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知的障害と発達障害の違い

こんばんは、珠璃です。
今日は知的障害と発達障害の違いを書いていきたいと思います。

簡単に言うと

知的障害は知的機能の発達水準が全体に低いために社会性に困難が生じるものです。
発達障害は、多くのケースで知的障害を伴うことなく、生活上のコミュニケーション能力や行動面、学習能力などある特定に分野に関して困難が生じるものです。

詳しく言うと


・知的障害(精神遅滞)とは?

知的能力障害(ID: Intellectual Disability)は、医学領域の精神遅滞(MR: Mental Retardation)と同じものを指し、論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学校や経験での学習のように全般的な精神機能の支障によって特徴づけられる発達障害の一つです。

発達期に発症し、概念的、社会的、実用的な領域における知的機能と適応機能両面の欠陥を含む障害のことです。
すなわち
「1. 知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥」と
「2. 適応機能の明らかな欠陥」が
「3. 発達期(おおむね18歳まで)に生じる」
と定義されるものです。中枢神経系の機能に影響を与える様々な病態で生じうるので「疾患群」とも言えます。

有病率は一般人口の約1%であり、年齢によって変動します。
男女比はおよそ1.6:1(軽度)~1.2:1(重度)です。知的機能は知能検査によって測られ、平均が100、標準偏差15の検査では知能指数(Intelligence Quotient, IQ)70未満を低下と判断します。
しかしながら、知能指数の値だけで知的障害の有無を判断することは避けて、適応機能を総合的に評価し、判断するべきです。重い運動障害を伴った重度知的障害を「重症心身障害」と表記することもあります。

適応機能とは、日常生活でその人に期待される要求に対していかに効率よく適切に対処し、自立しているのかを表す機能のことです。たとえば食事の準備・対人関係・お金の管理などを含むもので、年長となって社会生活を営むために重要な要素となるものです。



・発達障害とは?

脳の機能的な問題が関係して生じる疾患であり、日常生活、社会生活、学業、職業上における機能障害が発達期にみられる状態をいう。
最新のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)では、神経発達障害/神経発達症とも表記される。

DSM-5では発達障害は、
・知的障害(知的能力障害)
・コミュニケーション障害
自閉スペクトラム症(ASD)
ADHD(注意欠如・多動症)
学習障害(限局性学習症、LD)
・発達性協調運動障害
・チック症

の7つに分けられています[1]。一般的には、乳幼児から幼児期にかけて、特徴的な症状を呈するものを言います。ただし小児期に症状が目立たず、学齢期や思春期あるいは成人に至って、学校や職場で問題が顕在化することもあります。

発達障害の場合、本人の怠慢や家族のしつけ・環境などが原因ではなく、基本的に脳の機能の障害から起こります。
「発達障害者支援法(2016年改正)」では「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。

発達障害の代表的なものとして、自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害があげられますが、同じ診断名でも、知的障害の有無、子どもの個性や発達の状況、年齢、置かれている環境などの様々な要因によって多彩な症状を呈します。
また、自閉スペクトラム症とADHDが、あるいはADHDと学習障害が重なり合うなどの点も特徴です。
経過中に、精神疾患などを呈するなど併存症、二次障害にも注意が必要となります。正確な診断ができる専門医が比較的少ないため、医療機関を含めて様々な専門機関への相談が大切です。
最近はとくに、顕在化しにくい発達障害として、吃音、チック症、トゥレット症候群、発達性協調運動障害、読み書き障害が注目されています。

2016年度から全国で「かかりつけ医等発達障害対応力向上研修」が始まりました。
国立精神・神経医療研究センターでは基盤研修として「発達障害支援医学研修」と「発達障害地域包括支援研修」を開催しています。そ
して初診待機の問題を解消する方策が今後、重要な課題となっています。

・まとめ・

以上のようなことにまとまっております。
難しい言い回しが多かったですね。
次回は今回の記事の中から一つずつ説明していこうかと思います。

では、簡単ではありますが、今日はこの辺で・・・
また読んでくださると嬉しいです。
よろしくおねがいします!

<参考文献>
1.American Psychiatric Association(著), 日本精神神経学会(日本語版用語監修),  高橋三郎, 大野裕(監訳)
2.DSM-5精神疾患の分類と診断の手引.
3.医学書院, 2014.
 田中恭子,稲垣真澄,加我牧子(著), 精神遅滞.
 柳澤正義,衛藤義勝,五十嵐隆(編), 小児科の新しい流れ.
4.先端医療技術研究所,p176-180, 2005.
5.DSM-5精神疾患の分類と診断の手引.
6.医学書院, 2014. 発達障害者支援法(平成28年一部改正)

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