『もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか2』 (後編)
3章「私たちのSOS」
3-1「I don’t think so」あれから数日間、私はずっとモヤモヤとしながら過ごした。
今まで私は、塾で沢山の子供たちに、英語を教えてきた。もちろん、中には留学などをして、話者になった子もいるかもしれない。しかし、それは私の知るところではないのだ。話者にさせる責任を何一つ負っていないので、乱暴に言うと、どうでもいい。
松尾さんの言葉も、頭をよぎる。そう、確かに私の仕事は、「合格させる」だ。
こうして有紀さんの言葉が、ストンと落ちてくる。