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『光る君へ』第23話を観て・・・ ※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。
本日は『光る君へ』第23話を視聴しての感想です。
タイトルは「雪の舞う頃」でした。
初雪に歌を詠むまひろに、雪を見てまひろを思い出す道長。
一瞬ですが印象的な場面でした。


 公正な為時パパ

まさかの日本人だった周明(松下洸平さん)。
真犯人を目撃した証人をばっちりと突き出し、事件は無事解決です。
殺人ではなく事故でしたね。
しかもあの通事、いい人そうな顔をして多額の賂を要求していたとは、なんともはや・・・。
悪いことはできませんね。
そもそも越前武生の商人が宋との交易を目論んでのこととは。
朝廷では大宰府にての交易しか認めない姿勢ですので、越前で勝手に商売が始まってしまったら具合が悪いので、為時パパ(岸谷五郎さん)を国司に任命したわけです。
為時は、越前の土着の役人のトップである源光雅(玉置孝匡さん)が交易によって私腹を肥やすべく、宋人商団の朱氏に罪をなすりつけたのかと断罪。
しかしもっと曲者かと思いきや、意外にも愛国心の強い御仁でした。
(そのいかつい風貌から勝手に悪い人だと思っていてゴメンナサイ)
たしかに宋と直接朝廷が交易をしようものならば事情をよく把握していないためにやりこめられてしまう可能性があります。
それを越前でコントロールしようと考えて朱氏の動きを封じようとしたのでした。
為時パパは双方の言い分を聞いて、犯人に事情聴取し、公平な裁きを下しました。光雅も素直に処分に従ったので、ひと波超えて落ち着いた、というところでしょうか。
今回はまひろが言葉を教えてもらうということで周明とぐっと距離が縮んだ感じでしたが、周明はまひろが左大臣・道長の女であると看破し、自分の野望の為になんとか利用しようという腹黒い一面が見られました。
 ⇒この展開は次回に続く
ふと不思議に感じたのは、為時パパが宋人である周明とまひろが結婚してもいいぞ、的なニュアンスを漂わせたところ。この時代ですし、普通だったら「外国人などイカン!」
というのが当たり前かと・・・。
さすが若かりし日に宋に渡ろうと試みた人ですね。
岸谷五郎さんでなければ穏やかで、実は頭脳明晰でグローバルワイドな為時役は務まらないなぁ、と感心した回でした。

 定子さま、祝・ご出産

無事に姫宮をご出産された定子(高畑充希さん)さま。
おめでとうございます♡
史実では知っておりましたけれど、ドラマをずっと観てきたので感慨もひとしお・・・。
一条天皇(塩野瑛久さん)はどうしても定子に逢いたくて仕方がありません。
心優しい藤原行成(渡辺大知さん)を懐柔しようとあの手、この手ですね。
(来週はとうとう忍んでしまうみたいですが)
道長が帝の賢しさにやられるなよ、と入れ知恵するのも、F4さながらに親しんできた故ですね。
藤原行成はその手蹟が美しく、三蹟の一人として数えられており、(他に小野道風、藤原佐理)しみじみと一条天皇が定子が好んだ歌を披露するのは憎い演出でした。まるで自分の心情を表すように行成に訴えるわけです。

 夢路にもつゆやおくらむよもすがら
     かよへる袖のひちてかわかぬ
 /紀貫之
(夢の中であなたに会いにゆく道にも露は下りるのだろうか。私の袖が濡れて乾かないことよ)
平安時代では夜になって気温が下がり、植物に露が結ばれるのを水の恵みと考えておりました。そうして文様化されたのがまさに「露芝」ですが、貴族たちが夜に女性に遭いに行く際に庭先でそうした露に袖が濡れることがよくあったのです。
涙を流して袖で拭う為に「袖が濡れる」とは=泣いていたと表されるわけで、実はこの歌は紀貫之が幼い娘を亡くした際に詠まれた歌です。
夢で娘に会いに行くのに実際に夜露が下りたかのように私の袖は涙で乾くことがない、という歌でした。

行成は一条天皇の信頼を得て、道長の為に尽くしてゆきます。
一条天皇の御世では史上稀にみる二后(二人の中宮)という体制がとられます。それは還俗したとはいえ、中宮定子は出家し、皇太后である栓子も出家しているので、神事を司る正后が不在ゆえ、道長の意を汲んだ行成がお主上を説得して彰子立后の為に働いたのでした。

 まひろと宣孝

とうとう越前にて宣孝がまひろにプロポーズ。
道長との恋愛という脚色のインパクトが強すぎて、史実通りにまひろが宣孝と結婚する運びになりますが、違和感は否めませんね。
もしも宣孝がまひろの初恋の相手とか、そういう演出であったならばこの結婚もすんなり受け入れられるような・・・。
強引に史実へ引き戻した感満載です。

それにしても、「都へ戻ってこい。わしの妻になれ」といった宣孝のセリフの後にコミカルなBGMが・・・。
この大河ドラマ、時折耳につくなぁ、と感じておりました。
エレキギターだったり、パイプオルガンが流れた時には
「???」
と首を傾げてしまいました。
私の感覚が古いのでしょうか・・・。
普通に琴とかでいいんじゃないかな?
と、思ってしまいます。
私は源氏物語を書いている時にあまり「音」は意識しないほうなのですが、風の音や虫の声など情景に関してはこと細かに想像します。
それを文字にして伝えようと考えているので然るべきですね。
しかしBGMや効果音などは考えてもいなかったので、『光る君へ』の音にはちょっと敏感になってしまいます。

ともあれ来週はまひろ結婚か???
では、また来週☆



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