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社会人が3ヶ月かけてショパンの幻想即興曲を弾いてみた

今年の6月ごろからショパンの幻想即興曲の練習を始めて、3ヶ月後の9月、発表会で演奏しました。

幻想即興曲は有名でめちゃくちゃかっこいいんですが、自分にとっては指回しからリズムとりまで、苦戦したことばかりです。

自分の記録に加えて、楽器やピアノ、発表会に興味のある人にちょっとでも参考になればと思い、記事に残します!

※自分について

  • ピアノは幼少期〜中学まで習ってた。「演奏するの好きだったなぁ」と思い出し、めちゃブランクを経て年始から再開。

  • 難曲は先生に教えてもらわないと習得無理。

練習のペース

  • 毎週土曜日にレッスン30~40分

  • レッスン前にだいたい2時間程度練習

  • 平日、できる日は30~1時間程度練習(しない日、多かった…最後のほうは頻度高)

3ヶ月間の、ざっくりペース感

  • 最初の1ヶ月で譜読み(文字通り楽譜を読めるようになる)

  • 2ヶ月目で「テンポゆっくりだけど完璧に弾ける」目指しクオリティあげ

  • 最後の3ヶ月目でスピードアップと本番に向けて追い込み

という感じでした!

特に最後の二週間で慌てて怒涛の詰め込みをしました…😇 締切はいつだって偉大。

ここからは、3ヶ月間それぞれの時期でやってたことを書いていきます!

1ヶ月目 〜着手と譜読み〜

曲目が決定、「この楽譜が忠実に近くていい!」とオススメされたので「はい!!」と購入しました(同じ曲でも、楽譜によって微妙に省略されたり変更されてる箇所があるらしい)。

譜読み

文字通り、楽譜を読んで解読する作業です。
この段階では0.1倍速くらいでいいから、どのタイミングでどの音が鳴るのかを理解します。
↓このくらいの速度とか。

最初のこの部分

「マジでこれがあの曲になる?」って疑問しかない。けど、なる。不思議。

リズムの把握

細かいリズムは自分じゃ絶対間違えてるので、ビシバシ矯正してもらいます。

この曲でいえば、1小節で、
右手:16分音符4つ×4回
左手:6連符×2回

っていうのが基本で頻出です(↑で弾いてるのもそう)。音としては、右手が4個弾く間に左手は3個弾いています。

なるほど?

おわかりいただけたでしょうか…。

右手と左手で別のリズムになるのってピアノでは割とよくあるのですが、毎回ちゃんと「なるほどわからん」ってなります。
両手でタイミングが合う音(この場合一打目)を基準にしつつ気合で慣れるしかない。

あとは中盤のこういう7連符がでてくるところも最初手間取りました。

おう?

強弱の表現入れは、譜読みを終えたらもっと力を入れていくのでこの時点では「ほどほど」ですが、把握はしておきます。

2ヶ月目 〜「ゆっくりで完璧」に〜

あるていど譜読みが終わったら、まずは0.5倍速くらいを目指しでクオリティをあげていきます。

今教わっている先生が死ぬほど言われたのが
「まずはゆっくりでいっぱい弾いて正確に弾けるようになって。じゃないと速く弾いちゃダメ」です。

速く弾くのって楽しいんですよね。なんかうまくなったような気分にもなれるし笑
でも、ガタついている状態で無理して速く弾いたところで、客観的に聴くとグラグラしたダサい演奏になりました。
不思議と、ゆっくりでまず仕上がってるとその後にスピードをあげるのはかなり楽になってますし、安定感がでます。

そんなわけでまずは地道にゆっくりめテンポでやっていきました。

指運びが崩れないようにする

今回の曲は速くて指運びめちゃくちゃ難しかった🙃
特に、この箇所とこの箇所の右手、最後まで鬼門でした。

鬼門1

登って駆け降りる

鬼門2

また登って駆け降りる

こういう場所はリズム練習やグルーピング練習を繰り返して、なめらかに弾けるようにしていきました。

表情をつけていく

譜読みの段階ではまだ棒読みみたいな状態ですから、あわせて、強弱・緩急・アクセントも本格的につけていきます。
pとかf、その他記号で指定されてるところですね。

「ほぁー!」ってなったところでいうと、序盤パートの、前半と後半でアクセント(これ→>)がひっくり返る、こことか。

前半は1個目(親指)にアクセント
後半は2個目(小指)にアクセント

こういうところも頑張って再現できるようにします。

表現については、一度録音してから聴き返して、うまく出せてないところを修正していくのも有効でした。

おまけ: 理想の演奏の音源を探しておく

理想の演奏音源を探しておくと、参考にもモチベにもなってよかったです(圧倒的な力量差は、ある)!

私の場合、いろいろ聴き比べて、一番好きだったのがTVアニメ「ピアノの森」のアルバムに収録されている演奏でした。
(実はアニメはみたことがなかったのですが、これで興味が湧きました。めちゃくちゃ奏者が豪華なのですね…!)

