成果につなげるリモート学習では他者理解が大切
INSEADのアニー・ペシュカムとジャンピエロ・ペトリグリエリによる記事。
リーダーは日々の対応に追われがちで、学習を後回しにする。今直面する危機において、その傾向は顕著である。
新しい技術や手法などに目を奪われる。改めて、学習方法について、今こそ認識していく必要がある。
人間の学習方法は大きく分けて2つある。
第一に、認知学習(cognitive learning)。情報を吸収し、処理し、応用することによってタスクを成し遂げる。もう一つは、社会性と情動の学習(socio-emotional learning)。自分と他者の経験を知るものである。
認知学習は、自然の世界を管理する方法を教え、社会性と情動の学習は、社会的な世界を管理する方法を教えるといえる。前者だけでは自己認識の上で自己改善していくだけにとどまり学習速度は遅く相手のことを理解できない。
ロジスティクスを整えても、部下たちがどう感じているかを気にかけないマネジャーは、堅実な計画を実施できないだろう。逆に、昔ながらの思い込みを大事にしすぎて、新しい情報を無視するチームも失敗するだろう。
危機のときは、社会性と情動の学習を怠ると、とりわけ危険な結果を招きかねない。孤独や不安といった社会情緒的な苦悩は、認知にダメージを与える場合があるからだ。だからこそリーダーと教員は、キャリアアップにおいても授業計画においても、後回しにされがちな懸念を最優先しなければならない。
個人の学習や、特にリモートにおいては個人の成果に目が行きやすい。リモートは個人の成果主義との相性は良いが、協働の結果生まれる成果が技術的制約によって可視化度合いが低くて相性が悪い。
リモートにおける学習は、他者理解を意識した上で行っていくことが、大切である。
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