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地元開拓旅行【築地編】

雨が続いた週もあったのにまだ梅雨入りしていなかったことを知って驚いた週末。

旅って、遠出だけ?

先々週から『旅行に行きたい』と悶々と海外の街に想いを馳せていたけれど、旅の醍醐味が“普段知らない街に行って未知と出会う楽しみ”だとすれば、地元でも知らないことを見つけられればその半分は叶えられるんじゃないか。むしろ地元の魅力をより深く知れればいつもの生活がより充実して楽しめるんじゃないか。そう思う様になって早速地元を掘り下げてみる事にした。

地元をもっと掘り下げよう!

今更ですが、僕は築地に住んでいます。なので築地を魅力的なポイントを見つけて自分も楽しみながら築地を訪れる方々にも役に立つ情報がシェアできればと思います。

初回の今日は、市場が無くなった今となっては唯一無二、孤高の築地のランドマーク、築地本願寺。

築地本願寺

アクセス:
日比谷線の築地駅の1番出口(上野方面からお越しの際は1番前、中目黒方面からだと1番後ろの改札を出て上がる2番出口でもOK)から直結。
場外市場に行くにしても見過ごしては通れない絶対的な存在感。絶対気付きます笑

襟を正しつつ、まずは正面へ。正門を通れば大きく抜けた空間にいわゆる『お寺』とは大きく異なる、威風堂々とした御堂の雰囲気に初めてご覧になる方はそれこそ異国感を楽しめるんじゃないかな。

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基本情報:
宗祖は親鸞、宗派は浄土真宗本願寺派のお寺。本山は京都市下京区にある西本願寺として知られる龍谷山本願寺。御本尊は立ち姿の阿弥陀如来像。

歴史:
元々は日光東照宮も創建された1617年(元和3年、2代将軍徳川秀忠)に浅草近くに創建されましたが、1657年(明暦3年、4代将軍家綱)の江戸城も焼失した明暦の大火で本願寺も焼失。その際に幕府に再建のために与えられた土地が現在の場所、しかし当時はまだ海の中でした。海を埋め立てて土『地』を『築』いたことが『築地』の地名の由来にもなったとか。まさに築地を語る上ではまず最初に語られるべき場所、と言えますね。(自画自賛笑)
1923年(大正12年)9月1日の関東大震災で再度本堂を焼失しましたが、1934年(昭和9年)に再建されて、今の形になりました。

建築:
現在の本堂は、東京帝国大学(現在の東京大学)名誉教授で建築史家の伊東忠太の設計によるもの。伊藤忠太は法隆寺の柱の膨らみに注目し、ギリシャ建築の伝搬ルートをたどるアジアを辿る旅に出た。またこれと時を同じくして仏教ルートを辿るためにシルクロードを旅した浄土真宗本願寺派代22世法主、大谷光瑞と出会ったことで古代インド・アジア仏教建築が作られた。
そもそもの違和感は本来お寺は木造が当たり前で、僕らが知っている有名なお寺でこの本願寺同様鉄筋コンクリートなのは浅草の浅草寺くらい。(しかし浅草寺も中国式の木造建築風に仕上げられたので誰もコンクリートだと思わない。)

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違和感が目立つ築地本願寺でも、お寺らしく手水舎が当たり前の様にある。

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御堂の階段を登るとそこにあるのは、神殿にあるような柱と蓮のステンドグラスを上部に備えたエキゾチックな四角格子の扉。

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その横にはインドを感じさせる牛やこの後ろには獅子や馬など、ブッダが最後の場所を過ごした修行の場にいた動物達を彷彿とさせる。

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内側は少し甘いスッキリしたお香の香りが立ち込める。コンクリートの近代建築の奥に、本尊が鎮座(こちらの御本尊は立ってらっしゃるけど)される本堂?があります。ここもこれまたいわゆるお寺にはない違和感が溢れた空間なのでぜひとも訪れて違和感を感じてもらいたいところ。

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本堂の外には隣接する形でギフトショップや関連書籍を販売するブックセンターと共に築地本願寺カフェが。お寺に付随する観光客目当てのカフェと思って侮る事なかれ。この『Tumugi』さんは東京・大阪でいくつも店舗を展開するカフェでここでは通常のメニューに加えて、築地本願寺限定の「18品の朝ごはん」を提供。阿弥陀如来四十八願の根本の願「第18願」が“本願”であることにちなんだ18品目を、築地の名店の味も織り交ぜて堪能できる。ただし、こちらは朝ごはんとしての提供なので、築地巡りや20分ほど歩けばいける銀座にお出かけの前に寄るのもオススメ。
参考:Enjoy Tokyo

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これからの季節、晴れたらテラス席でお茶をいただくだけでも満喫できるカフェなのでおすすめです。

このカフェに加えて、さらにご紹介したい革新的な取り組みがテクノ法要だ。字面で見て違和感しかないだろうが、文字通り『テクノ』で『法要』なのだ。過去にも何度か様々な場所をベースに展開されているが今回は築地本願寺をベースとして行われた。電子音の音色にお経が乗り、普段テクノが苦手な僕でも聞いていて心落ち着くなんとも不思議な音色が映像と共に流れる。ぜひ心を無にして心を休ませたい時に聞いてみてほしい。

超テクノ法要×向源
過去のテクノ法要(Youtube)

その他コンテンツ参照:
築地本願寺ホームページ
近代建築の楽しみ

思わぬ思いつきで始めた、地元を掘り下げるこの企画。初回から(日本でも有数の宗教施設ということはもちろんあるけど)知れば知るほど面白いことばかり。今後もぜひ続けて行きたい。

皆さんの、明日から始まる一週間が、好奇心を持って住んでいる街で新たな発見をして、いつもの日常がより楽しめるものになります様に。


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