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「TerraGenesis」ランダム生成惑星SS風プレイログ④

4回目のテラジェネシスプレイログ、始めます。

今まではイベント中心でしたが、SS風という点を押し出して書いてみようかなと思います。

実を言うと、アプリずっと開いてイベントのスクショ撮って、年数すぎないようにゲーム停止しながらやるのは、本来のテラジェネシスっぽくないなって判断したからなんだけど......

書き方以外にも、今回は出来事もいろいろ起こったので、書いていきたいと思います。

州立図書館での一幕

「ねえ、シホ。レポートの題材は決めた?」

「ううん、まだだよ。漠然としすぎててさ......」

 綺麗な装丁の分厚い資料集とにらめっこしていて、目が疲れたのか、シホは眉毛の下あたりを揉みながらそう答えた。

 読んでいた分厚いそれは、私たちの住む惑星イスードの歴史書だ。入植した2247年からの歴史が事細かに記載されている。

「ソフィは?」

「まだ開いてもいないわ」

 「そっかぁ」そう言ってシホは目次とのにらめっこを再開した。シホと私は歴史好きなわけでない。けど、なぜこんな代物をわざわざ引っ張ってきて読んでいるかというと、休暇中に出された課題のせい。

「どこでもいいって書きやすそうだけど逆に難しいよぉ」

 そう言ってシホは机に突っ伏した。何年分あると思ってるんだろう。共通地球史だって100年とか時代ごとに区切って習うのに、イスード史全般からなんて軽く千年は超えてしまう。どれを選ぶか考えるより、ランダムに選んだ方が絶対早く終わる。そう確信して、資料集を閉じ、適当なところを開く。

「ねぇ、もう適当にここから100年とか200年で書いちゃわない? 期限もあるし、早く終わらせちゃお?」

 悩みに悩んでいる真面目なシホをそう誘ってみると、「うーん......」と、消極的な返答が。渋々といった様子でシホが開いたところを読み始めた。

「2300年代だって。この時代はトピックが少ないね」

「最初のページにはホウライで詩が流行ったって。そこから70年近くトピックがそんなになかったみたい」

 そうなんだ、とシホはつぶやいた。2308年、ホウライである有名な詩が流行、2374年にはプラチナ鉱脈の発見、そして同じ年に惑星間大企業からの莫大な融資を断ったこと、そしてホウライで方言のようなものが生まれたということが書いてあった。シホとおしゃべりしながら読み進める。

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「この企業が融資を申し出るって怪しいね。プラチナ鉱脈絡みなのかな。貴金属や希土類はかなりの価値だもんね」

「一番有力だと書いてあるのは独立宣言らしいわよ。この惑星のホウライって都市名にもなった会社が、この年に本社から独立して、UNSAに、惑星イスードの市民による政権樹立を表明したって書いてあるね」

 この部分を課題に使うのかはわからないけど、「独立?」とメモに書いて、見出しとページ数も合わせて記入する。シホは多分メモしないタイプだから、記入しておけば役に立つはずだ。

「ソフィ! もうここ100年まとめて作っちゃわない? ほら! 次のページで2300年代終わりだよ!」

 そう言ってページをめくって読み始めたシホの顔が曇った。

「ソフィぃ......。大規模火災に噴火だって......。暗いニュースばっかり」

 途端にテンションが下がったシホの頭を撫でて、私もいっしょにそのページを見る。

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 シホが言ったように、大規模な火災に続き、噴火もあり、2300年代後半は災害の多い時代みたいだった。見出しも災害のことばかり書いてある。けれどその経験から学んだ事があるみたいで、火山の噴火発生時の対応マニュアルや、火災対策のきちんとした法制度が施行されたりしたらしい。

 惑星イスードの初期は、火災はあまり重要な問題ではなかったみたいだ。この惑星に大気がなかったから、燃焼する酸素もなく、火災のブロックを閉じて区画を解放すれば、すぐに収まったものらしかった。

 「あ、ここ。そんなに暗いことばっかりじゃないみたいよ。災害時の簡易リペアキットを改良して、緊急時の宇宙船リペアキットを開発したってあるわ。耐久性や多種多様なメーカーや型式に互換性がある優れものだったらしいわ」

 今では規格が統一されている宇宙船は、かつては技術の粋を集めて建造するものだったから、企業や団体ごとに特色があり、かつ企業秘密や特許の乱立で、それはもう物凄い種類があったらしい。きっと、カンブリア大爆発みたいな時代だったんだろう。

 なるほどと納得しながら見ていると、例の企業が今度は噴火の復興という名目で莫大な融資をしようと近づいてきたらしい。なんなんだこの企業。

「『惑星の変革とテラフォーミングの達成』って題で、この時代から惑星国家の樹立までをまとめることにするわ。シホはどうする?」

「じゃあわたしも〜」

 100年分の歴史を、半日ほどで事細かにレポートに書き記す。最初はランダムで適当に仕上げれば良いやと思っていたけど、いつしか当時の情景や心情が文章からにじみ出ていて、どんどん共感しながら私たちは書いていった。

 その時代に生を受けた人の営みが、ぎゅっと圧縮されているような、でも字面だけで情報がたくさん欠落したものを写しているような、不思議な感覚があった。衛星上からの当時のホウライを見ながら、私たちはレポートを書き進めていくことにした。

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