3ヶ月目 〜スピードアップ〜

ゆっくりめならいい感じに弾けるようになった段階で、いよいよ、スピードをあげていきます。

しかし、ここで問題が…
一定以上スピードアップすると、絶対に音を踏み外してしまう。
が、「まぁいうて弾きこめばできるようになるでしょ」と余裕をこいていました。
〜〜そして時はすぎ〜〜

本番まであと二週間 〜できない、スピードアップ〜

依然として、スピードアップすると音を踏み外す😇
これまで通りの練習は続けていました。暗譜もほぼできていました。なのに、積み重ねてもなかなかミスを減らせない。

これ、やばいんじゃない????
なにせあと二週間です。

テンパりつつ、どうにか克服できる方法はないかとネットで調べてたら、新しい練習法に出会いました。

ミスタッチを減らすために 「目を閉じて弾いてみる」

それは「目を閉じても弾けるようにする」

思えば、ミスタッチの原因は、鍵盤の位置を目で判断している中、速いとどうしても追いつかなくなることがあったのもありました。

ある程度は感覚で、どこを弾くか覚えている必要があったので、この練習法は私にはかなり有効でした。

え、目をつぶってとかできる!?って思うんですけど、人間の身体ってすごくて、ゆっくりやるうちに鍵盤と鍵盤の間隔をなんとなくつかめるようになるんですよね。
(もちろん最終、目はあけて弾きます)

この練習法で、ミスタッチの数は明らかに減りました。ゼロにはならないけど。

本番まであと一週間 〜イメトレ〜

まだ不安しかなかったですが、この時期はそろそろ本番を見越した練習もしていきました。

直前、本番環境でも弾けるようにやってみたこと

  • 🏃ぶっつけで弾くために

    • 指ならしとかせずいきなり通しで弾いてみる

  • 🖐うまくいってるときの感覚を覚えるために

    • 一番コンディションのいい演奏を録って見返す

  • 👕衣装に支障がないように

    • 用意した服や靴をチェックする(袖とかヒールとか邪魔だったりする)

  • 🎹ホールのピアノでもいけるように

    • 本物のピアノでなるべく練習して慣れる(自宅は電子ピアノ。くぅ〜

  • 🫣緊張感に慣れるために

    • 夫に見ていてもらってみたりしました👨🏻

本番当日 〜心がけ〜

そんなこんなで本番を迎えました。
意外と緊張してない!?って思ったけど…全然しました!!

付け焼き刃ですけど、こんなことを意識して乗り切りました🙏

🍵ミスを減らす

  • 手が冷たくなるので気休め程度にストレッチとかして温め

  • 満腹だとぼーっとするのでご飯は控えめに

  • 会場ではもう練習できないので、やる曲を直前に聴いておく

  • 緊張するとテンポ走りがちになるので意識しておさえる

🥳ミスしても全力で「それっぽく」見せる

  • とにかく止まらない!

    • ほんとこれ。これ。立ち止まりさえしなければ意外とごまかせる。ホールって音も響きますしね…!

  • テンパらず気を取り直す

    • 中盤のゆっくりした箇所や、合間合間をあえてゆっくり間を持たせて一呼吸いれて、冷静になる

やっぱりミスはしました!!
ただ、ハタから聴いてると自分が気にしているほどには気にならなかったみたいなので、やっぱり「止まらない」「しれっと進行する」っていうのはめちゃくちゃ大事だな〜と。
あとはせっかくの機会だから楽しむのが一番ですね。

もらった。おつかれ。

振り返って: よかった/課題

よかった
3ヶ月間、過程を含めて楽しかったし、なにはともあれ形にできました。
いつもそうなんですが、最初はとても弾ける気がしないのに繰り返すうちに習得していくので、人間の身体ってすごい。
曲を仕上げていくペース感や練習方法がちょっとつかめたのも収穫でした!

課題
ただやっぱり課題も色々見えてはいて。
明らかに、練習のペースをミスって弾き込みが足らず、理想に対してはまだまだツメが甘かったなと。知識不足の面もありますし、改善していきたいです。

あと、会場での緊張感やぶっつけでどれだけやれるかも場慣れだと思うので、ここは回数を重ねて感覚を掴みたいです。

ピアノ弾くのも、人前での演奏も好きだった

長いブランクを経て練習する日々ですが、怠惰な自分が楽しくやれるということは、やっぱりピアノを好きなんだなと思っています。
ピアノを弾くのも、人前で演奏するのも好きだった、ということを思い出せたのがいちばん嬉しかったです。

人前で演奏するようなコンサート形式でいうと、発表会以外にもヤマハコンサートグレードや、ピティナステップなどがあります。
場数を踏むためにも、これらにも挑戦してみたいなと思っています。

新しい曲のレパートリーも増やしたいけど、今回の曲もリベンジできるように頑張ります!
読んでくれてありがとうございました。みなさんもいい楽器ライフをお過ごしください。

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