マガジンのカバー画像

偏愛あつめ

15
愛してやまないものことひとあつめ
運営しているクリエイター

2021年2月の記事一覧

花束みたいじゃなかったとしても

花束みたいじゃなかったとしても

この世の人間を、感性を軸にして大きく二つに分けるならば、わたしと恋人はおそらく違うほうに属すると思う。

彼は小説やエッセイをほとんど読まないし、わたしの愛する“生”っぽい映画(『愛がなんだ』『ラ・ラ・ランド』『ここは退屈迎えに来て』など)もおそらく解さず、好まない。
作品の世界観にあてられて、その後の数時間をぼんやりと過ごすようなことも彼にはない。

また、恋人がこよなく愛する史実や建築物にわた

もっとみる