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FAT LAVA: Scheurich【ライフワーク】

おはようございます。
今日はこれから降るみたいだけど、昨日は真夏日が来たみたいな日差しの強い熱い一日でしたね。

いよいよ西ドイツ時代の陶器において、その代名詞とも言えるFAT LAVAの作品を多く作り、その名を世界に知らしめたファクトリーを1つずつ掘り下げていきます。

Scheurich(シューリッヒ)

数あるファクトリーから、今日ご紹介するのはScheurich。2回目にして早々にドイツ語圏らしいお名前が出てきました。
このScheurichは規模の大きさが故に作品数が多い。このお陰もありこのファクトリーが得意とした、赤から黄色に間で移りゆく発色の良い暖色や深いブルーといった色合いや陶器の生地自体の厚みを感じられるスタイルが「FAT LAVAと言えば」というような代名詞にもなっている、そんなメジャー級のファクトリー。

この辺が“いわゆる”な感じかな
深いブルーもとても綺麗

なんとなく「FAT LAVA」で検索すると、その中に必ず1つはScheurich入ってるよね、といった感じ。実際に今回振り返ってみたら、僕も一番多く持っているのがScheurichの作品だった。

ファクトリーの起源

1927 年、Alois Scheurich(アロイス シューリッヒ)は共同で「シューリッヒ アンド グルーリッヒ」(S&G)という名前の会社を設立。 S&G は低価格の焼き物やガラス製品を販売、おそらく工業化の走りで多く安く作り形で売上を伸ばせたんだと思う。結果 S&G の成功により、アロイスは 1954 年にドイツのほぼ中央、フランクフルトとニュルンベルクの間に位置する、バイエルン州のクラインホイバッハに独自の陶器工場を設立。
ドイツの敗戦から10年経ち復興を目指す中ここでもその商才は遺憾無く発揮され、国内製品だけでなく海外輸出にフォーカス。これによりScheurichはドイツの他のどの陶磁器会社よりも多くの輸出を行い、1950年代から1980年代にかけてドイツ最大の陶磁器メーカーの 1 つとなる。
"Europline" 「ヨーロッパライン」や"foreign"「外国」と刻印された一部のラインは海外市場向けに特別に製造され、いくつかの型や釉薬の分布から特定の国向けに製造された作品があることもわかっている。これはエリア毎にその場所にあった製品を展開するマーケティングを極めて当たり前のように行っていたことと同時に、彼らの幅広いデザイン性、釉薬とその製造技術のバリエーションがあり、それを可能にしたことを示している。
デザイナーのHeinz Siery(ハインツ・シーリー)は設立当初からScheurichの様々なスタイルを生み出した。

尖った取手も特徴、繊細な色合いもイケます

現存する数少ないファクトリー

昨日見たRuschaの様に廃業になっているファクトリーも多い中、Scheurichは今尚現存している。

https://www.scheurich.de/en/

ただ、それを知ってホームページを見た時の衝撃ったらない。
なぜなら、そこには今まで見てきた個性が全く見当たらず、コマーシャルな商品しか置かれていないから。
470人の従業員を抱え、最大13万個の商品を製造して80か国で展開する企業。ドイツの企業らしく環境対策はバッチリでISO含めいくつも認証されている素晴らしい企業だとは思うんだけど…。正直こちらが勝手に期待値を高めまくって見に行っただけなんだけど、昔好きだったヒーローの最近を見たら普通のおじさんになってた、みたいな残念さというのが否めない。West German Art Potteryの栄枯盛衰の顛末を見た気がして、ここに至る経緯もとても興味深い。

作品だけでなくその作られた背景もセットで知る事はやはり面白いな、と。
結果的に、皆さんにも興味を持ってもらえたらこれ幸い。

僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い一日を。

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