見出し画像

イースターの墓守り

おはようございます。
またしてもしとしと雨。昨日の暑いほどの晴れとのギャップが際立つ。昨日は日中暑すぎて外にいたら日焼けしてしまうほどだったのに。

昨日なぜ外にいたかというと、毎年イースターの際に行っている教会墓地で最後の埋骨式以降に亡くなられた方の遺骨を埋骨するから。教会でイースターの礼拝を行った後、都内の墓地で墓前礼拝を行い、今年は8名の方々の遺骨を墓地の中にお納めした。

イースターとは

キリスト教ではとても大変重要なイベントで、クリスマスが皆さんご承知の通りイエス・キリストの誕生日を祝うもの。一方でイースターはというと、人の罪を被り十字架に磔にされ処刑されたイエス・キリストが3日のうちに復活した、いわゆる復活祭の日なのだ。クリスマスは12/25と決まっているのに対して、「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と決まっているので毎年日が異なる(来年は四月下旬らしいので一ヶ月ほども違う)。
因みにイエス・キリストが亡くなった後に生き返ったことで、英語では亡くなった
ことをHe has been dead(直訳すると彼は死んだ状態にある)という生き返る可能性を含んだ形で表現して大きな影響を与えている。
欧米のチョコレートブランドなどはこの時期にイースターエッグやイースターバニーといって卵や兎を模ったチョコレートを期間限定で販売する。卵は生命のはじまりの象徴であり、殻の中で時間を経て殻を割って生まれてくる様子がキリストの復活を表していることからシンボルとなっていて、教会では毎年子どもたちがゆで卵を作ってラッピングをして販売するのがお決まりになっている。また、うさぎは多産であることから、豊穣や繁栄のシンボルとされていることが元になっているそう。

教会墓地への埋葬

そんなイースターに、普段コンクリートで蓋をしている教会墓地を毎年この時期に開けて、過去半年に亡くなられた方々のご遺骨を埋葬する。お墓は階段で地下に降りていくと奥まで10mはあろうかという長い廊下の両サイドに7段ほどの棚があり、そこに100体ほどのご遺骨が安置されている。数日前に降った雨のせいで、中はかなり湿気ている。墓前礼拝に先立って、お墓の中の清掃とご遺骨の並びや今回の8名の方々のご遺骨を入れる場所の確認を行う。
同時に、墓前礼拝を行う上で、開けた墓地で広がって参加する参列者の方々に牧師の声が聞こえるようにスピーカーやマイク、聖歌隊が讃美歌を歌う伴奏のためのエレクトーンやそれを置く台、それらを動かす小型バッテリー、中が暗い墓地内を照らすために電気ランタン10個などをレンタカーを借りて教会から搬出、現地でそれらのセッティングも事前に行う。

14時からの墓前礼拝は聖書朗読や讃美歌を歌ったり牧師から説教があった後、最後に埋骨する。基本的に、地下に降りていく階段も少し急で中も暗いので慣れた人間が降りて場所にご遺骨をお納めした方が安全でスムーズ。しかし、これを担当している委員会(だけでなく教会全体にも言えることだけど)はご高齢の方が多く、僕が最も若い男手ということで、いつも一体一体ご遺族から地上でご遺骨を受け取り墓地内の所定の場所にお納めしていく。今回は珍しく3家族からご遺族自ら納骨されたいという希望があったのでその方々には事前に手順を説明をして、それ以外の5名分を所定の棚にお納めした。
8名分のご遺骨をお納めした後、入り口に簡単に蓋をして墓前に献花していく。今日埋骨した方々以外にも多くの教会員もこの墓地に遺族が眠っているのだ。この墓前礼拝では同じ教会員が埋骨されるのを見守りながら、自分の家族の眠る墓地でもあるこの教会墓地でイースターを祝いつつ亡くなった家族の花を手向ける。僕もこの墓地に父方の祖父母が眠っていて、だからこそ祖父母に会いに来る感覚で毎年来ている。さらに、生前お世話になった他の教会員の皆さんが眠っていらっしゃるので、委員としての役割ということを超えて、とても身近でとても気安くこのお墓に出入りしている。

こうして、献花をして流れ解散となるがこれが足掛け45分程度。ご遺族席にはテントが張られているものの、それ以外の多くは高い木の木陰に入られて日差しを避けられていたが、それでも全員が木陰に逃げられない。僕は埋骨のタイミング以外はずっと日向にいたので終わった頃には「焼けたね」と言われるほどだった。雨が振るよりもずっと良かったけど、立っているだけでも汗ばむ中で90歳を超えられる方々も含めご高齢の方々が多くいらっしゃったけれど誰一人気分が悪くなられたりせず無事に会を終えられて一安心。この後は会のセッティングを全て片付けて車に積み直して、教会でまた片付けという最後の大きな山場も乗り越えてヘロヘロになりながら、なんとかイースター墓前礼拝を終えることができた。

実はこれ全部エイプリルフールの嘘でした、という風に言えたらちょっとシャレているのかもしれないが本当の話。日中立ちっぱなしで荷物の積み下ろし、階段の上り下りなどなかなか疲労が抜けない朝だけど、久しぶりに東京での新たな1週間が始まるのでまずは週末まで乗り切りたい。



僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?