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金6:金の精製工程

おはようございます。
今日も気持ちの良い快晴。気温も高くて7時で19℃、街は静かでのんびりとした週末の始まり。

さて、昨日まで金の産地やその量に関して学んできたところで、今日は採掘された金がどのような工程を経て金の延棒になるのかを見ていきたい。この金の元となる鉱石から金属を取り出し、特殊な処理を施して最適な金属材料を作ることを冶金(やきん)という。

現在日本で唯一稼働している金山、菱刈鉱山で採掘された鉱石が金になるまでを具体的に見てみよう。

金の精錬・精製の流れ

鉱石は破砕され選別されて船で住友金属鉱山(株)東予工場(愛媛県西条市)へと運ばれる。この鉱石1トンには金約40グラムが含有されている。この鉱石には金以外の様々な成分も含まれており、いくつもの工程を経て各種金属が取り出される。銅の精製工程で純銅が取り出された後に、貴金属の精製工程を経て金地金が出来上がる。つまり、金を取る副産物として銅がある。同じ工程で取れるから『銅(金と同じ)』と書くのだろうかと疑ってしまう。そう思って調べてみると『金の副産物が銅』ではなく、むしろ逆で『銅の副産物として金』というから面白い。
金鉱石から金のみを取り出そうとするとコスト的にも技術的にも見合わない場合が多いため、多くの場合は含有量の多い金属の製錬と同時に行う場合が多く、現在は銅の製錬時の副産物から金が造られることが多いのだ。一体これはどういうことなのか、具体的に見ていこう。

銅の製錬・精製工程

1. 自溶炉

銅精鉱中の鉄分を分離除去するため、硅酸鉱(菱刈の鉱石)が加えられる。鉱石中の金・銀はマットに吸収され転炉工程へ。

2. 転炉

マットに硅酸鉱と酸素を加え、鉄と硫黄を取り除き、品位99%の粗銅にする。

3. 精製炉

この粗銅をさらに精製し、銅電解用アノード(陽極板)に仕上げる。金・銀はこの中に含まれている。

4. 銅電解

電気分解によってアノードは品位99.99%の電気銅となり、金・銀などその他の有価金属はスライム(沈殿物)となって貴金属の精製工程へ。

自溶炉、転炉を経て鉱石は粗銅にまで精錬され、さらにこの精製炉で銅品位99.2%まで精製される。計量樋で鋳型に流され、鋳造後銅アノードとして銅電解工程へ送られる。まだ赤く火照っている鋳造銅アノードは、剥取機で1枚ずつ剥がされる。

こうして、銅とそれ以外の貴金属が綺麗に分離されて初めて、ようやく金の精製工程へと移っていく。

貴金属の精製工程

5. 浸出

スライムを塩素ガスで浸出処理し、金を含む浸出液と銀を含む残留物に分離する。

6. 金抽出

浸出液から溶媒抽出法によって金を抽出する。

7. 金精製

さらに抽出された金を精製し、金粉末ができあがる。

8. 成形

金粉末はショット金やインゴットに加工され、商品として販売される。

参考にした菱刈金山で精錬されている金は99.999%(5N)以上という高品位の金が精製され、世界でも高品質の金地金であると認められている。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

総じてなかなか小難しそうだけど、要は熱や電気、触媒を加えて化学反応を起こさせて狙った素材を順々に反応・抽出して金を取り出す。その過程の手間が多くかかっていることがわかるし、それだけの価値があることも今までの学びでわかった。
そんな中で今日一番の、個人的な驚きは『銅の副産物として金』という位置付け。どっちが上とか下とかないんだけど、お互いにリンクしながらそれぞれの純度を高めていく感じが切磋琢磨し合っている感じで微笑ましい笑


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い週末を。

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