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事業家として成功を収めるためには長時間労働が必要か?

ハーバードビジネスレビューより。

仕事と私生活におけるバランスを実現する支援を行う非営利団体サードパス・インスティチュートのジェシカ・デグルートは、休暇を取るのが非常に上手な人は「休暇チェックリスト」に基づいて仕事をしているとしている。ポイントは次の4つ。

(1)休暇を計画する時期を、現在取り組んでいる仕事の性質(季節性)に合わせる
(2)休暇に出発する2週間前までにはチームで取り組んでいる重要な仕事の委任を済ませてレビューする
(3)休暇1週間前には「緊急でない仕事リスト」を作成する
(4)優先すべき事柄に集中するために、休暇に出る前日と休暇明けの1日は会議を入れず、電話も避ける

この4つを踏まえた休暇チェックリストを作ることで、休暇を取りやすくなり、休暇をとっても周りの影響は最小限にできるというわけだ。

休暇は必ず取ることを決めた上で、休暇を取る準備に時間をかけるという発想はとてもわかり易い。この発想のほうが日本人のメンタリティにあっている気がする。

デグルートは更に、ワークライフバランスは、スキルを高めることで実現できるとと説いている。希望が持てる話だ。そのポイントは次の3つ。

(1)職場のチームとの働き方を変える方法を学ぶ
(2)家庭と家族を優先させるために家族と計画を練る
(3)自分自身の考え方を変えること、すなわち変わることは可能だと心から信じるだけでなく、さまざまな方法を試し、そのことを言葉にして周囲に伝える

リストとしては非常にシンプルである。

(1)は、仕事についてだ。自分の仕事のやり方、働き方、もっと言えば仕事についての価値観そのものについて上司、同僚、部下ともっと話すということになるだろう。チームの理解と協力がなければ、自分の理想の働き方の実現はできない。

そしてこの(1)のプロセスの前に、自分の理想の働き方や、仕事についての価値観を自分でしっかり考える必要がある。それは最初は固まっていないかもしれないが、チームとの対話の中で強化されたり、あるいは、ある部分は不要と感じるかもしれない。

この職場でのコミュニケーションは比較的着手しやすいことになるだろう。

家族と計画を練るという(2)が実は取り組みをあまりしていない人が多いのではないだろうか。理想的な人生、家族との時間をどう過ごしたいか、というものは、意識しないとなかなか考える時間を持つことは難しい。

私も気持ちはあり、頭の中ではあるものの、それを妻や子どもたちと話すことは極めて稀である。だから、「お父さんは何を考えているかわからない」となりがちである。。。

これもある意味頭の中を棚卸しする意味で、生煮えでも構わないから、家族と「こんなことをやりたいんだ」というところから入っていってコミュニケーションを行って、ブラッシュアップしていくのが良いのだろう。

最後に(3)である。これは、(1)と(2)ができるのだ、ということをやりきれることを信じる。そのために、言葉と行動で示し続けるということになろう。言霊とはよく言ったもので、やはり言っていることがその人を形作るというのは、私も仕事でもそれ以外でも実感することが多い。継続は力なり、である。

子どもが成長し、会社のリーダーシップにおける自身のポジションも高まるなか、ロウは柔軟なスケジュールを保ち続けた。学校に子どもを迎えに行き、子どもが出てくるのを待っている間に電話会議を巧みにこなし、クライアントと家族双方のニーズに合わせて仕事時間を調整した。家庭内での優先事項を頭の中で明確にしたうえで、家族こそ仕事と家庭の両立の鍵を握るという認識のもと、常に家族ととことん話し合い、ともにプランを立てた。
「毎週座ってカレンダーに色づけしました。家族のイベントや活動は緑で記してね。仕事とぶつかった場合は、仕事をキャンセルするか、誰かに頼むか、日を改めるかしていました」とロウ。「人生には仕事より大切なものがあるのです」(ブーズ・アレン・ハミルトンのプリンシパル、ウィル・ロウ(59歳))
娘と一緒にヨガを習い、長時間労働の改善に取り組み、働きすぎの同僚に電話をして仕事を切り上げるよう説得し、DJのD-ソルとしてパフォーマンスを行い、ダンスミュージックのレコーディングに精を出す。(ゴールドマンサックスの新しいCEOデービッド・ソロモン)
1000億ドル規模の企業を率いつつ、午後6時までには帰宅して子どもと夕食をとる。(YouTubeのスーザン・ウォシッキー)

ハードワークのストーリーは世の中に溢れている。それ以外のストーリーが語られることは少ない。

生産性を極限まで高めて見事な結果を出している、ロウやソロモンやウォシッキーの話はほぼ語られない。語れなければそのようなことができることも知られない。

追記 2019/02/04 09:51

Twitterで「事業家として成功を収めるためには長時間労働が必要か/不要か」について投票を求めました。144票の解答をもらいまして、その結果が次の通り。

不要派が71%という結果になっています。

ちなみにFacebookでは、必要派が69%となっており、Twitterとは真逆の結果となっています。

Twitter世界とFacebook世界ではこう意見が違うんですねぇ。

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