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サクラと初恋 3話

今日はお正月です。

サクラは親戚の子供達と、元気いっぱい遊んでいます。

子供達は、いつもと変わらない種類の遊びをしていますが、やっぱりお正月っていうだけで、みんなテンションが上がっています。

大人たちは宴会をはじめました。

子供達も、いったん遊びをやめて、宴会に加わりました。

みんなジュースを飲んで少し酔っ払ってます。

いつもより、しゃべる声も笑う声も、大きな声になっています。大人に負けてません。


「サクラは大人になったらおじさんの嫁さんになるんだもんな!」

ケンスケおじさんが、酔っぱらいの席から子供席のサクラに向かって言いました。

大人たちは笑いますが、
子供達はビミョーな反応です。

サクラに注目が集まりました。

「オヤジはやだ」

と、サクラが言うと、
子供達も大人も大笑いしました🎵

ちょっといい気分です。


「なんだよ~」と言いながら、おじさんも嬉しそうです。

それから、女の子1人1人に「嫁さんになるんだもんな?」「嫁さんになってくれるんだろ?」

と言い続けて、受け入れてくれたのは、

サクラの1番下の妹だけでした。

サクラは妹が2人います。

2つ下の妹はまだ3才です。子供達の流れを見て、
ちゃんとおじさんに「いや!」

って言っていました。

1番下の妹は、まだ赤ちゃんです。笑顔でおじさんに答えました。

おじさんが話しかけるたびに、笑いながら「アウアウ」言っておじさんに話しかけます。

なので、おじさんの嫁になるのは1番下の妹に決まりました🎵



「私は颯太のお嫁さんになりたい」

と、サクラは心の中で思いました。


2つ下の妹は、親戚の優しいお姉ちゃんが好きなので、そっちにベッタリです。


サクラは颯太の隣にしっかり座っています。

この席は誰にも譲りません。

距離が近すぎて、恥ずかしいのであまり顔が見れませんが、

みんなすごく騒いでいるので、他の誰の視線も気になりません。

お正月の雰囲気と、炭酸ジュースを飲んで酔っ払ったついでに、

サクラは気持ちが押さえられなくなってきました。


宴会のザワザワした中で、

サクラと颯太二人だけの世界にいるような気持ちになってきました。

サクラは、颯太の右側に座っています。


体が自然と動き、

颯太の耳元で内緒話をする感じになりました。

両手で颯太の耳をおおい、筒のようにします。

サクラの口元は隠れているので安心です。


「すき」


って言いました。

宴会のザワザワは続いています。

オッケーどうやら誰も気づいていない様子、、、。

まだ耳に手を添えたままです。

サクラは上手く伝えれたことに安心しました

が、

その時気づきました、、、


颯太の反応は!?


、、、告白したあとの事を考えていませんでした。

うっかりしてました、、、。

気持ちが酔っぱらった勢いで言ってしまいました、、、。



まだ、耳に添えた手は残っています。

颯太の顔をのぞくと、ちょっと赤くになっているように見えました。


よし😁

サクラは自信を持ってもう一度、

「すき」


と、攻撃しました。

そして耳に手を添えたまま、もういちど颯太の顔を覗きます。

やっぱり少し赤くて、サクラの顔を見れずにいます。

楽しくなってきました、、、。次は、

「だいすき」

と言ってみました。


すると、颯太は動きました。

コップ持って立ち上がり、炭酸のジュースをついで、向こうでイッキ飲みしています。

そして、もとのポジションに戻ってきました。

戻ってきたので、またサクラに

「すき」

と言われます。

颯太も楽しくなってきたようです。

「すき」

っていうセリフを、満足そうな顔で聞いています。

サクラは、

そろそろお返事を、、、

と思い、

自分の左耳に両手を添えて筒のようにして、ケースケを見ました。

颯太は、そんなサクラに気づいていましたが、気づかないふりをします。

サクラは、ジェスチャーで、
「どうぞあなたの番ですよ」

と伝えました。

賑やかな宴会の雑音の中で、

二人にしかわからない会話が続きます。

ようやく動いてくれました。

颯太が耳の近くに来るだけで、サクラはドキドキ、、、

自然と体が小さく縮こまります。

颯太は何て言うかな、、、?

「オレも」

っていうかな?

それとも、

「好きだ!」

っていうかな

「結婚しよう」

言ったら、、、

颯太がサクラの耳元で話すまでの2秒程しかない間、サクラの妄想は止まりませんでした。

とうとうそのときが来ました!



「あーーーーーーー😁」

颯太は耳元で言いました。

楽しそうな颯太に、サクラは、

「違う!もう一回!」

と言いました。

颯太は
「うーーーーーー😁」

と言いました。

「違う違う!」

さゆりの反応が楽しくて、颯太はふざけ続けます。


次は耳元で
「フーーーーーーッ」と息を吹きました。

「うわぁぁああ😵💗」

サクラは、颯太の攻撃に負けました。

颯太は笑っています。

負けて、いじけた顔でジュースを飲み始めたサクラに、

颯太は、

サクラにしか聞こえない声で、

「オレも、、、」

と言いました。


サクラはドキっとして颯太の顔を見ましたが、

すぐに、自分のジュースに視線を戻しました。

恥ずかしくて顔が見られません。



颯太は席を立ち、遊んでいる子供達に混ざりました。

サクラも少ししてから、そこに混ざりました。

サクラは何かちょっとしおらしいような、女の子らしい感じの気分になっています。

今までみたく、率先して颯太の隣に行けません。

意識してしまいます。

まだ小さい子供だから、そんなの気にしなくていいのは、サクラにはわかっていますが、

さっきの耳のフーーーーッてされたのが刺激的すぎて、、、

近くに寄れませんでした。

もう一度されたいような、

されたくないような、、

「オレも」

って言った、

あのシーンを頭の中でリピートしていました。

そんなことをしているうちに、かくれんぼは始まっていました。

いつもは颯太と一緒に隠れますが、

なんとなく、1人で近くのカーテンの中に入ってぐるぐる回って、

サクラは完璧なカーテンになりました。

すると、回った方向と反対にサクラを誰かが回しました。

誰かカーテンに入ってきました。

颯太です!

今までは平気でしたが、
こんな密着して、狭い空間にいると、呼吸するのが難しい、、、

サクラは5才なのに、

全身のしびれを感じながら、颯太を見ました。


「カーテンも好きなんだな」


颯太が、小さい声でどうでもいいことを言います。

サクラは、颯太と手をつないで、だまって隠れていました。

だってかくれんぼだから、、、

私は小さい子だから、、、手をつないでもいいのだ🎵

サクラはカーテンの中で颯太を見上げます。

颯太はにっこりしました。

サクラは、幸せでした😊


私たち、付き合ってるみたい


って思いました💗

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