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愛の讃歌

JAMCAFEは5月をもちまして現体制を終了します。
よくいえば「解散」で、悪く(?)言えば「全員解雇」という形になります。
つまりもう元の営業形態は(当分)できないということです。(閉店ではないです)
実は…この話はオンラインでの営業に移行し始めた4月初旬のタイミングで社員にはすでに話を振っていました。
「そういうこともありえる情勢である」と。
なぜかというと…コロナウイルスの感染拡大についての明るい要素がほぼなかったからです。


僕は物事を要素に分解して、分析し、再構築して考えることが好きです。
経営についてもそうで「感情」や「気分」というものをなるべく排除し、様々な判断を行なってきました。
そういう視点で今回のコロナウイルス騒動を眺めたときにまず見えたのは「個人の力」を大きく超えているな、ということです。
もう、これまでのようにアイディアや小手先のテクニックで売上を伸ばすとか、そういうレベルの話ではありませんでした。

お客様がお店に来れなくなる、という事態がやってくることを想像していなかった僕の落ち度でもあります。
とはいえ、お客様が消えたわけではない。これなくなっただけで。


さて。

休業要請は解除されました。
しかし客数は10割に戻るのでしょうか?消えたわけではないお客様がまた戻ってくるのか?
そういうお店もあるでしょうけどうちの場合はそうではないと想像します。
経営判断は感情や気分を排除して行いますが消費者は「感情」や「気分」で行動します。自粛要請は解除されましたが大手を振って外食を楽しめる雰囲気でしょうか。
これは何が正しいとかいう話ではなく「空気」の問題です。「だって法的に悪いことがないのだから新しい生活様式で外食も楽しめばいいでしょ」ということではなくその話と「社会的な空気」は別にあるということです。
つまり客足はすぐには戻ることはないです。

望みはワクチンですが、いよいよその効果も危ぶまれてきました。ロックダウンしている国とそうではないスウェーデンでの抗体保有率が変わらないという結果が出ました。抗体が出来ないのか、もしくはすぐ消滅するのかまでは分かっていません。
その前にまた冬がやってくる。「第二波がやって来る」と言われていますね。果たして現状を維持したまま次に自粛要請を乗り越えることができるのか?答えは「否」です。
ほとんどの飲食店は耐えることができないでしょう。

1番の負担は固定費と言われる「家賃」「人件費」です。

例えば。
売り上げが500万だとして使える人件費は150万円だとします。
月商が80%の400万になったとしたら、使える人件費の限界点は120万です。
これはあくまでも例えですが仮に通常時の80%まで戻ったとしても人件費で使える額も80%で、人件費をその80%になった人件費から差し引くと、変動人件費は…ということです。
こういうときはアルバイトの人件費を削減するという手段がありますがうちは全員が社員で、そこは難しい。
助成金の活用もしていますが社会保険料の負担も尋常ではない。
融資を受けたところで「返す見込み」がありません。お客様が減るのだから。お客様が多少戻っても融資の返済が利益に新しく乗り、待っているのは返済するためだけの人生です。
(最初はもう少しライトに捉えていた国も今現在は融資自体を強く勧めることはありません。給付金での対応を増やしてきましたね。)

オンライン事業は確かにある程度の輸血にはなりますがこれから先流れる血の量に対して輸血が足りなくなることは容易に想像できてそこに待っているのは「死」です。

数字は嘘をつかないです。


これは全て僕の予想で、想定です。
僕は常に「最悪の事態」に備えて経営を進めてきました。
これまで10年潰れずにやってこれたのはそのおかげです。誰よりも臆病だったからです。
もちろん何事もなくお客様が10割戻り、ワクチンができるという未来も有り得ます。それが1番だし、そうなればJAMCAFEもすぐにまた再開すると思います。そうなったらいいよね。


国の仕事は国家を維持すること。経営者の仕事は会社を維持すること。
「こうなったらいいよね」という気分で経営を進めるのではなく、最悪のパターンを想定し、僕の中の「みんなとまだ一緒に…」という感情と気分も今回は捨てないといけなかった。

JAMCAFEはなくなるわけではありません。
10年やっているので支払うものも少なく、言い方は悪いですが人件費と社会保険料がなくなればまた当分は会社を維持することはできるでしょう。
僕が仙台にいるときにでも予約制で営業をしたり、オンラインでの販売や、オンライン教室の運営などこれからもやっていくことになります。(プリセールチケットを購入してくれた方、ちゃんと忘れないで権利行使してくださいね。お店でお待ちしてます)

2011年の震災を乗り越えオープンしたJAMCAFEですがまたこんな壁がやってくるとは思っていませんでした。
またゼロから色々作っていきたいと思います。
それはそれで楽しいね。
東京の店舗も必ずやるのでみなさん期待していてください。

最後に。

このことは特にオープンにする必要がないことかと思っていましたがうちは全員が「家族」同然なので何もなかったかのように続けていくことはできないなと判断しお客様にも全てお話することにしました。

みんな物分かりもよく、頭もいいし、何も揉めることはなかった。関係性があった。100%納得してくれているかはわかりません。まぁ楽しいわけはないですよね。それでも、うちはいまだにみんな仲良しだし、普通にくだらないラインなんかもしてるし(ここでは書けないようなこととか。笑)それぞれが自分のプロジェクトをJAMCAFE内で準備したりするみたいだし、普通にこれからも会います。

僕の仕事はしかるべき時までにJAMCAFEを強くしておき、またいつかみんなと仕事をすることです。
そのときにはおそらく「会社」というものが古くなっているかもしれないしそれぞれがお客様を抱えていてJAMCAFEというプラットフォームをみんなが「利用」するような形になるかもしれないし今は分かりません。

もちろん「こういう事態になったら、解雇という選択をする会社なのだ」と感じる人もいるでしょうし、それはもう僕にはどうすることもできない。

JAMCAFE含め、個人個人の活動も引き続き暖かく見守っていただければ幸いです。

では!またお会いしましょう。


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