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思い出の一冊-①

皆さんこんにちは、Yukiです。8月に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか?私は、あっという間に7ヶ月が過ぎ去り、今年もあと半分無いということに驚いています。以前にも書きましたが、時が過ぎ去る早さを実感しております。

今回の記事から新しいことも書いていこうと思います。タイトルにもあるとおり、私の思い出の本を各記事ごとに1冊ずつ紹介したいと思います。

私は読書を続けて、気づいたら10年が経っていました。私は21歳の大学3年生なので、もう人生の半分を本とともに歩んできました。その間、決して多くはありませんが、私の心と記憶に残っている本が何冊かあります。普段は堅いテーマを設定して自分なりの考えを書いていますが、たまには取っつきやすい内容を書きたいと思って、書くことにしました。温かく見守って頂けると嬉しいです。

今回ご紹介する本は、海堂 尊さんの『医学のたまご』という本です。

まずは簡単にこの本のあらすじをご紹介します。

主人公である中学生の曾根崎カオルは、ひょんなことから大学からスカウトされ、医学の研究に参加することになります。そして、その研究過程で大発見をしたことで、てんやわんやの大騒ぎに発展していまいます。その騒ぎに、カオルとクラスメイトの3人を加えた「チーム曾根崎」を結成し、立ち向かっていく...というお話です。ただ、これだけでは想像しづらいとおもうので、興味が湧いたら是非読んで頂きたいと思います。

実はこの本を読むのは今回が2回目で、1回目は主人公のカオルと同じ中学生の時に読みました。2回目はこの記事を書いている、2020年8月1日です。

たまたまとある本のサイトで、この本が紹介されていて、あれどこかで見たことあるぞ、と思いよくよく調べたら、かつて読んだ本だったというわけです。懐かしく思って購入しました。

なぜこの本が私にとって思い出深いのか、についてですがいくつか理由があります。

一つ目は、この本を中学生の時に友達と取り合いをしたからです。私の中学校では、学級文庫というものがありました。2週間に1度くらいのペースで、クラスの図書委員の人が図書室から本を20冊程度選んできてくれました。その学級文庫の中の1冊がこの本だったのです。ただ、学級文庫はクラスの誰でも読めるので、そのため私と友達で取り合いになりました。結局、じゃんけんで勝った方が先に読める、という合意に達したと記憶しています。肝心の結果は覚えていません(笑) 今まで本の取り合いをしたことがなかったので、それも良い思い出です。

二つ目ですが、これは理由と呼べるか少々怪しいところですが、読んだときの私の年齢が関係しています。1回目に読んだときは、私は中学生で奇しくも主人公のカオルと同じ年齢でした。そのため、自然とカオルに自分を重ねていました。(ちなみにカオルは男の子です。)自分と年齢が一緒だったこともあり、中学生という視点から当時は物語を楽しんでいました。2回目に読んだのは先にも書きましたが、つい最近です。この物語の舞台は大学ということもあり、大学内での派閥争いや研究費を割り当ててもらえるように奔走する姿を、リアルに感じながら読みました。また、この物語にはカオルのクラスメイトの他に何人か登場します。そのうちの一人が、カオルが所属することになる研究室の先輩である、大学院生の桃倉さんです。そのため、今回の私は桃倉さんに自分を重ねながら読みました。

つまり、私は2つの異なる視点からこの小説を楽しみました。カオルからの視点と桃倉さんからの視点です。一つの物語を異なる視点から楽しめることも、小説の大きな楽しみだと思います。

また、感慨深くもなりました。中学生で読んだときは、専門用語や大学特有の雰囲気が分からず本当にカオルと一緒の状態でちんぷんかんぷんでした。ですが実際に大学生になって、あの時分からなかったことが今になって分かり嬉しくなりました。例えば、カオルのお父さんは「ゲーム理論」という分野では世界的に有名な研究者なのですが、当時はゲーム理論を全く知りませんでした。なので、どのくらい凄いかも分かりませんでしたし、ゲーム理論のゲームのことを、任天堂のWiiやSONYのPS3といった遊びのゲームのことだと思っていました。ただ、今となってはゲーム理論が遊びのゲームではなく、学問分野の一つである事も知っていますし、であればその世界的に有名なカオルのお父さんがどのくらい凄いのかも分かります。あのとき分からなかったことが、時を経て理解できるようになることがこんなにも嬉しいとは思いませんでした。

懐かしく感じた一方で、少し寂しくもなりました。この小説の舞台は2022年です。初めて読んだときは、2014年だったので当時にしてみれば、2022年は遠い未来でした。しかし、2回目に読んだのが2020年なので、小説の時系列に追いついてしまいました。あのときからもうそんなに経ったという事実を、小説を読んで感じました。時の流れを実感する出来事でした。

ここまで、一冊の本と私の思い出話を書いてみましたが、いかがでしょうか。少し哀愁も漂っている気もしますが、それも含めて私の思い出です。

興味を持たれた方は、是非読んで頂きたいです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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