見出し画像

J3 第11節 FC今治VSカターレ富山

こんにちは。今回はJ3第11節のカターレ富山戦について書いていきたいと思います。

戦略的狙いとフォーメーション

FC今治

 4-4-2
4-4-2

 ボール保持。相手寄せて裏。
攻→守 即時切替。ハイプレス準備。
 ハイプレス。ボールサイドを同数にする。数的不利なら中締め撤退。
守→攻 相手DFライン裏、ライン間の味方が有利な状況の場合は縦優先。

--------

カターレ富山

 3-14-2 2-3-4-1
 4-4-2

 ボール保持。たまに数的優位つくる。ライン間とDFライン裏を出口に。
攻→守 即時切替。周辺の選手がボールに密集して奪う
 ブロック少しでも整ったらハイプレス
守→攻 縦を優先。無理ならボール保持

試合展開

攻撃的なチームと言われていた富山だったが、強さの秘密は奪われた後の守備にある気がした。今治も富山同様、奪われた後の守備への切り替えの速さが特徴的だが、富山の場合は相手を制限するための切り替えではなく、ボール周辺に複数人が寄せて奪いにいくことを目的としていた。実際、今治の選手もそれによってカウンターの芽を潰され、再度の守備を余儀なくされていた。


また、攻撃面に関しては、今治が相手を引きつけてCB裏に抜けるCFへのロングボールをビルドアップの出口としていたのに対し、富山はボランチ2人+トップ下の10番の3枚がCB2人を助ける形でサポートし、なんとか今治の一列目をショートパスで越えようとしていた。時には、10番が今治の2,3列間に現れ自らラインを超える役割を担ってたりもした。

よって、ボールを奪い保持することをより強い気持ちと意図で試合を進めていた富山が主導権を握る形で前半の時間は過ぎていった。

今治としては、相手の切り替え後のプレスになまったこと、その後のハイプレスにはまりCFになかなかいいボールを収めきれずにいたため、守備の時間が長く続いた。
撤退したときの守備は強固ではないので、43分に相手に押し込まれた中で失点をしてしまう。
この時のCH飯泉のポジショニングには問題があったように見えた。

後半、富山の守→攻の切り替えの速さとその後の激しいプレスはやむことなく、今治の選手たちはそれにかなり苦しんでいた。

一度相手のプレスをかいくぐり前進する機会はいくつかあったが、有馬の左サイドは個人で突破してなんとなくクロスという形で終始したり、右サイドは少し崩すのに急いでいる様子が見られ、なかなかチャンスには結びついていなかった。

また、カウンターはやめて一度ボール保持となった時も、前半同様SB裏に抜けるCHへのロングボールが基本的にはビルドアップの出口となっていたが、CFもあまり優位な状況ではなかったのでボールが収まらず相手ボールになる展開が続いた。

そんな中、GK岡田がロングボールを蹴ったこぼれ球を相手に拾われ、それをすぐさまゴール前に抜けた味方にパスされ追加点を決められることに。ロングボールを蹴った後のラインアップと中への絞りが疎かになっていたことは確かだが、そもそも前線に強力なアタッカーを擁する富山に対し、ロングボールを多用したことに疑問が残った。ロングボールは無闇に蹴れば、相手にボールが渡る可能性が高まるし、その時には守備がうまく構築できてない可能性も高いためデメリットが大きい。一時的にプレスを回避できること、通ればチャンスというメリットはあるが、富山の選手の特徴と今治の選手の特徴や試合展開を考えた場合、そうしたロングボールを多用したのは妥当ではなかったのかなと思う。

その後さらにコーナーキックから失点し、点差は3点差に。富山は5-4-1にフォーメーションを変更して守りを堅めにいったこともあり、今治はラスト10分くらいからボール保持の時間を増やし始めるが、チャンスを作るには至らなかった。

まとめ

やっぱり自分たちでボールを保持して相手を動かすことができないと、点をとるのも難しく、守備の時間も増える傾向があると思う。
個人的には、ボールを奪いにきて主導権を握ろうとしてくる相手に対しては、リスクを避けて相手にボールを渡してプレス!というやり方よりも、CHをおろす、SHをおろすなどして後ろから無理やりにでも数的優位を作り、じっくり相手を押し込んでいくべきではないかと思っている。

今後個々のポテンシャルで上回るチームと対戦するようになれば、よりチームとして不得意な局面を減らし、得意としている局面がなるべく出るように試合を竦めていく必要がある気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?