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税の作文の書き方

文章力養成コーチの松嶋です。小学生の夏休みの宿題で、大変なのにどうしても後回しになってしまうものの代表格が、読書感想文ですね。読書感想文の書き方についてはマガジンがあるので、読んでみてください。

学校で日本語のライティングの授業がない

さて、同じ感じで、中学生の夏休みの宿題ラスボス系では、読書感想文の他に、税の作文や人権の作文があります。いずれも中学生には書き方がわからない宿題なんですね。なぜわからないかというと学校で教わってないからです。
本当に、日本の学校では、まずはライティングをしっかりと教えた方がいいですよ。って、ここで言っても仕方がありませんけどね。欧米ではライティングはとても大事な勉強で、しっかり時間を割いて授業をするんですけど、日本では、書く作業が多いわりに、書き方の授業なんてほぼないんじゃないですかね。私も独学でしたし、センスのあるなしで運命が分かれるように思うかもしれませんが、文章力ってセンスじゃないんですよ。教えれば発揮することも覚醒することもいるのに、個別対応方式になってしまうので、学校がやりたがらない。逃げてますねー。ま、文章力を付けたい場合は、私のような職業の人に頼ってください。

中学生はなぜ税の作文が書けないのか

1 書き方がわからない
2 税について知らない

1「書き方がわからない」について

習っていないものは仕方がない。それでも書かなくちゃいけないのだから、かわいそうな日本の中学生。。。
そんな中学生のみなさん。まず、文章を書くときに型を使うといいでしょう。色々な型がありますけれども、次の型をおすすめします。

第1段落 結論
第2段落 理由、根拠、体験
第3段落 予想される反対意見
第4段落 それに対する反論
第5段落 思考を経て高まった結論

最後の結論は、抽象度が上がります。なぜなら、第2段落、第3段落、第4段落の段階で「考える」からです。
「ぼくは税のことなど知らずに生きていた」など、ドラマチックに書く方法もありますが、それは最後の飾りつけです。その前段階をしっかり。

2「税について知らない」について

人間、知らないものについて、書けません。大人だってそうです(笑)
では、そういう時、人間は何をするでしょう? そうですね。調べますね。
税とは何なのか、中学生で関わってる税にはどのようなものがあるのか、そんな切り口(検索ワード)で調べてみましょう。
その辺は中学生は得意なはず。みんな、スマホで調べたいこと調べるでしょう?「渋谷・かき氷」「カラオケ・持ち込みOK」とか(笑)そんな感じで「中学生・税金」などで調べます。

調べてみると分かりますが、中学生を含め、働いていない人は、消費税以外の税金を払っていない。つまり、受けられる恩恵の方が大きいはずです。そこから、実は弱者のために集めているのだということが見えてきます。(税金が悪の権化のように言われるのは、分配方法が間違っているからだと私は思います)
そのことに感謝するという作文がコンクールには選ばれやすいですが、コンクールには学校で一人くらいしか選ばれませんので、そんな狭き門を狙って、感謝もしていないのに、わざわざ感謝の形に変えて書かなくてもいい。調べて思ったことを素直に書くというのが一番いいです。

中学生に関わる税のテーマ

国会議員や学校の先生等の公務員の給与なども税金です。大人は言いたいことがそこに集中することもありますが(笑)、中学生なら、公共施設、警察官や消防、学校、病院などが税金で建設、運営されているので、その辺がいいかもしれません。気になったワードを調べてみましょう。

そして、調べたものについて書くだけでは、ただのレポートになってしまいます。作文というからには、自分の意見を書かなければいけません。意見文を書くために何かが必要か。それは自分の頭の中にある意見や考えを言語に直して外に出すということです。そして、まず考えなくちゃいけない。少しでいいので、ちゃんと自分の頭で考えたことを言葉にしてみましょう。それは、読書感想文でも人権の作文でも同じです。

考える時のヒント

次のような方法があります

1 自分だったら税金をどう分配するか
2 もし税金がなかったらどんな日本になるか
3 昔はどうだったか
4 将来はどうか
5 海外はどうか

そんな方法から、思いを馳せてみましょう。妄想してみるのです。妄想はどんどんメモして、妄想しきったあと、意見としてきちんとした書き言葉に直してみます。それが第2段落になります
そして、誰の意見も、絶対に完ぺきではないはずなので、必ず反対者がいます。そのことについても思いを馳せてみましょう。それが第3段落になります
そして、そんな反対意見に「たしかにそうだよね。でもさ……」と反論するのが第4段落になります
それら全部を踏まえ、自分の結論をズバッと。それが第1段落になります
あ、気が付きましたか?第1段落から書き始めてはダメな理由を。
結論って考えたあとで出てくるものなので、最初に書いちゃだめなんですよね。
さて、全体を眺めてみます。そこで総評のようなことを書きます。ここが難しいんですが、がんばってみて。努力大事。つまり、どういうことなの? 反対意見まで考えて、どうだったの? その大きな結論が第5段落になります。

それぞれ、240文字、Twitter投稿の1.5投稿分くらい?文字を書くと、5つの段落で1200文字になります。要項にある1200文字にぴったり。

やった!完成ですね!

そうそう、面白い漫画がありますよ。10年前に借りた図書館の本。税金で買った本なので買って返してくださいと言われたヤンキーくんの話です。

オマケ

税金について、僕は何も分からないので調べてみました」という文は、たとえ事実だったとしても、書かない方がいいです。確かに作文では動機を書くように教わったかもしれませんが、動機とは、そういうことではないんです。その先です。例えば「もし税がなかったらどうなるか想像してみました」という方が動機です。
よく、読書感想文の書き方で「ぼくがこの本を選んだきっかけは……」と書かされますが、そんなことは書かなくていいんです。ほんと、ダサい。その分感想を書くべきなんですね。意見文も同じです。

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