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CES現地レポート②MO Insights: The Future of Connected TV - CESセッションレポート

2024年1月11日:CMO Insights The Future of the Connected TVのセッションについて

1月11日(木)10:00-10:40に、ARIAで開催された「CMO Insights: The Future of Connected TV」セッションの報告です。1番目のセッションに続き、最前列でパネリストたちの興味深い議論を聴くことができました。ARIAの会場は他のセッションが事前アポイント制である中、無料のコーヒーや水を楽しむことができるドリンクスペースがあり、休憩時間が充実していました。

パネリストの紹介

このセッションは、CTA(Computer Technology Association)のマーケティング責任者であるMellissa Harrisonがモデレーターを務め、パネリストにはLas Vegas RaidersのSVP of MarketingであるKristen Banks、The Trade DeskのCMOであるDavid Eisenbach、中国の家電メーカーであるHisenseのVPブランドマーケティングであるDavid Vanderwaalの4名が登壇し、Connected TVのマーケティングエコシステムにおける新たなビジネスチャンスについて熱く議論しました。以下がセッションのハイライトです。

コネクテッドTVの急速な普及

  • パンデミックによる視聴者のストリーミングへの移行が、Connected TVの急速な普及を促進しています。スマートフォンでの視聴も依然として存在しますが、CTVが提供するオンデマンドの利便性と大画面体験が好まれ、スマートTVの売上は急成長しています。

  • トレードデスクのデイビッドによると、2020年には、販売されるテレビの74%がスマートテレビとなり、2016年のわずか16%から増加し、急速に普及した。テレビでの映画/コンテンツ視聴は、自宅での大画面視聴へのシフトに伴い、2020年の47%から2022年には64%に増加しました。

データ主導型広告の拡大:

  • CTV(コネクテッドTV)はリニアTV(従来の視聴方法)と比べ、より正確な視聴者ターゲティングとキャンペーン効果の測定を可能にします。従来のコンテンツ・ファースト(プログラム協賛)のアプローチではなく、オーディエンス・ファーストのアプローチで行動することができるのです。
    広告主は現在、ニッチな視聴者や層にリーチできます。また、認証されたユーザーベースは、クッキーに依存しないターゲティングを可能にし、トレードデスクは、広告主がCTVのターゲティング能力を認識&評価したため、2021年から2022年にかけてCTVへの出稿が6%増加したと考えています。

スポーツコンテンツの変化:

  • スポーツのライブ中継は、共同視聴やブランド・パートナーシップの重要な場であることに変わりはないが、ストリーミング配信への統合も進んでいる。Paramount+専用のNFLの試合は、視聴者がライブコンテンツにアクセスする場所が進化し続けていることを示しています。

グローバル市場での成長:

  • アメリカ以外のグローバル市場のCTVの導入と成長は、メディア企業がストリーミング・プラットフォームでコンテンツを世界的に利用できるようにするにつれて、英国、ドイツ、オーストラリアなど、米国以外の市場でも急速に進んでいます。

未来の展望

  • 10年先を見据えて、パネルディスカッションでは、AR(拡張現実)、3Dオーディオ、世帯レベルのターゲティングなどのテクノロジーを使って、さらに没入的でパーソナライズされたテレビ体験ができると予想しました。これによって視聴体験が変わり、広告モデルはCTVプラットフォームでのパフォーマンス・バイイングに移行し続けるのではないかと締めました。

Connected TVとストリーミングの進化に伴う新たな課題とビジネスチャンスに関しての所感:

セッションでの私が印象に残ったのは、The Trade DeskのDavidが述べた「Connected TVやストリーミングが進化するにつれ、長期的なブランド構築のアプローチが犠牲にされ、全てがクリックや売上に焦点を当てる可能性がある」という懸念でした。ただし、ARグラスなどの普及でスクリーンという概念がなくなるまでは、現時点ではTVという大画面は優位性があるのではと思います。TVの大画面でのコンテンツ体験はブランドの世界観やストーリーを伝えるために適しており、パフォーマンスだけでなくブランドリフトやLTVなどの計測により本質的なROIが導き出されるのではないかと考えました。
このセッションでは触れられませんでしたが、私は、リテールメディアなどとの連携が進むことで、本当の意味でのエコシステムが構築され、広告主にとってさらなるビジネスチャンスが広がる可能性があると考えています。

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