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マーケティングを始めてみた話(前編)

マーケティングを始めて1年半が経過した。
RPAコンサルタントをやめた記事を書いてから随分と経ってしまった気がする。

マーケティングとはそれは心躍る仕事だと考えていた。
では実際のところどうなのか?
元々の目的であった、汎用的なスキルとしてその選択は正しいのだろうか?
この1年半で培ってきたことを総括してみたいと思う。

1. 素直な感想

マーケティングと一言で聞くとどのようなイメージを持つだろうか?
”華々しい”、”かっこいい”、”イケてるイメージ”、”企業への貢献度が高い”
などなど、あるかもしれない。

もしくは、”広告やCMに携われる”、”自分で考えたブランディングが反映される”、”商品開発に携われる”、など、業務の側面で魅力を感じるかもしれない。

では実態はどうなのか?

『地味』

これに尽きる。

マーケティングとはそもそもなんだったであろうか?

企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念
出典:Wikipedia

どうやら、概念らしい。
漠然としたイメージの中で、外野から見える景色といえば、「リサーチ」「広告・宣伝」「企業PR」などであるが、
それはあくまで、マーケティングの中の、『ブランディグ』と言うカテゴリの一つに過ぎないのであった。

では実際には何をおこなうのか?

2. マーケティング組織って何をするんだっけ?

その前に、THE MODELという考え方を紹介したい。
詳細はリンクの記事に委ねるとするが、要点だけ記載すると、

The Modelとは、顧客の獲得やサポートといった営業活動の一連の流れを細分化し、ビジネスにおいてより高い成果を生み出すための仕組み
引用:The Modelとは?|定義から導入のポイントまで徹底解説

という考え方で、世界シェアトップを誇るCRMソフトウェアを提供してきたセールスフォース・ドットコムで、活用されてきた仕組みのことである。

元来、日本企業というのは、営業を主体として、ビジネスを行ってきた。
足で顧客のところに出向き、話を聞き、関係性を築き、営業の顔と信頼で売上を獲ってくる。
そういったスタイルが王道であった(実際は今もそう)ので、マーケティング組織に求められる役割といえば、企業イメージをよくするためのブランディングや、広告施策、新商品が売れるかどうかのリサーチに重点が置かれていた訳である。

ただ、THE MODELという考え方ではこのマーケティングの担い方がまるで違う。
もちろんブランディングやリサーチは重要なのだが、
それよりも、”自社のサービスを利用した顧客がどのように成功するのか?”
そのために、
どのように自社を認知してもらい
顧客の購買意欲を高め
絶妙なタイミングで営業がアプローチできるように設計する。

この全体設計と、認知獲得(ジェネレーション)と購買意欲の向上(ナーチャリング)を担うのがマーケティングであると知った。
ジェネレーションとナーチャリングは厳密には上記の意味ではないので、詳しくはこちら

3. 躓いたポイント

躓いたポイントは大きく3つ。
『言葉の壁』〜今日からあなたはアメリカ人〜
『量の壁』〜ウルトラマンなら降参している〜
『質の壁』〜みんな違ってみんな良い〜

3-1. 『言葉の壁』〜今日からあなたはアメリカ人〜

言葉の壁は大きい。
マーケティングはアメリカからきた概念なので、どうしても用語が英語になってしまう。
そして、大体英字3文字に略されがちだ。思いつく限り書き上げてみるとする。

Lv1 : KPI / KGI / ROI
Lv2 : SFA / CRM / CDP / DMP / CMS / MA / GTM
Lv3 : SQL / MQL / 
Lv4 : CV / CVP / CPA / PV / UU / Session / LP / SEO
Lv5 : GDN / YDN 
※カテゴリは完全無視しているんだ、ごめん。
みる人が見れば、なんでLPがそこやねん、なんでGDN YDNだけサービス名やねん。ってなるよねでもね、わかんなかったんよ。

