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世界で一番ワインを飲む人たちが暮らしています

世界一ワインを飲む国はどこでしょう。フランス? イタリア? アメリカ? 中国? いえいえ、実は、ここポルトガルこそ、一人当たりの年間ワイン消費量が世界一なんです。その数、実に90本! 日本は4本と言いますから、その差たるや。

実際、めっちゃこっちの人は飲んでいると感じます。ランチどきからグラスはもちろん、カラフェやボトルを開けちゃったりする人もたくさん。ちなみにグラスで注文した際には、たっぷりと注がれるワインの量にうれしくなることもしばしば。

消費量が多いことは、スーパーなどでも実感できます。ワインの売り場面積がものすごく広いんです。高さ2メートル、長さも20メートル以上ある陳列棚が2列ワインというのも普通で、産地ごとに、赤、白、ロゼなどがたっぷりと並んでいます

そういう意味で、ポルトガルは世界一のワイン王国と言えるでしょう。

ワインが愛されている国、ワインに愛されている国。それがポルトガルです。


ワインに欠かせないコルクの世界最大の産地でもあった!

ワインの栓に使われるコルク。ポルトガルは、そのコルクの世界一の生産量を誇る国です。知らなかった…。

コルクはコルク樫と呼ばれる樹木の樹皮から採取される素材。そしてコルクは環境にやさしい素材でもあり、木を伐採することなく、細胞が活動を止めた表皮のみを採取し、活用されています。

そして一度採取した木は9年間はコルクを取ることを禁止するなど、徹底した資源管理もされているんです。軽く、腐りにくいという特徴があり、断熱にも優れているコルク。鍋敷きやバッグ、財布やサンダルなど、ポルトガル土産でもさまざまな商品で見かけることが多いです。

日本に最初にたらされたのはポルトガル産の赤ワインだった!?

日本に最初にもたらされたワインは、ポルトガル産の赤ワインであったという説があります。キリスト教とともに宣教師らが日本に持ち込んだとされるそれは、当時は「チンタ酒」と呼ばれたようで、その名前はポルトガルで赤ワインを指す「ティント」に由来するのだとか。

そんなポルトガルのワインは、近年、世界中から注目を集め、世界的なワインジャーナリストも、ポルトガルのワインに高い評価を付けています。理由の一つは固有種の多さ。次で説明しますね。


世界屈指の固有種も保有している

ポルトガルには古くから根付いてきた在来品種が多く、その数は世界屈指の約250種。この数はイタリア、スペインよりも多いですという話もありますが、本当はどうなんだろう(ちなみに1ヘクタールあたりの固有品種数では世界最多とも? どういう計算?)。

有名なところでは、バガ、アリント、カステラオン、ムスカテル…。むむむ、耳馴染みのない品種ばかりで、逆に気になります。

また、ポルトガルの気候や土壌も魅力的で、東西160km、南北560kmという小さな国土ながら、気温や降水量が各地で異なり、土壌タイプもさまざま。結果、各地で多彩なワインが生み出されるというわけです。

国内の主要産地は10を超え、ワイナリーも各地に点在。というか、ほぼ全土で造られているんじゃないかというくらい、そこかしこにワイナリーの看板あります(Quinta とか Adega の表記)。ちなみに我が家はリスボン郊外、Torres Vedrasというところですが、この辺りもワイナリーばっかりです。

◎主要産地
●ヴィーニョ・ヴェルデ、ミーニョ
●トラズ・オス・モンテス
●ドウロ、ポート
●タヴォラ・ヴァローザ
●バイラーダ
●ダン
●リスボア
●テージョ
●ペニンシュラ・デ・セトゥーバル
●アレンテージョ
●アソーレス諸島(ピコ島)
●マデイラ

ちなみに最後の無頼派と形容されることの多い日本が誇る作家・檀一雄は、ポルトガルに暮らし、当地のワインをこよなく愛しました。とりわけダン地方のワインがお気に入りだったそうで、名前が一緒ということもありますが、純粋に味を好きだったのだそうです


高いワインもあるけど、安いワインもたくさん! そしてそれがうますぎる件

前述のとおり、スーパーに行けば無数のワインが並んでいます。ワイン好きにはたまらない風景と言いますか、ちょっと怖いくらい(飲み過ぎ、アル○が心配…苦笑)。

去年、友人に頼まれて、Pêra-Mancaというワインを買って帰りました。プレゼントするつもりでしたが、あまりに高くて無理でした。1本500ユーロくらいだったかな。あとで知ったのですが、アレンテージョという高品質な産地の中でもとびきりのワインらしく。。。

安心してください。スーパーにあるのは、Pêra-Mancaのような高いワインではありません。むしろ真逆の、庶民の見方的なワインばかり。ちなみに我が家では、3ユーロ以上のワインはほとんど買いません。

「でも、安いんだったらそれなりの味じゃないの?」と思うかもしれませんが、それがポルトガルのすごいところ。1ユーロ台のものでも十分おいしいんです(改めて飲み過ぎが怖い。。。)。ちゃんと、ポルトガルの固有種の入ったものもあって、最近ではスーパーに行って「安くてうまいワイン」を買うのが、趣味になっています。


ワインツーリズムも楽しみな国

ワインを軸に旅をする、ワインツーリズム(エノツーリズムとも呼ばれています)。ワイナリーを訪ね、セラードアをチェックし、併設のレストランで食事を楽しんだり。

ここ、ポルトガルも、そんな優雅なワインツーリズムにふさわしいワイナリーが山盛りです。それもそのはず、ポルトガルはワインツーリングに対して、国策として力を入れています。

政府が6000万ユーロを投資し、関連施設のインフラの整備も行っているとか。地域の活性化を主軸に、リスボン・ポルトの観光集中を回避する狙いもあるようです。

宿泊施設併設のワイナリーや、ミシュラン1つ星レストラン付帯ワイナリー、収穫体験できるところなど、たくさんありますよ。

首都リスボンからでも車で1時間も走れば、たくさんのワイナリーに出会えるので、ポルトガル旅行のエクスカーションの一つとして、ワイナリーはかなりおすすめ。

…と、長々書きましたが、ポルトガルのワインは最高です!


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