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手が出るのは、気持ちを説明するのが下手だから

文章力養成コーチの松嶋です。

よく、ドラマのケンカの場面で、
「バカじゃねぇか」
「なんだとこのやろう、もういっぺん言ってみろっ」
という会話の後に、殴るパターンがよくあります。
「もういっぺん言ってみろ」と言われているのに、殴るんです(笑)

何も言い返せず、不気味なほど大人しくなってしまうパターンではなく、
今日は、手が先に出てしまう子のパターンについて、考察です。

少し古い情報ですが、子供たちのコミュニケーションについて感じていることを、教師に聞いた回答がありました。

1.語彙が少なく、自分の気持ちをことばで伝えるのが苦手
2.相手の立場を思いやることが足りず、悪気が無いのに傷つけることを言ってしまう
3.友達同士の揉め事で、口げんかすらせずに、いきなり手が出ることが多い

この3番に注目です。
口げんかすらできない。
どんなに傷ついたのかが言葉で言えない。
どんなに怒っているのかが言葉で説明できない。
つまり、伝えたい気持ちを言葉に変換できないのです。

昔は、殴り合いの前にも、まず口げんかをしていたように思います。
口げんかでは、言葉の達者な方が勝ちます。つまり、自分の考えをさっと言葉に変換できる方が勝ちなのです。それで、言葉の力で負けた方が、それでも相手を負かしたい場合に限って手を出していたように思います。

ところが、ちょっとでも複雑な気持ちになると、的確な言葉で自分の気持ちを伝えられず、いらいらしてすぐ大きなケンカになります。そのケンカが、大きな事件になる場合も多いようです。

また、いわゆる「キレる」子も、同じです。自分の感情の変化が説明できず、突然爆発してしまうのです。

「偏食をするとキレやすい」
「生活のリズムが乱れているとキレやすい」
「集中力がないとキレやすい」
いろいろな説が出回っていますが、わたしは「自分の気持ちを言葉で的確に伝えられる力」さえ持てば、突然「キレ」たりしなくなるんじゃないかと思っています。

いやな事を言われたりされたりした時に、どんなにいやな気持ちになったのかを相手に的確な言葉で伝える。何かをしてもらって、うれしかった時には、どんなに素敵な気持ちになったのかを相手に的確な言葉で伝える。
そのコミュニケーション力があれば、「もういっぺん言ってみろ」と言われているのに、「殴る」子にはならないと思います。

そして、まずは身近な親が、子供の言いたい事に、ふたをしたり、通せんぼをしたりすることなく、じっと待って聞いてあげる姿勢が大切だと考えます。

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