たまに行くbarでエチュードというカクテルを飲みました。
そのbarには何度か通っていてこれまで「店名の由来」を聞いたことはなかったのですが、ふとそんな話になったのです。
「エチュードというカクテルが好きなので」
そう、そのお店はエチュードという名前です。
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その時はスーズ(suze)というフランスのリキュールを使った別のカクテルを飲んでいて、そこでエチュードの話になりました。
「シャンパンと、このスーズを合わせたエチュードというカクテルも美味しいですよ」
その話をしているときはだいぶいい感じにお酒はいただいていたので飲めなかったのだけど「次こそは」と誓い店を後にしました。
その後、それは実現しました。
スーズはリンドウが主原料で少し薬膳のような香りがするのだけど、生薬を使った胃腸薬などにも使われているそうで、一口飲んだ瞬間から、食欲(胃の活動)が促進されるような感覚がありました。
シャンパンと合わせると優雅で、その中に少し野性味のある味わいが加わって気分も高まる、という感じです。
(お酒が苦手な方はきついかもしれないけど、それなりには飲めるわ、という方には是非おすすめです。)
かの有名なパブロピカソも愛飲していたようです。
リンドウの花言葉は「寄り添う」なのでピカソもどこか孤独をエチュードで埋めていたのかな、とか思うと感慨深くもあります。
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僕はそのエチュードというお店が好きです。
だからそのお店のルーツとも言えるエチュードというカクテルと出会えてとても嬉しいのです。
恥ずかしながら「飲み慣れているものを頼む」という傾向があり、新しいものになかなか出会う機会がないものですから、自分の人生を大きなパズルだと考えたときに「また新たなピースが増えた」と思えるものに遭遇すると、とても幸せな気持ちになります。出会いはそれなりにあるかもしれないけど「長く付き合えそうな出会い」はなかなかないものです。
自分にとって好みのものというのは年齢とともに減っていく傾向にあるのです。なぜならそこそこパズルのピースが揃っていて「もう完成でいいや」と脳が勘違いしてしまうからですね。ある程度の絵ができてしまっている。
でも探せばパズルのピースはまだまだたくさんあり、ハメてみないことにはなんともかんとも。
そしてハマるかどうかには「理由」が必要なのです。
好きなbarのマスターが好きなものだから、とか、好きなアーティストの好きな曲だから、とか。
自分が好きだと感じているものは実は全部理由があるはずなのです。
「なんとなく好き」なものは実は少ない。必ず何かしらの理由があるはずなのです。
好きなマスターの好きなお酒に出会い、そのお酒と長く付き合っていけそうな感覚に立ち会える。なんと幸せなことでしょうか。
「美味しいだけのものはいらない。」
欲しいのは理由です。
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