紫がたり 令和源氏物語 第二百二話 少女(十一)
少女(十一)
藤壺の女院の喪が明けて、前年には取りやめになっていた五節舞の奉納が行われることになりました。
これは新嘗祭といって、いわゆる収穫祭です。
その祭りの最後に神様への感謝のしるしとして舞を奉納する、一種の神事と考えてくださると理解がしやすいでしょう。
豊かな恵みを天に感謝して四、五人の姫たちによって舞が奉納されるのです。
公卿から二人、受領・殿上人から二、三人の舞姫が出されるのですが、平安時代中期以降貴族の姫は顔をさらすことをはしたないとされていましたので、家