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『光る君へ』第28話を観て・・・※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。
『令和源氏物語 宇治の恋華 第二百六話』は明日掲載させていただきます。


 賢子誕生

道長(柄本さん)との子を産んだまひろ(吉高さん)は、夫の宣孝(佐々木蔵之介さん)の庇護の元で順調に子供を育てております。
灰を浴びせるようなあの気の強さから一転、宣孝の子ではないという負い目もあってか、しおらしく慎ましく振る舞っておりますね。
しかし子供に『蒙求(もうぎゅう)』をそらんじるところは相変わらずです。『蒙求』はたしか第一話でも登場したと思いますが、漢書の入門書のようなものといったらわかりやすいでしょうか。
故実や逸話などを韻文で並べたものです。
賢子(かたこ)と名付けられた紫式部の娘は後に母と同じく彰子に仕え、大弐三位と呼ばれ後冷泉天皇の乳母にまで出世する人物です。
母の紫式部とは違い、夫を何人か持った華やかな恋愛遍歴をもつ女性ですが、歌人として名をはせますね。
道長の娘という大胆?無謀?な設定はこれからどう影響してくるのか謎ですが、よく考えてみれば血筋上彰子は姉になるのですから、複雑です。
いつか道長に「娘の父親はあなたよ」なんて告げる時がくるのでしょうか?
もっとも愛するまひろとの子供ですので、喜ぶに違いありません。
紫式部と宣孝との結婚生活は3年ほど。
史実では宣孝は病で世を去ってしまいます。
紫式部は源氏物語を書き、それが話題となって彰子の女房として後宮に招聘されることになるのですが、来週はどうやら源氏物語執筆に至るモヨウ。。。

 

 一帝二后

史上類をみない一帝二后という体制は、道長の権勢を堅固にするものでありましたが、安倍晴明(ユースケさん)の示唆によるもの、とドラマでは描かれております。
一条天皇(塩野瑛久さん)は相変わらずウダウダと定子を離そうとしません。史実でもここで活躍するのが三蹟の一人である藤原行成(渡辺大知さん)ですね。蔵人頭として帝の近くにお仕えして、控えめでありながら相談役のように政務を支えるのです。
今回はとうとう強い言葉で帝を諌めましたね。
定子は帝の意に背いて勝手に出家してしまったので、もはや中宮としての務めは果たせません。本来ならば中宮が司る神事をないがしろにしていたもので、二后という進言がでたわけです。
繰り返し書きますが、天変地異は帝の不徳の致すところですから、その神への不敬を行成は陳情しました。
参議ではすんなり彰子立后が通り、あのボヤキの実資(ロバート秋山さん)もおとなしく従いました。やはり異常な事態であったということでしょう。

 道長の病

今回道長は体調が悪く、危篤の状態にまで陥りました。
史実にも道長はあまり丈夫ではなかったことが記されており 、後生は糖尿病に煩わされたそうです。
さてさて、今回の見どころは、やはりあちらに逝きそうになった道長の命をとどめたのはまひろ、ということでしょうか。
恋愛ドラマらしい手法です。
明子(瀧内公美さん)の邸で倒れた道長はそのままそこで看病されましたが、正妻の倫子(黒木華さん)との穏やかながらバチバチした悋気がちょっとゾッとしました。
気になる所は目覚めた道長が「まひろ・・・」と呟いたのを明子が聞いていたのではあるまいか、というところ。
呪詛するような恐ろしい女ですから、存在が明らかになったら呪われちゃうよ、とツッコミたくなりますね。呪詛といえば伊周(三浦翔平さん)が必死に道長を呪っていたのがイタイですね~。
ともあれ道長なんとか生き延びました。

 定子逝く

とうとう定子が亡くなりました。
このドラマでは定子(高畑充希さん)と清少納言(ウイカさん)の関係が細かく描かれ、世間の評価も高いですね。
紫式部のお話ではありますが、やはりこの方々が登場することでドラマに深みが加わります。
ドラマ放送後の解説で定子が土葬されたことが解説されておりましたが、これは定子の辞世の句ともされた歌によります。

 煙とも雲ともならぬ身なりとも
   草葉の露をそれと眺めよ

(火葬によって煙にも雲にもならぬ私ですが、草葉の陰に葬られたならば、草におく露を私だと思って偲んでください)『栄花物語』より。

定子の一生は激しく一条天皇に愛されましたが、彼女は幸せだったのでしょうか?といつも考えてしまいます。
三人の子を産み、力尽きた姿に平安女性の辛いところに思いを馳せずにはいられないのです。
それは身分の高い尊い中宮であってもです。

来週はとうとう源氏物語の執筆が始まるようです。
有名なあの冒頭が如何にして生まれたものか。
そういったところが描かれると見応えがあるでしょう。
期待しております。

では、また来週☆


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