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宿題のこと

友人にとても素敵な人がいて、その人の子育てにいつも感心させられています。お子さん達は、みんな賢く、生活力も高く、しかも優しくて、どう育てたらこうなるんだろうといつも興味津々の私です。

彼女の家では宿題のする/しないを完全に子どもに任せる、という方針だということを聞きました。
ご両親は宿題をあまり意味がないと考えていて、もちろん本人がやりたければそれに反対することもないし、本人がやりたくなければ無理やりやらせることもない、のだそうです。

お子さんのひとりは夏休みの宿題を殆どやらずに2学期に登校したこともあるみたいです。たまには先生に嫌味のひとつくらいは言われるみたいですが、そこまで揉めているようでもないので、ある程度家庭のポリシーを理解してもらっているのかもしれません。

先生自身はあの手この手で宿題をさせようと考えるらしく宿題しなかったら量が倍になる、という罰則を思いつき、何倍かになった時に仕方なくやってた、と友人は笑っていました。そんな風に先生との交渉も本人に完全に任せていて一見放任だけど、私が知る限りでダントツ一番の愛情たっぷりの素敵なご家族です。そこはご安心ください。

日本の公立の学校で、そういう思い切った子育てができる彼女を私は尊敬しています。

さらにそのお子さんがスゴイと思うのは、単に宿題をしないのではなく、宿題のする/しないをちゃんと選択していること。

自分に必要な宿題なのか、を選択することには責任がついてきます。
やらなかった場合は、その箇所の勉強が不十分になる可能性があるばかりか、恐らく先生に叱られたりもする、そこも加味したうえで、しない選択をすることもある、なかなかできないですよね。

ウチの子だったら、そんなことをいちいち考えるより宿題やった方が楽だからやる、先生に怒られるの嫌だし、と多分云うと思うんです。思考停止の規格品的な日本人メンタルですよね。あー、、

ちなみに我が家は、宿題のするしないを子に委ねるほどの勇気はないのですが、価値観の優先順位の一番が<命と健康>なので、宿題が終わらなくて睡眠時間を削る、というのは健康を害するためNGということになってます。

我が家においては、命より大切な宿題も、健康より大切な宿題も存在しません。

だからリミットは就寝時間です。それ以上宿題は次の日のパフォーマンスに響くのでやめなさいと非情に宣告します。そして、<終わらなければ、机の上に忘れたことにして、しれっと次の日持って行きなさい>と云っています。

私自身宿題はそれほど重要だと思っていないので、やれなくても構わないんだけど、夜中に宿題をさせないという態度を知って、子どもは<とりあえず宿題を済ましてから遊ぶ>という学校的には大変模範的な人間に育ってしまいました。夏休みの宿題も計画を立てて前倒しで片付けていきます。決してそういう効果を期待してたわけじゃなかったんだけど。

子どもは、今年の夏休みも大量の宿題をこなした夏だったようです。

本当は、もっと大切な経験ができる時間だったのではないか、といつも思います。

自由に空想する時間や、ぼっーとすることや、与えられた本ではなく好きな本を読む時間や、好きなことをして過ごす時間を、宿題は奪いすぎていないかな。

大人は子どもに何をしてもいい時間を与えることを怖れすぎなのでは。

ゲームやネットに時間を奪われないようにするために、と思うなら、まず大人自身がゲームやネットに時間を奪われない生活をするべきで、子どもにだけ部活や宿題で忙殺してそれを求めるのは何か違うと思うんですよね。

新学期に久々に早起きした子どもを送り出して、そんなことをつらつらと考えています。

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