挙げ出したらキリがない。。。
最低限上記の単語を知っとかないと、まず話についていけない。
まるで外国にいるようだ。
「こないだのセミナー、GDNのCPAは?」
「それだとROI取れんの?」
「ちなみに、そっからSQLってどんくらい移行した?」
「え?そもそもMQLにもなってないの?なんで?MAの設定どうなってんの?」
「あ、ISに連携しといて」

端的に、地獄である。
半年も経てばなんてことも無くなってはくるが、それまでは隠れてこっそりググる生活を送っていた。
※時には露骨に調べもした。上司よ、すまん。

最初の半年は、とにかくマーケティングの文化に慣れること。
それだけであっという間に時間が過ぎ去った。
カムバック、私の25歳。

3-2. 『量の壁』〜ウルトラマンなら降参している〜

マーケティング組織はとにかく、やるべきことが多い
これはマーケティング組織というよりは、
販管組織はやることが多岐にわたるといった方が正確かもしれない。

RPAのときは、いわばバイトのようなもので、1ヶ月160時間稼働するので〇〇万円、といった形で、顧客に請求する。
となると、効率的に仕事をこなした方が、利益率が良い。

一方、販管組織はコストとして計上されるので、比較的少人数で多くこなした方が、会社としてはありがたい。(相対的にコストが下がるので)

実際はマーケティング組織に属しながら、マーケティングとはあまり関係のなさそうな業務も多くあったし、今もある。

ことマーケティングの業務でいえば、その施策の数である。
所属している会社は、なにぶん、サービスの数が多い。
サービスが異なれば、当然、打つべき施策も異なる。
Webページ制作や、集客のためのセミナー、販促のための資料作り、パートナー会社との共同企画の調整、SEO対策。
もう色々やる。サービスの数だけやる
それはもう色々。ウルトラマンだったら3分では絶対こなせない。
※実際には、サービス毎に担当を置いていたので、サービス×施策数という訳ではないが・・・

3-3. 『質の壁』〜みんな違ってみんな良い〜

さて、色々できそうで、一見良いように思えるマーケティング組織。

けれども、何が辛いかって、全部、そういえば素人だということ。
出すもの出すもの”質が低い”
大体、最低5回くらいはレビューが通らない。

マーケティング組織に来て最初に携わった仕事が、サービスサイトのリニューアル。
すでに半分出来上がっていて、残りが大体25ページくらい。
内容は各サービスの詳細ページ設計。

サービスは大小合わせて10サービスくらいあり、内容によって2ページに分けたり、特殊な仕様にしたり、そもそもサービスをあまり理解できていないので、全課長にヒアリングしたり、文字起こししたり、制作チームに掛け合ったり。

1ページごとに事業部長からの承認を得るのが一番辛かった。
なぜなら、事業部長が見ているサービスの世界観と、課長の見ている世界観が必ずしも一致しているとは限らないから。

そして、こういうページにしたい!と思っても、予算と納期の壁がある。
その度に制作チームと交渉を走らせる。
相手はWeb制作のプロ、こっちは素人、会話にならない。
というか、ついていけない。
向こうもこっちが素人だとわかっているので、全力で噛み砕いているのは伝わるが、それでも理解に遅延が発生する。
JRだったら遅延証明がもらえるくらいには遅延する。

その絶妙な間を取り持つというのは、なんとも根気のいる作業だった。

そして、この手のプロジェクトのお決まり、短納期。
3ヶ月納期だったが、結局半年かかってしまった。

前編まとめ

慣れない言葉、量と質との戦い。
不思議なことにマーケターは辛いよ的な記事ってあまり見かけないので、世のマーケターさんは駆け出しの頃どう過ごしていたんだろうかととても気になる。

ただしながら、やっぱり人間やっていくとなんとかなるもので、マーケターという職種を辞めたいとは感じていない。

なぜそう思っているのか。

後編では、”地味”というポイントにもあまり触れていないので、
・結局何がいちばん地味かって話
・そんな日々をどう乗り越えているのか
・地味ながらの楽しさ。
を書いて見たいと思う。

編集後記
色々書いたけど、結局、この記事も質が低いよね。なんて思っちゃう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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