5月に観た映画まとめ / 映画の見方を変えてみる月

忙しい忙しいと言いながら今月は34本の映画を観ました。今月から新しいサブスクにも加入してますます捗る映画生活ですが、来月からはもっと忙しいと思うと（映画が見れなくて）悲しいです…

・以下観た映画リスト（個人的によかったものは太字）

・バスキア、10代最後の時　・ジョンウィック２　・抱きたいカンケイ　・スパイダーマン：ホームカミング　・マイ・マザー　・鳥　・次の朝は他人　・ザ・スクエア　・グザヴィエドラン　バウンドトゥインポッシブル　・ミスト　・花様年華　・とっくんでカンペキ　・ロングショット　・第三の男　・インファナル・アフェア　・プールサイドの初恋　・理由なき反抗　・男と女の不都合な真実　・レザボアドッグス　・ミスレプリゼンテーション　・マイ・ブラザー　・エンドオブウォッチ　・海辺のポーリーヌ　・飛行士の妻　・サンセット大通り　・フラワーズオブシャンハイ　・ハーフオブイット：面白いのはこれから　・満月の夜　・歩みつつ垣間見た美しい時の数々　・憂鬱な楽園　・インファナルアフェア３　・サウスポー　・東京物語　・二人のローマ教皇　・マイブルーベリーナイツ　・グランドマスタ

まず、なぜか見てしまうジェイク・ジレンホール作品は今月で23/35本観たことになりました。（マイブラザー、エンドオブウォッチ、サウスポー)　姿勢から瞬きに至るまで役作りには慎重なジェイクであるはずが、ちょっとしたコメディとかだとどんなにナヨナヨした役でも体はムキムキのままで出てくる謎のミスマッチが生まれる場合があるのでクセになります。

さて、普段特に何も考えずに気分で映画を選びますが、なんとなく今月は「めちゃくちゃ心惹かれた映画」みたいなものに出会い、見る映画がそれに強く影響されたような気がします。

ウォン・カーウァイの「花様年華（2000）」は私史上ダントツ最高の映画で、色彩、音楽、キャスト、ストーリー、カメラワーク、その強弱・抑揚も全部がドンピシャタイプでした。いまでもじっくり考察を進めていますが、本当に奥が深い。かなり心を掴まれたのと同時に今までノーマークだったアジアの作品へと興味が湧き、この作品をきっかけに今月から香港映画をじっくり見始めました。五月は特にウォン・カーウァイとホウ・シャオシェン（憂鬱な楽園、フラワーズオブシャンハイ）を中心に観進めていましたが、やっぱり彼らの独特なカメラワークと時間表現は魅力的で、ウォン・カーウァイは（たとえそれが全うな恋愛映画だとしても）「サスペンス」、ホウ・シャオシェンは「窓」的な映画だなと勝手に結論付けています。（来月また分析します）

あとは映画の構成や時間軸みたいなものに興味をもっていたので、フィルムノワールにおいて画期的だった「サンセット大通り」やタランティーノ独特のパラレルな世界「ㇾザボア・ドッグス」、何度も同じ場面を繰り返す「次の朝は他人」などを意識して観ていました。サスペンスにおける時間の扱い方は確かにミスリードにつながったり劇的な演出として納得がいくのですが、ホン・サンスのなんでもない一日を何度も繰り返す独特の世界観は特にその観点でいえば印象的でした。

それから、今月は「ザ・シネマ」に加入したのでやっとこさロメール作品を観ることができました。ファッションが魅力的なことは見る前から知っていたのでたまに参考にする時がありますが、なかなか見るに至らず。先日のホン・サンスの記事を書くにあたってみなければならないな～ということで急遽加入しましたが見事にはまって、少しずつですが観進めています。

ロメール作品は、私にとってはその色彩と空間の描写が印象的で、ヌーヴェルヴァーグらしいある意味単調なストーリーラインも好きです。「満月の夜」にでてくるプラスチックバッグは私も偶然持っていて、普段インテリアにしていましたが映画内でたくさん出てくるので私も使い始めました。（全然入らないけど）
「飛行士の妻」ではラコステの"紺"のポロシャツがあんなに可愛いものだと初めて知ったし、「海辺のポーリーヌ」では焦げた肌と飾り気のない顔が可愛くて、とにかく「こうなりたい」が詰まった映画でした。

現在自分のゼミ発表用にいくつかの映画を空間のスケールごとに分類してカメラの位置やカメラワーク自身についてリサーチをしているところですが、今月観た映画がかなり空間に対して意識的なものが多かったので、そういえばあれも、となることが増えました。

映画についての主題の分析から編集の技術書まで、趣味で軽く読んでいたものがだんだんとつながってきてますます映画が好きになった5月でした。

本当はお勧めの10作品を今月も並べる予定でしたが、なかなかまとめる時間が取れず没になったイラストを最後に乗せて終わりにします。