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電子レンジでプラ容器が溶けてしまうことを防ぐために、プラ容器の特徴や加熱原理をおおまかに押さえておく記事

コンビニ弁当やスーパーのお総菜など、大半の料理がプラ容器に入って売っている。これらを手に取る機会は非常に多いだろう。
寒くなってきたのもあるし、手軽に温められる電子レンジで、このプラ容器ごと入れたら加熱が実に楽だ。
しかし、そのプラ容器が溶けた経験はないだろうか?
残念なことに、電子レンジ加熱に向かないプラ容器が存在する
なぜプラ容器が溶けてしまうのか、プラ容器の材質と電子レンジ加熱原理の2つの側面から押さえていく。

プラ容器の見分け方

プラ容器の材質自体は、その容器の裏側などに表示があれば簡単に見分けることができる。
コンビニやスーパーでよく使われているものは主に下記の2種類。
5番のポリプロピレン(PP)か、6番のポリスチレン(PS)だ。
次のような分類マークをご存じの方も多いだろう。
※他に1番~7番までマークはあるのだが、それは別の機会に踏み込もうと思う。

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結論だけ言うと、電子レンジ加熱に向いているのは5のポリプロピレン(PP)である。
理由は後述するが、電子レンジはおおよそ100℃にまで加熱されるから、その温度を上回る耐熱性があれば電子レンジ加熱に向いているということになる。

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なぜ「向いている」と書いたのかというと、耐熱性で考えれば電子レンジに向いているだけで、どちらも加熱で溶けるプラスチックに変わりはないからである。
熱を加えると溶けるプラスチックの性質を熱可塑性(ねつかそせい)と呼ぶ。
加熱しすぎないようにしないと、ポリプロピレン(PP)でも溶ける可能性があるので注意が必要だ。

電子レンジの加熱に用いられているマイクロ波

電磁波を用いている加熱調理器具の代表例は電子レンジと電気コンロがある。大きく分けると、電磁波である赤外線で加熱するか、マイクロ波で加熱するかの違いにある。
マイクロ波とは、赤外線よりも波長が長い電磁波の名称の一つ。
この波長が長いことで、加熱するメカニズムが大きく変わるのである。

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電子レンジが扱うマイクロ波は水にだけ作用する

赤外線は波長が短い。これにより赤外線のエネルギーは物質の表面で吸収されて熱になりやすい。電気コンロはこの赤外線を発生させて食材に当てることで加熱している。
この赤外線を用いることで100℃以上に加熱することも可能だ。よって、その赤外線を直接プラ容器に当てれば、ポリプロピレン(PP)でもポリスチレン(PS)でも溶けることになる。

一方の電子レンジのマイクロ波は波長が長いことから、水以外はほぼ透過して熱に変換されない。よって電子レンジ内に水を持たない材質、例えばガラス容器や陶器の器を入れてもマイクロ波では加熱されないことになる。

※ただし金属は別で、マイクロ波で急激に加熱されることから絶対に電子レンジにかけないこと!

このマイクロ波がほぼ水だけに作用するのが非常に興味深いのだが、なぜ水だけが加熱されるのかは、電磁波とエネルギーの理論に触れることになるので今回は割愛することにする。

マイクロ波を透過するプラ容器が溶ける理由

ではなぜ電子レンジでプラ容器が溶けるのか。
これは水を含む食材が過熱され、それに触れた部分がプラ容器の耐熱温度を超えることにある。プラ容器は間接的に加熱されて溶けていたのである。
水の沸点は約100℃。これが、電子レンジがおよそ100℃付近まで加熱できる理由になる。これならポリプロピレン(PP)容器なら耐えられる

では油分を含んだ食材を加熱する場合はどうか。
油は揚げ物を作る際に180℃くらいまで加熱していることを考えたら、100℃を超える可能性は十分ある。
少し調べただけでも、130℃付近まで温度上昇するとあった。これはポリプロピレン(PP)容器でも、加熱しすぎると溶けるかもしれないため、温める食材の油分には注意が必要だ。

まとめますと

1、コンビニやスーパーのプラ容器は電子レンジで溶けるものがある
2、コンビニやスーパーのプラ容器でよく使われいているものは2種類
3、耐熱性に優れているポリプロピレン(PP)容器が電子レンジに向いている
4、電子レンジはマイクロ波を扱っていて水を加熱する
5、溶けたプラ容器は、水を含む食材が耐熱温度以上になった状態に触れていたことが原因で、ポリスチレン(PS)容器の場合が多い
6、電子レンジの加熱で、油分は水以上に高温になる可能性があるのでポリプロピレン(PP)容器でも溶ける可能性がある

電子レンジで用いるのはポリプロピレン(PP)容器が向いていることが分かった。

このように簡単に電子レンジ加熱の原理を押さえていったが、別のプラ製品はどうなのかとか、熱可塑性(ねつかそせい)をもう少し深堀りしたらどうかとか、書いていて色々と疑問が浮かんだ。

次回の記事へ続く!

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