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エンジニア職で就活する女子学生時代の自分に教えておきたかったこと5選+α

こちらは TECHPLAY女子部 Advent Calendar 2019 の12/14分の記事になります。

こんにちは、そろそろ学生時代が終わって丸6年目が経過しそうなエンジニアのyukariです。

去年末を持って転職したこともあり、今になって学生時代の就活を振り返ると「あれはこうしとけばよかったなー」と総括できるようになってきました。
今回はそんな自分のしくじり話を主にエンジニアを目指して就活している後輩女子学生向けにお伝えして、他山の石にしてもらえればと思っております。

(注:就活の進め方やIT業界の構造解説など、一般的な就活全体の取り組み方についてはすっ飛ばしているのでご了承ください。ちょうど今回のアドベントカレンダーにakinaさんの神丁寧なキャリア選択アドバイスの記事があるのでさぁみんなダッシュでそれを見に行くんだ)

1.就活は失敗していい

職務経験が豊富な、ある男性エンジニアさんがこう言ってました。

「慎重に何十社も調査して転職先を選んだけど、それでも失敗したと思ったからすぐにまた転職したよ」

社会のことをよく知ってて、業界のマイノリティではない中途転職者ですら転職に失敗しないなんてことはないんです。
ただの学生がひたすら頭を絞ったところで、絶対に成功する就活なんかできるわけがありませぬ。

そして別に今は新卒で入った会社で人生が決まるなんてことは全くありません。昔は新卒生え抜き至上主義なイメージのあった銀行業界ですら、ITからの転職組若社長が誕生してます。

就活に失敗しても第二新卒枠で入って経験積めるところを探してまた転職すれば良いのです。
まずは「今の就活を絶対成功させなければならない」という思い込みを捨てて肩の力を抜きましょう。

以上、就活中は抗うつ剤が手放せなかった人間より。

2.競争激しそうな大企業有名企業を最初から避けない

就活における大企業有名企業なんか、あからさまに競争倍率激しすぎて自分なんかにゃ無理かなーと思って、最初から応募を諦めてしまうかもしれません。時間も体力も限られてるしね。

しかし自分の実力を男性は過大評価女性は過小評価している傾向があるのは、ジェンダー格差研究の世界では有名な話です。

つまり何が起こるかというと
「有力企業に応募して受かるような男性が、必ずしも自分と大きく実力差があるわけじゃなかった」
「こちらが受からなかったのは最初から応募自体しなかったせい」
というパターンが山ほどありえるわけで。

勿論やみくもにたくさんの企業に当たっても砕けるだけなので、一定の企業研究と応募企業の絞り込みは必要ですが、だからといって無意識に名だたる企業への応募を避けるのはダメ、ゼッタイ。

3.英語をちょっとでも喋れるようになっておく

一般的なテック系ニュースに、たまーに出てくる業界女性の姿を見てて、あるときふと気付いたんですね。

「あれ、ニュースに出てくるような一定レベル以上の役職に就いてる女性って、かなりの割合で外資系の人か英語バリバリできる人ばかりでは・・・?」

もろもろの材料を整理すると、女性エンジニアこそ英語を絶対にやっといたほうがいいと思う理由は2つあります。

・外資系のほうが女性の働きやすい環境を整える取り組みが進んでる。
→外資系に就職するならたいてい英語が必要。

・同質性を好む日本の組織では、「男性と実力が同じ」だけの場合、組織にとって異質な女性より同質な男性が優遇される場合があり得る。
→重要ながらも日本人の多くが苦な英語をできていると、手っ取り早く周囲との実力差を示しやすい。ある意味ただのブルーオーシャン戦略。

ゆえに今すぐ外資系を目指すつもりがなくとも、コツコツとちょっとでもビジネスで使えるような英語を話せるよう、普段から勉強を続けておきましょう。
え?英語学習が続かない?さあ今すぐぱんさんのnoteを読んでみんチャレ始めるんだ。

