて変革しようと努力しているわけです。

ちなみに、この日報で面白いのは、ベテラン層は不安や愚痴を書く。若手は未来や成果を書いてくれます。

3.現在どうなっているか、これからどうなるか。

そんなこんなで、色々と1年試してみた中で分かったことがあります。
・長年その会社にいるスタッフにトップダウンで変われって言っても変わらない。
・特にデジタル分野での変革は抵抗しか起きない。
・(失礼な言い方ですが)変われる意欲があれば、中小企業でとどまらず、もっと早くキャリアアップしている。
・ベテランと若手には、デジタル格差と意識格差が大きく、別の平面で生きている。
・たぶんやるべきだったのは、ベテランとの人間関係づくりから。
・でも現状、若手が育っている事実があり、受注ベースだけで言えば、入社して半年で結構なベテランに近い戦力になってくれています。

ちなみに、最近は、「社長がいろいろ導入するから、バラバラで使いにくい」という声がベテランから出てきましたw
アプリ世代だと、いろんなアプリを使いこなすので、たくさんあっても困らないのですが、ベテラン世代は何かと1つにまとめるのを好みます。

んじゃサイボウズオフィスとかどうよ?と提案すると、今度は「見にくい」「使いにくい」「今と変わって覚えると混乱する」という反応が返ってくるのです。このようにベテラン陣の「変わりたくない」というマインドが強い以上、働き方改革はこの人たちを置いていかないと、革新的な改革は難しいのでしょう。

4.まとめ

個人的に働き方改革は、『自分のスキルを上げた人がだけが享受できる果実』だと思っています。

ここ最近、大手で45歳以上の希望退職者を募る会社がいくつかニュースになりました。銀行や住設メーカー、ニコンとかコンビニも、希望退職者を募ってニュースになりましたね。

これって、「これからの時代を生き抜けない人はサヨウナラ」っていう会社からのメッセージで、これから10年くらい大手を希望退職したアナログ高齢者が中途市場で増えるんじゃないかと思っています。

若い人は自分でもっと力をつけて仕事をするべきです。インドのIITを卒業してFacebookに新卒入社した人は初任給年収3000万あるって、あるセミナーで聞きました。(小山政彦氏の時流予測セミナー2020)

力を付けるというのも、その会社でしか使えないアンポータブルスキルじゃなくて、どこでも使える持ち運び可能なポータルブルスキルを身につけるのです。

ポータブルスキルを持っている人の典型的な例が「フリーランサー」です。動画編集やイラレ・フォトショ編集、ライティング、マーケティング、プログラミング、RPA企画、キャドや3Dグラフィック作成、その他ビジネス全般の企画力、プレゼン力、あとは情報インプット力・アウトプット力、これらをいくつか身につければ、この先5年はいい感じでくいっぱぐれないでしょう。

時代は組織集団から個へ変化しています。集団の中での全体最適では無くて、個の力を最大化できる組織にしていく時代です。働き方改革について、ただ休みを増やす、時間を短くすることに魅力を感じる人は負け組です。

その時間をいかに個を伸ばす時間に使えるかが勝負。
そんな意識を持たないといけない時代だと思います。

ちなみにわが社もまだまだ変革を進める予定です。
今年は、トップダウンではなく、調整役として私が機能するというスタンスに変えました。横断的組織でいいから、話し合いの場を設けて、社長を交えて企画する。あとはそれを全体に向けて発信しながら、オーナーの決済を得る。こんなプロセスです。

今年1年でまた色々変革が出来ると思います。どんな反応があるかも楽しみですw

それでは、note書いていたらいつの間にか36歳になっていたので、この辺で。おやすみなさい。


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