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魂のこよみ

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Anthroposophischer Seelenkalenderは,ドイツの神秘思想家ルドルフ・シュタイナー(Steiner, Rudolf)が1912年に発表した詩篇形式のカ…
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2020年11月の記事一覧

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第4週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第4週

第34週

神秘に満ちた 古き遺産が
新たに芽吹いた 己らしさをもって
私の内に蘇るのを感じる。
──それは 目覚めるごとに
世界の力を 私の日々の営みへと注ぎ込み
生成するごとに 私を存在に刻印していく。

ルドルフ・シュタイナー
(訳:yuka ogiso) 

思いに任せて
思いに反して

小さな紙を
貼っては剥がし
剥がしては貼り

厚くなって瘤ができたり
脆くなって穴があいたり

夢を描

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第3週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第3週

第33週

いまならこう感じる──
私の魂が共に体験しないなら
世界とは ただの 
凍てつくように冷たい 空虚ないのち。
自ら現れる力は持たず
魂においてこそ 新たに生まれるものであり
それ自体には 死しかないのだと。

ルドルフ・シュタイナー
(訳:yuka ogiso) 

木々を揺らす風は
風に舞う花びらは
花を愛でる蝶々は

降り止まぬ霧雨は
雲間を劈く稲妻は
大岩を穿つ荒波は

脈打つ私

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第2週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第2週

第32週

確かに感じる。
私の力が かたく実を結び
私を世界に捧げようとするのを。
私の本性が 強められ
生の宿命の織物の中で 
明るく澄みわたっていくのを。

ルドルフ・シュタイナー
(訳:yuka ogiso)

月の光は
白く静かに
夜の街の隅々にまで降り注ぐ。

窓辺のカーテンに
路地裏のゴミ箱に
家路を急ぐ人の肩に
子どものいない遊園地に

世界に色彩を与える太陽とは違って、
月は す

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第1週

【R. シュタイナー『魂のこよみ』】11月第1週

第31週

精神の深みからの光が
太陽のように 外へ伸びようとする。
それは 生命の意志の力となって
感覚の中の暗闇を照らす。
魂の本能である 創造の力を解き放ち
人間の営みの中で 成熟させていくために。

ルドルフ・シュタイナー
(訳:yuka ogiso) 

身体の奥底から
少しずつ金色の光が差してきて
五臓六腑を温め 
血管を通過し
四肢の先 頭の先まで巡りめぐって
私にまつわる何もかもを

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【R. シュタイナー『魂のこよみ』】10月第4週

第30週

私を 魂の陽光へと連れだす 
豊かに熟した 思考の果実よ
すべての感情は 
確かな自己意識へと変容する。
いまは秋 精神が目覚めゆく感覚に
喜びが満ち溢れる。
冬になれば 私の内で
魂が夏の盛りを迎えることだろう。

ルドルフ・シュタイナー
(訳:yuka ogiso) 

空は高く
雲は立ち
太陽は静かな光をもって
葉の落ちた木々の枝間に降り注ぐ

茶色の地面を交互に染める
光と陰と

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