以上、就活中に某外資系の最大手じゃないけどそこそこ大きい企業からのエージェントスカウトがあったにも関わらず、英語ができないしとかぐるぐる考えて最初から応募自体お断りしてしまった人間より。

4.男性の「職場の雰囲気や人間関係がいい」は信用するな

構成員の大半を比較的年齢層の若い男性が占めるこの業界の場合、彼らにより職場の雰囲気や人間関係への評価はだいたい信用しちゃいけません。

なぜかというと、彼らのいうその雰囲気とか人間関係とかは、「彼らにとっては天国」でも「こちらにとっては地獄」ってパターンがひっじょーにあちこちに転がってるからです。
男性向けの漫画やゲームやアイドルの話題が部署内で共通言語化してて、その話題に興味ない人間は意図せずともハブられ状態とかね。

学生さんであれば可能ならインターンを活用して、自分自身の目でこの点はリサーチしましょう。

以上、大学生時代の男子学生の集まりで男性向けの話題についていけなくてハブられたけど社会人ならそんなことないっしょと思ってたら、社会でもビックリするほど男子学生達と同レベルの集団がよくいる現実に戦慄した人間より。

5.男性が柔軟な働き方をできているか見極めよ

一見4で言ったことと相反するようですが、それなりに理由があります。


・女性だけが柔軟な働き方をしていると男性に比べて待遇が悪くなる
(仕事の評価基準が対男性用のまま残るから)

・男女共に柔軟な働き方をできていれば、一方的に女性が働き方による不利益を被る可能性が少ない
(会社全体で仕事の評価基準を柔軟な働き方に準じたものに変える必要があるから)

就活でありがちなのは女性先輩社員に対して働き方は大丈夫かどうかをヒアリングすることですが、ここはむしろ男性社員のほうもチェックしましょう。

以上、転職後の職場で当たり前のように男性が長期間育休とってるのをみて初めて自分もそういった休みを取れるイメージが具体的に浮かんだ人間より。

最後に:キャリアの壁をあらかじめ知って対処しておこう

個人的最大の就活しくじりを一言でいうならば、「当時は結婚出産するつもりないから女性特有のキャリア問題は関係ないと思い込んでた」ことにより、ろくにそういった問題を調べてこなかったからかもしれません。

実際には結婚出産関係なくとも女性特有の突き当たる壁があり、それを知らなかったがために無駄に遠回りしてしまったところがあるように思います。

また女性特有のキャリア問題について、リアルな人間関係では周囲の大半を占める男性はそういった話題に関心がなく、また数少ない女性でも必ずしも体系的な知識を持っているわけはないです。
結果、私に対して直接このことを指導してくれるような人に出会うことはありませんでした。

この状況を幸いにもある程度自力で克服できたのは、下記の本に出会ったおかげです。
社会に潜む格差がどのようなメカニズムで発生し、どう対処するかの体系的な調査研究がまとめられた素晴らしい本です。
Google社の事例も数多く取り上げられており、まさにエンジニア職を目指す女性にとっては示唆に富む内容になっているので、就活の忙しく限られた時間のなかでもぜひ率先して一読することおすすめします。

さらに時間が許すならたんたんさんがオススメされている本を始めとしたこの分野の関連本を読むことも結果的に就活で大きく役立つのではないかと思います。

ゲームのルールを知ることが大事だ。そしてルールを学んだあとは、誰よりも上手にプレイするだけだ。(アインシュタインの言葉より)

残念ながら社会というゲームには、女性にとって不利なルールがたくさんあります。
けれどもまずはそのルールの存在とメカニズムをよく追求することによって、まるでルールの穴をつくような自分なりの攻略法を発見し、社会のゲームをうまく進めることは決して不可能ではありません。

むしろ私達に比べて一見有利な状況にいる男性たちも、今が有利であるが故に熟考せず行動し、人生の後半になって手痛いしっぺ返しをもらっているパターンも少なくないです。

ぜひ逆境を逆手にとるくらいの勢いで、長い目でみた将来にみなさんが活躍されることを祈っています。

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