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波打ち際から大海に思いを馳せる

先週末は久しぶりの美容院でした。

何の変哲もない地味なヘアースタイルのわりには、電車を乗り継いでちょっと遠くのサロンを利用しています。

美容院のケミカルな匂いが苦手なので、シャンプーやトリートメントがなるべく天然素材で、ヘアカラーも出来る限りケミカル成分を抑えた低刺激のものを使ってくれているお店なのです。

そんなお店なので、雑誌も自然派系で、いつもわたしの前にはリンネルやナチュリラとかの雑誌が2、3冊置かれます。

ところが、この日女性のお客さんが多かったからなのか、わたしの前に置かれたのは「BRUTUS」ではないですか。しかも「合本 危険な読書」とは!

ほんとはメンズ向けだったのかな。BRUTUS置いてもらったの初めてです。活字系雑誌、有り難や。しかも、この特集めっちゃ面白い!

凄く面白かったのに、担当さんとのお喋りが妙に弾んでしまい、途中までしか読めませんでした。で、帰宅するなりポチった次第。

わたし、わりと本は読む方かもしれないけど、この領域は未知だったわ、という本が満載で、しかも作家さんの本語りを読むとむくむくと興味が湧いてきてどの本も読みたくなってしまう。

危険な読書といっても、エログロばかりじゃなくて、精神的な危うさを伴うものであったり、読んだら人生観が変わってしまうものであったり、アンタッチャブルな世界を描いた作品だったりと様々です。

わたし、若い頃は刺激の強い作品が苦手で、危険な匂いのする作品は手に取ることもできなかったんです。心が乱されることを怖れながら本を選んでいたんですよね。
そう考えると、わたしは本当の読書の醍醐味を味わってこなかったのかもしれません。

この雑誌で紹介されている本の中でも、とりわけ海外の本については、その存在自体を知らないものばかりで、どんなに頑張っても世の中の本を読み尽くすことはできないのだと、思い知らされます。

大海を目の前に、波打ち際で戯れているようなわたしの読書なので、沢山の本を読んできた人のお話は、大航海から帰った人からのお土産話を聴くように、何やら心沸き立つものだなあと思うのでした。

わたしももう半世紀も生きてるのだから、もう少し冒険の幅を広げたいところ。

とりあえず、図書館に行ったら震える手でちょっと危険な本にも手を伸ばしてみよう、と企んでいます。ふふふ

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